平成18年度決算特別委員会(2006年10月23日)財政再建推進プランについて等

平成18年度決算特別委員会(2006年10月23日)


◯野上委員

 十七年度は、第二次財政再建推進プランによる取り組みの二年目に当たるということで、また、平成十二年度から始まりました第一次財政再建推進プランによる四年間の取り組み期間を合わせると、十七年度は取り組み期間の六年目ということになります。二次にわたる財政再建推進プランによる取り組みは、平成十年度決算において一千億円を超える赤字額を計上し、財政再建団体への転落さえも危ぶまれる状況からスタートしたということですが、この間の取り組みが実を結び、都の財政再建にようやく一つの区切りをつけるところまでたどり着くことができたということです。
 しかし、本格的な少子高齢社会の到来に伴う社会保障費の増加など、都財政にはまだまだ克服していくべき課題も山積しており、今後も手を緩めずに財政構造改革を進めていくことが求められます。そこで、今後の財政運営を進めていくに当たって、これまでの取り組みや進捗状況について確認するとともに、今後懸念される都財政にとっての障壁への対応について、何点か伺います。
 第二次財政再建推進プランで掲げていた目標の進捗状況について伺います。

〇安藤主計部長

 第二次財政再建推進プランでは二つの数値目標を示してございまして、一つは、十八年度までに巨額の財源不足を解消すること、二つ目が、同じく経常収支比率を九〇%以下の水準に引き下げることでございました。
 この間、全庁挙げまして財政再建に取り組んだ結果、最初の財源不足の解消につきましては、十七年度及び十八年度予算におきまして、臨時的な財源対策を行うことなく当初予算を編成することができたのに加えまして、二つ目の経常収支比率につきましても、十七年度決算で八五・八%にまで改善されるなど、二つとも当初の設定よりも一年早く目標を達成することができたところでございます。

◯野上委員

 二次プランで掲げた目標について、巨額の財政不足の解消もできた、それから経常収支比率を八五・八%に達成することができた、二つとも確実に達成できたということです。この間の取り組みを私たちも一緒になって推進してきた立場から、すばらしいことだと思っております。
 また、財政再建に向けた個々の取り組み方策については、大変厳しい努力を必要とするものが多くあったと思いますが、こうした努力の結果を今後に生かしていくことが重要であります。
 そこで、第二次財政再建推進プランで掲げていた具体的な取り組み方策による財源確保の状況について、具体的に伺います。

〇安藤主計部長

 第二次プランでは、給与関係費の削減などの内部努力、それから施策の見直し、徴税努力などの歳入確保、地方税財政制度の改善の四つを取り組み方策の柱といたしまして、十八年度で見込まれます三千七百億円の財源不足を解消することといたしたところでございます。
 このうち、地方税財政制度の改善につきましては、残念ながら成果が見られませんでしたが、内部努力、施策の見直し、そして歳入確保の取り組みを合わせた財源確保額は合計で二千八百二十二億円と、三つの目標額の合計二千六百億円を上回る成果を上げてございまして、これはまさに財政再建への取り組みを徹底した結果であるというふうに考えております。

◯野上委員

 四本の柱の、人件費の削減を初めとして内部努力、それから施策の見直し、歳入の確保など、プランの具体的方策に着実に取り組んできた結果、財源不足の解消につなげてきたということです。
 この中で、内部努力は当然のこととして、特に施策の見直しが重要であります。財政再建推進プランによる財源確保への取り組みにより、収支の均衡など量的な面での改善は進んだと思いますが、都財政の健全性を維持していくために、今後は施策の見直しを通して、より質的な面での改善に力を入れていかなければならないと思います。
 そこで、第二次財政再建推進プランの取り組みを踏まえて、今後の施策の見直しの進め方について伺います。

〇安藤主計部長

 東京都では、二次にわたります財政再建推進プランを通じまして、すべての事業について厳しく見直しを行ってまいりますけれども、こうした取り組みやプランで掲げました目標が達成されたからといって終わらせていいものではないというふうに思っております。私どもが目指しますのは、都税収入が不安定な中にありましても、お話がありましたように、少子化対策や社会資本の整備など新たに生じます財政需要にもきっちりと対応できる、強固で弾力的な財政基盤を確立することでございます。そのためにもやはり、社会経済状況の変化に的確に対応しながら、スクラップ・アンド・ビルドを徹底する、それに加えまして、仮に財源の確保につながらなくとも、手法や内容を見直すことで事業を再構築いたします、お話のような質的な見直しも進めまして、これまでの成果に安心することなく、今まで以上に財政構造改革を加速させていく必要があるというふうに考えてございます。

