平成26年度各会計決算特別委員会(2015年10月14日)障害者スポーツについて等

平成26年度各会計決算特別委員会(2015年10月14日)



〇野上委員

 先日の分科会で、財務諸表の内容を中心に、平成二十六年度の決算について全般的な説明を受けました。本日は、平成二十六年度の取り組みについて、より具体的に質疑を行い、その到達点や意義について明らかにする機会にしたいと思っております。

 初めに、二〇二〇年大会の準備についてお伺いいたします。

 平成二十六年度を振り返ると、大会準備の礎となる取り組みとして、大会開催基本計画の提出や、平成二十六年第二回定例会で舛添知事が打ち出した会場計画の再検討が挙げられます。

 そこで、大会開催基本計画の策定や会場計画の再検討の具体的な内容と、関連する経費、そしてその成果についてお伺いいたします。

〇延與大会準備部長

 平成二十六年度は、前年にございました二〇二〇年大会の開催決定後、都、組織委員会の大幅な体制拡充を受けまして、本格的な大会準備のスタートの年となりました。

 まず、大会開催基本計画につきましては、計画策定のための調査委託やIOC、IPC、国際競技団体等との多岐にわたる協議、調整に取り組みまして、計画策定関連の経費といたしまして五億三百万余円を支出いたしました。

 こうした取り組みを経まして、平成二十七年二月に大会開催基本計画をIOC、IPCに提出いたしまして、現在、この基本計画に基づいて、輸送、セキュリティーなど個々の分野の具体的な実施内容の検討を進めているところでございます。

 また、会場計画の再検討につきましては、東京にどのようなレガシーを残せるか、都民生活への影響、整備費高騰への懸念への対応の三つの視点から検討を行いまして、夢の島ユース・プラザ・アリーナA及びB、若洲オリンピックマリーナの三施設の新設を中止して、既存会場を活用していくことといたしました。見直しの結果といたしまして、二〇二〇年大会に向けて都が整備する施設全体で、おおむね二千億円程度の圧縮を図ることができたところでございます。

 平成二十六年度につきましては、再検討の結果を踏まえて、オリンピックアクアティクスセンター、海の森水上競技場、有明アリーナの三施設につきまして、基本設計に着手しまして、一億八千九百万余円を支出いたしましたほか、地質、地盤等の基礎的な調査費と合わせて、施設整備費といたしまして十一億五千六百万余円を支出したところでございます。

〇野上委員

 私たち庶民の感覚では、はかりがたい金額だと思うんですけれども、税金を使ってのオリンピック・パラリンピックの開催ということでございますので、既存施設を有効に活用し、新たに新設した場合は、競技が終了した後も、すぐに取り壊すのではなくて、有効活用できるような取り組みが必要だと思っております。そうした意味からも、見直しをした結果、予算を圧縮できたことは、都民にも納得できるものと思います。

 また、私の地元葛飾出身で、小さいころから水泳に親しんできた渡部香生子選手、高一のときに出場したロンドン・オリンピックで準決勝まで進みました。二〇一二年八月一日、葛飾区の堀切地区センターでパブリックビュー、これはもう大変暑い中、応援したことを懐かしく思い起こします。会場には多くの地元の方々が集まっておられて、準決勝戦への予選会で勝ったときには、みんなで抱き合って喜んだものでございました。

 渡部選手は、ことしの世界水泳の二百メートル平泳ぎでは、見事金メダルを獲得をいたしました。

 地元出身の選手が世界で活躍するのは本当にうれしいことです。地域の子供たちに広くスポーツに親しむ場を提供し、才能のある子供たちには高度なスキルアップの機会を提供していく、そのような段階に応じた取り組みが大切だと思っております。

 そこでまず、二〇二〇年大会を視野に入れた平成二十六年度のジュニア育成の取り組みについてお伺いいたします。

〇早崎スポーツ推進部長

 二〇二〇年大会で活躍する東京都の選手を一人でも多く輩出するためには、ジュニア層の育成が重要でございます。

 都は、平成二十一年度から、すぐれた運動能力を持つ中学生を対象に、ボートやウエートリフティングなど七つの競技で活躍できる選手を発掘し育成するトップアスリート発掘・育成事業を開始し、平成二十六年度には第六期生二十八人を認定しました。

 また、ジュニア特別強化事業では、競技団体が実施する将来有望なジュニアアスリートに対する強化練習等を支援し、三千六百八人に競技力を磨く機会を提供しました。

 さらに、平成二十六年度には、ジュニアを含む日本代表を目指す選手を対象に、国際大会等に出場するための渡航費や強化合宿への参加経費などを支援する日本代表選考会出場選手強化事業を開始し、四百七十六人の選手、指導者に支援を行いました。

