平成18年度決算特別委員会(2006年10月25日)圏央道について等

平成18年度決算特別委員会(2006年10月25日)


◯野上委員

 私は、都における重要な課題である圏央道について伺いたいと思います。
 先日も、都心から半径四十キロから六十キロを環状に経る、この前、ちょっと新聞に出ていたんですけれども、首都圏中央連絡自動車道の早期完成を目指す建設促進会議の総会が都内のホテルで行われたという記事が載っておりました。
 決算説明を拝聴いたしましたけれども、収用委員会にとって大きな決算がこの圏央道ではないかと思います。これまで、あきる野インターチェンジ、また八王子ジャンクションの整備に伴って、大規模なトラスト、反対運動が展開されて、連日のように新聞報道をにぎわしていたことは、皆様の記憶にも新しいと思います。
 このような反対運動によって工事の進捗がおくれ、そのために開通がおくれることは、今後の首都圏全体の交通環境の改善や産業の発展にとって、重要な影響を及ぼすことになります。
 これらの事件については、収用委員会の裁決が出された後、裁決の取り消し訴訟が提起されたと聞いておりますけれども、現在の状況についてお伺いいたします。

〇太田審理担当部長

 圏央道における最近の訴訟の状況についてのお尋ねでございますが、まず、あきる野インターチェンジ付近のトラスト事件につきましては、平成十四年十一月に、東京地裁において収用裁決の取り消し訴訟が提起され、平成十六年四月に、遺憾ながら収用裁決を取り消す旨の、いわゆる藤山判決が出されたところでございます。
 これに対しまして、東京都収用委員会が控訴いたしまして、本年二月に東京高裁で、収用裁決は適法とする逆転勝訴の判決をいただいたところでございます。
 なお、トラスト側が上告したため、現在は最高裁において係属中でございます。
 次に、八王子ジャンクションに関するトラスト事件についてでございます。
 これにつきましても、平成十六年七月に同様の訴訟が提起されましたが、昨年五月に、収用裁決は適法であるとして、原告の請求を棄却する勝訴判決が出されたところでございます。現在は、原告側が控訴し、東京高裁において審理が行われているところでございます。
 これらの判決によりまして、圏央道における東京都収用委員会の審理手続及び裁決内容が、土地収用法に基づいた適正なものであることが明確に認められたというふうに考えているところでございます。

◯野上委員

 次に、圏央道、高尾山をめぐる区間の収用手続について伺います。
 ちょうど、これも新聞の記事にも出ていたんですけれども、国土交通省の国道事務所で、この圏央道建設地付近で、環境省のレッドデータブックで絶滅危惧Ⅱ類に指定されているオオタカがことしも繁殖しているのを確認したと発表したと。いろいろ学者の意見が書いてあって、ことしもオオタカが繁殖できる生息環境が維持されていると考えられると結論づけたということが書いてありまして、この地区では、この繁殖確認がずっと十一年間、連続して認められているということなんですね。
 そういう環境との兼ね合いもありまして、今回、収用手続について最高裁、上告審や控訴審で闘っていくわけなんですけれども、敗訴することはないと思いますけれども、関連機関ともよく連携をとりながら、しっかりと対応していただければと思っております。
 これまでの収用裁決により、土地の収用が行われて事業が進捗し、来年の六月には、圏央道と中央高速がつながります。しかし、名実ともに首都圏の環状道路としての機能を発揮するには、日本の大動脈というんですかね、東名高速とつなげなくちゃいけません。今後、二〇一六年のオリンピックを控えて、首都圏における環状道路ネットワークを形成することによって、都内における交通渋滞の緩和や環境の改善に資するだけではなく、多摩における企業誘致、商圏の拡大など、複合的で大きな効果が期待できます。圏央道は、首都圏全体の発展にとって、欠くことのできない重要な事業であります。
 ところが、都内最後の区間となる中央高速から南側、高尾山にかかる部分についてもトラスト運動が展開されて、土地の取得が難航しております。収用手続に今入っておりますが、この区間について、これまでの収用手続の状況についてお伺いいたします。

〇太田審理担当部長

 高尾山トンネルを南北に挟みました八王子ジャンクションと八王子南インターチェンジの区間に係ります収用手続の状況についてのお尋ねでございます。
 この間につきましては、土地収用法に基づきまして、起業者である国等が、昨年七月、事前説明会を開催した後、また昨年九月に、国土交通大臣に事業の公益性等の判断を求める事業認定の申請を行い、これを受けました国土交通大臣は、昨年十一月に、三日間にわたりまして、利害関係人から幅広く意見を聞く公聴会を開催し、さらに本年二月と三月に、専門家でつくります社会資本整備審議会の意見を聞いた上、本年四月二十一日に事業認定の告示を行ったところでございます。
 その後、本年七月二十六日、二十七日の二日間にわたりまして、土地収用法に基づく起業者の立入調査が行われまして、今月、十月の一日と二日には、土地調書、物件調書の作成のための署名、押印の手続が行われたところでございます。
 また、関係人が百名を超える土地等につきましては、この署名、押印にかわる特例手続である公告縦覧の手続が、今月の二日から一カ月間、八王子市役所で行われているところでございます。
 こうした必要な手続等を経た上で、起業者である国等から、東京都収用委員会に裁決申請が行われることが予想されますが、その時期につきましては、土地収用法によれば、事業認定の告示の日から一年以内に申請がなされなければ、事業認定が失効するという規定がございます。そこで、遅くとも来年の四月中旬、早ければ年内までには申請が行われる可能性があると考えております。

◯野上委員

 最後に、圏央道の早期の全線開通は、首都圏のみならず日本全体にとっても大変重要であると思います。収用手続は、公共事業推進に不可欠であります。迅速かつ公正に、しかも都民の理解を得ながら、本当は社会基盤の整備に役立てていければいいと思います。
 この前の林試の森の拡張立ち退き訴訟も、断念したという記事が載っておりましたけれども、今後、この圏央道の早期の事件処理に向けた局長の決意をお伺いいたします。

〇中田収用委員会事務局長

 収用委員会の事件処理に向けました取り組みについてでございますが、ご案内のとおり、収用委員会は独立した行政委員会の一つでございまして、手続の公正を確保することは極めて重要な責務であると考えております。
 その前提の上で、収用委員会が大規模化したり、あるいは複雑化したりする事件を速やかに処理することは、公共事業を円滑に推進するという社会的要請にも合致し、したがいまして、圏央道に限らず、まちづくりにとりまして、収用委員会の果たす役割は大きいものと考えております。
 圏央道につきましても、トラスト運動等、副委員長ご指摘の状況は承知しております。特に今回は、都内最後の区間でもございまして、収用委員会の審理の場におきましても、これまで以上に厳しい状況が予想されます。
 一方、ご案内のとおり、事業認定の透明性の向上と収用裁決手続の合理化等の観点から、平成十三年に土地収用法が大幅に改正されました。今回は、その改正されました土地収用法が事業認定の段階から適用される都として初めてのケースとなるものでございます。このため、申請があった場合は、土地収用法改正の趣旨を踏まえまして、権利者の利益を阻害することなく、審理を円滑かつ迅速に進めることができるよう、事務局としても万全の体制で対応する決意でございます。
 以上でございます。

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