◯野上委員

 目に見えないこういった成果というのは、一度根づくことによって、将来にまでわたってその効果があらわれるものであり、今後、都財政の構造改革を進めていく中でより大きな効果をもたらすと思っております。
 従来より我が党が提案してきた事業の仕分けですね、これも、実際に現場で事業に携わっている職員の視点からすべての事業を見直す取り組みであり、二次プランで得られた成果とあわせて、質的な向上を目指す取り組みを今後とも引き続き行っていただきたいと思います。
 先ほどの財源の確保についての取り組み状況について、もう一つお伺いします。
 三千七百億円の目標に対して確保額が約二千八百億円ということで、九百億円程度不足しているわけですが、これは、取り組み方策の中で唯一、地方税財政制度の改善による財源確保額が計上されていないことが原因であるということです。地方税財政制度の改善による財源確保が進んでいないのはなぜなんでしょうか。

〇安藤主計部長

 地方税財政制度につきましては、この間、三位一体の改革によりまして、不十分ながら三兆円規模の税源移譲が実現されましたけれども、その一方で、私どもについて申し上げますと、根拠のない東京富裕論が蔓延をいたしまして、法人事業税の分割基準の不合理な見直し、さらには、特に都への影響が大きい地方特例交付金の廃止が強行されました結果、都にとりましては、全体で、残念ながらマイナスの収支となっていることから、プランにおける財源の確保額としては計上していないものでございます。

◯野上委員

 三位一体改革では、国から地方への税源移譲が十分に進んでいない。それに加えて、法人事業税の分割基準の見直しなど、国の不合理な制度改正が行われたことによって、都にとって結局はマイナスとなってしまっています。しかし、それにもかかわらず、相変わらず、東京が富裕である、東京ひとり勝ち論というのがありますが、東京の財源を奪おうとする動きが絶えない状況となっております。こうした東京富裕論が絶えない中にあって、十七年度決算では実質収支が五百四十三億円の黒字になったということです。
 そこで伺いますが、十七年度決算が黒字となったことで、東京が富裕であるということが喧伝されていますが、それに対する所見についてお伺いします。

〇安藤主計部長

 十七年度の決算におきまして、ようやく十六年ぶりの黒字、五百四十三億円でございますけれども、黒字決算となりましたけれども、これはあくまでやはり国や他の自治体に先駆けまして、都議会、都民の方々のご協力をいただきながら歳出削減や歳入確保に全力を挙げてきた、取り組んできた結果で、その結果なし得たものであるというふうに考えてございます。
 お話のように五百億円余の黒字でございますが、これは、これまでの決算に比べれば確かに大きな黒字ではございますけれども、東京都の場合に、都税収入が毎年数千億円の規模で変動するという、ほかの自治体にはないリスクを抱えていること、あるいは今後も多くの需要を抱えていることを考慮いたしますと、それのみで財政全体を判断すべきではないというふうに思っております。そうした中で、五百億円という数字だけをとらえまして、東京は富裕であるということを殊さらに強調するような主張は、やはり都の努力や実情を全く顧みないばかりか、東京から財源を吸い上げようとする動きにつながるものでございまして、強い危機感を抱いているところでございます。

◯野上委員

 法人事業税の分割基準一つをとってみても、これまでの見直しの影響額は毎年約千七百億円もの額が都の減収となっています。一たび不合理な税財政制度の見直しが行われると、その影響は将来にまでわたってしまいます。少子高齢が先鋭的にあらわれている東京が、他の自治体に先駆けた取り組みを続けていくためにも、その源となる東京の財源を確保していかなければなりません。都にとって不利益となる税財政制度の見直しが行われないように取り組むべきでありますが、局長の決意をお伺いして、私の質疑を終わりたいと思います。

〇谷川財務局長

 最近声高に聞こえるようになってまいりました、取りやすいところから財源を取ればよいというような安易な議論は、財政再建に向けた都のこれまでの努力を無にしかねない、非常に理不尽なものであると考えております。そもそも都民の税金により賄われている都の財源は、都民一人一人に還元されるべきものでございます。数度にわたる法人事業税の分割基準の見直しなど、不合理な制度改正がこれまでも行われてまいりましたが、お話の少子高齢社会、それへの対応、社会資本の整備などを着実に行っていくためにも、これ以上都の財源をまともな理屈もなく奪われることがあってはならないと考えております。
 決算における実質収支が黒字になったことで東京富裕論を掲げて、都の財源をねらう動きが勢いを増してくることも十分考えられ、引き続き都議会のご協力をいただきながら、都の努力と実情を広くアピールし、国の不合理な動きを阻止するための取り組みを強化してまいりたいと考えております。

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