 こうした事業を通じて、ジュニア選手の発掘、育成強化を充実させてまいりました。

〇野上委員

 都が、オリンピックなど国際大会で活躍できるアスリートの育成に向けて、ジュニア層に対してさまざまな取り組みを推し進めていることがわかりました。

 二〇二〇年大会に向けては、このようなアスリートの育成だけではなく、誰もが身近な地域でスポーツを楽しめる環境づくりを進め、スポーツの裾野を広げることが重要だと思います。特に、子供から高齢者まで、幅広い世代が日常的にスポーツに親しむとして期待されている地域スポーツクラブの活性化が必要です。

 そこで、平成二十六年度において、地域スポーツクラブの設立や、設立後の活動に対しての取り組み状況についてお伺いいたします。

〇早崎スポーツ推進部長

 地域スポーツクラブは、地域住民が主体的に運営し、子供から高齢者、障害者を含め、誰もが身近にスポーツに親しみ、交流を図れる場として、地域のスポーツ推進に欠くことができないものでございます。

 このため都は、平成二十六年度に策定した東京都長期ビジョンにおいて、地域スポーツクラブの設立拡大と活動の活性化を位置づけ、二〇二〇年までに全区市町村にクラブを設立することを目標として掲げ、さまざまな取り組みを進めることとしました。

 具体的な取り組みとしては、地域スポーツクラブの設立に向けて、クラブ設立の理解促進を図るセミナーの開催や、専門家による訪問相談など、きめ細かな支援を行い、平成二十六年度には、台東区で初となる地域スポーツクラブを初め、新たに六つのクラブが設立されました。現時点では、都内自治体の約八割に当たる四十九区市町村で百二十五の地域スポーツクラブが活動しています。

 また、クラブ設立後の支援としましては、地域スポーツクラブ種目別交流会などを通じて、延べ五十六クラブの交流を図るとともに、都民参加事業により、会員獲得に向けた四十二クラブの取り組みに対して支援を行い、平成二十年度の事業開始時の三倍以上となる約二万人の参加を得ることができました。

 今後とも、地域スポーツクラブがより多くの都民に親しまれ、身近なスポーツの拠点としての役割を果たせるように取り組んでまいります。

〇野上委員

 誰でも、いつでも、どこでも、いつまでも身近にスポーツができる環境を整えていくことが、健康寿命を延ばして、医療費の削減にも通じるものと思っております。

 次に、障害者スポーツについてお伺いいたします。

 二〇二〇年の大会が成功するかどうかの鍵を握っているのは、パラリンピックの成功です。障害者が引きこもることなく、意欲的にスポーツに取り組むことができるような環境を整えていくことが大事だと思っております。

 東京都は、平成二十四年三月に東京都障害者スポーツ振興計画を策定し、それに基づき障害者スポーツの振興を図ってきたところであります。障害者スポーツの振興に当たっては、障害のある人と障害のない人とが、ともに障害者スポーツを体験することが重要だと考えております。

 そこで、健常者と障害者が一緒にスポーツをする取り組みについて、都が平成二十六年度に行った取り組みについて、事業内容についてお伺いいたします。

〇萱場パラリンピック担当部長障害者スポーツ担当部長兼務

 障害のある人とない人がスポーツを通じて交流を図ることは、障害者スポーツの普及啓発や障害についての理解を深めるために、極めて有効でございます。

 都は、平成二十四年度から、北区にある東京都障害者総合スポーツセンターにおいて、体験型のイベント、チャレスポTOKYOを開催してまいりました。三回目となる昨年度は、二十競技の体験コーナーを設置し、車椅子テニスやボッチャなどパラリンピック種目の競技のほか、卓球バレーやフライングディスクなど、障害の有無にかかわらず気軽に楽しめる競技についても広く取り入れ、当日の参加者は千五百人に上りました。

 このほか、有明の森スポーツフェスタやスポーツ博覧会・東京などのスポーツイベントにおいて、車椅子バスケットボールやブラインドサッカーなど、障害の有無にかかわらず健常者と障害者が一緒にスポーツする機会を創出いたしました。

 なお、チャレスポTOKYOは、今年度、より多くの方に障害者スポーツの魅力を発信するため、会場を東京国際フォーラムに移して実施し、約一万人の方に来場いただいたところでございます。

〇野上委員

 今後も、こうした機会を通じて障害者スポーツの普及を図っていただきたいと思っております。

 障害者スポーツの振興に当たっては、普及啓発に加えて、障害のある人がスポーツに親しめるよう、身近な地域での取り組みが必要です。

 そこで、地域における障害者スポーツの取り組みを促進するために、都が平成二十六年度に行った事業内容についてお伺いいたします。

〇萱場パラリンピック担当部長障害者スポーツ担当部長兼務

 地域における障害者スポーツの取り組みを促進するため、都は、区市町村や地域スポーツクラブ等に対し、スポーツ教室等の企画立案や障害者スポーツ指導員の派遣、用具の貸し出しなどのサポートを行う地域開拓推進事業を通じて、平成二十六年度においては六十五事業を支援いたしました。

 加えて、障害者スポーツ取り組み事例集を作成し、区市町村や地域スポーツクラブ、スポーツ推進委員協議会等に配布いたしました。

 当該事例集の作成に当たりましては、事業の準備に要した日数や段取り、企画実施に当たり配慮した点などを項目に分けて具体的に示すことで、障害者スポーツ教室を行おうとする区市町村等がマニュアルとして活用できるよう、工夫をしたところでございます。

〇野上委員

 すばらしい事例集ができ上がっております。この事例集の活用等により、各地域において、障害者が参加できるスポーツ教室がさらにふえていくことを期待いたします。

 次に、障害者スポーツの活動を支える人材の育成についてお伺いいたします。

 都では、障害者スポーツ指導員の資格取得に向けた養成講習会を行っております。

 そこで、障害者スポーツ指導員について、平成二十六年度における実績と育成の方向性についてお伺いいたします。

〇萱場パラリンピック担当部長障害者スポーツ担当部長兼務

 都は、地域における障害者スポーツ振興において、指導や支援に当たる人材を育成することを目的に、公益財団法人日本障がい者スポーツ協会公認の障害者スポーツ指導員の資格取得に向けた講習会を平成二十六年度から開始いたしました。

 障害者スポーツの基礎的知識を有する初級障害者スポーツ指導員を養成する講習会は、五十一人の方が受講いたしました。講習会では、区市町村のスポーツ主管課の職員やスポーツ施設職員のほか、地域におけるコーディネーター役を担っているスポーツ推進委員に対し、障害者スポーツに係る知識や基礎的な指導法を付与いたしました。

 障害者スポーツの指導の中核を担う中級指導員の養成講習会は、三十七人の方が受講いたしました。この講習会では、初級指導員の資格取得後、二年以上の活動経験を積んだ方を対象として、さらに高い指導法を習得していただきました。

 今後の育成の方向性としては、二〇二〇年までに、区市町村におけるスポーツ推進委員のうち、少なくとも一人は障害者スポーツ指導員の資格を取得するようにしていくとともに、現在、都内を主な活動場所として登録している約二千人の障害者スポーツ指導員の中には、必ずしも継続的に障害者スポーツの指導や支援に携わっていない方がいることから、障害者スポーツ事業の情報を提供し、活動を促す取り組みを進めてまいります。

〇野上委員

 障害者スポーツ指導員は、地域における障害者スポーツのかなめとなる存在であり、今後とも、長期ビジョンに基づき、計画的に指導員の育成と配置を行っていくことを期待しておきます。

 次に、障害者スポーツセンターについてお伺いいたします。

 都内には、北区に東京都障害者総合スポーツセンターと、国立市に東京都多摩障害者スポーツセンターがございます。

 先日、東京都多摩障害者スポーツセンターを視察いたしました。家族で利用できる更衣室や、聴覚障害者のための集団補聴設備を備えた会議室など、障害者にとって利用しやすい工夫がされていることがわかりました。その一方で、雨漏りが発生するなど老朽化が進んでいるほか、和式トイレが多く、障害者にとっては使いにくいという声もありました。

 このように、障害者スポーツセンターは、障害者にとって利便性を兼ね備えているものの、両センターとも建設から約三十年を経過し、老朽化しております。

 今後、両センターを改修していくとお聞きしておりますが、その改修計画についてお伺いいたします。

〇田中スポーツ施設担当部長

 二カ所の障害者スポーツセンターは、ともに建設から約三十年が経過し、老朽化が進んでいることから、大規模改修工事を行うこととし、平成二十六年度改修計画を策定しました。

 改修スケジュールにつきましては、東京都障害者総合スポーツセンターでは、昨年度から基本設計に着手し、平成二十八年度から三十年度にかけて工事する計画でございます。また、東京都多摩障害者スポーツセンターにつきましては、今年度から基本設計に着手し、平成三十年度から三十一年度にかけて工事する計画でございます。

 今回の改修では、次のような三つの考え方に基づいて改修方針を定めております。

 まず、一つ目は、外壁の修繕や電気設備の省エネ化等、老朽化対策と維持管理の効率化、二つ目は、駐車台数の増加や家族で利用できる更衣室の整備等、利便性と快適性の向上、そして三つ目は、多目的スペースの新設や体育館の冷房設備の新設等、トレーニング環境の充実であります。

 このような方針に基づき、今後、設計業務の中で具体的な改修内容を詰め、施設の改善に取り組んでまいります。

 なお、ご指摘の雨漏りの対策など、必要性、緊急性の高いものにつきましては、可能な限り迅速に対応してまいります。

〇野上委員

 緊急性の高い雨漏りの対策等、どうぞよろしくお願いいたします。

 今回の改修を機に、利用者にとってセンターがさらに利用しやすくなるよう期待をしておきます。

 また、両センターでは年々利用者がふえ、施設を利用するために待つこともあると聞いております。障害者のスポーツの練習場所が不足していると思いますが、その確保策についてお伺いいたします。

〇田中スポーツ施設担当部長

 より多くの障害のある人にスポーツを楽しんでもらうためには、身近な地域の施設の利用を拡大していくことが必要であると考えております。

 このことから、都は、平成二十六年度にスポーツ施設整備費補助制度を創設し、区市町村が所有するスポーツ施設をバリアフリー化する工事に対して補助する仕組みを整備しました。昨年度は、バリアフリー化工事を実施する五施設に対して補助を行いました。

 また、障害者スポーツ施設の利用促進に向け、車椅子利用により床に傷がつくことを懸念して、十分に受け入れられないという声もあることから、区市町村への説明会等の機会を通じて、施設管理者に対する働きかけを行ってまいりました。

 今後も、身近な地域でスポーツに親しむことができるよう、そのための環境づくりを進め、障害者スポーツの振興に取り組んでまいります。

〇野上委員

 障害者スポーツ振興にとって、障害者がスポーツできる環境を整備することは非常に重要であります。今後も、センターの充実化と、身近な地域のスポーツ施設の整備に取り組んでいただくことを要望しておきます。

 これまでのご答弁を通じて、都が、二〇二〇年の東京大会開催を契機に、障害のある人もない人も、ともにスポーツを楽しめる環境をつくるため、総合的かつ幅広い事業を展開してきたことがわかりました。

 そこで、平成二十六年度の取り組みを推し進め、障害のある人もない人も、誰もが、いつでも、どこでも、いつまでもスポーツを楽しめるスポーツ都市東京の実現に向けた局長の意気込みをお伺いして、質問を終わります。

〇中嶋オリンピック・パラリンピック準備局長

 スポーツには、それ自体が人々に喜びや楽しさをもたらすだけではなく、健康増進や青少年の心身の健全発達、仲間との交流を楽しむコミュニティの創出に寄与するなど、さまざまな効用がございます。

 このため、平成二十六年度に策定いたしました東京都長期ビジョンでは、二〇二〇年に向けまして、世界トップレベルのスポーツ実施率七〇%を達成し、スポーツがライフスタイルに定着するとともに、障害のある人もない人も、ともにスポーツに親しむ社会の実現を目指すこととし、さまざまな施策を展開することとしております。

 平成二十六年度は、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック競技大会の開催都市として、スポーツ振興におきましても新たなステージを迎えた年でございました。競技力向上では日本代表選考会出場選手強化事業、身近なスポーツ環境の整備ではスポーツ施設整備費補助制度、障害者スポーツでは障害者スポーツ指導員養成講習会など、それぞれ新しい事業を創設いたしました。

 スポーツ実施率につきましては、六〇・五%まで向上しましたものの、やはり二十代、三十代のスポーツ実施率は四〇%台にとどまっておりまして、これらのいわゆる働き盛りの世代に対する取り組みが必要であるとともに、障害者スポーツに関しましては、普及啓発・理解促進、場の拡大・人材育成、競技力向上、これを大きな三つの柱としまして、今後、加速度的に政策を進めてまいります。

 今後、平成二十六年度の事業を含めまして、これまで積み重ねてまいりました実績をスプリングボードとして、二〇二〇年に向けて飛躍的に施策を充実強化し、スポーツ都市東京を実現してまいる所存でございます。

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