平成25年総務委員会(2013年11月26日)USBメモリーによる個人情報紛失について等

平成25年総務委員会(2013年11月26日)



〇野上委員

 初めに、公立大学法人の首都大学東京についてお伺いいたします。

 公立大学法人首都大学東京は、幅広い分野を持った公立総合大学である首都大学東京、高度専門技術者を育成する産業技術大学院大学、それから中学卒業段階から五年間の一貫教育を行う都立産業技術高等専門学校の二大学一高専を有し、創立以来、大都市課題の解決や都市の産業振興に資する人材など多様な人材を育成、社会に輩出してまいりました。

 私は、これまでの法人の取り組みについては、高く評価しているところでございますが、昨今の社会経済状況の変化は激しく、それに伴い、社会が求める人材も変化し続けております。きょうは、そのような状況を踏まえて、首都大学などの人材育成について幾つか質問させていただきます。

 まず、ものづくり人材の育成についてお伺いいたします。

 これまで東京や日本の産業発展を支えてきたのは、優秀なものづくりの人材の存在でございます。ちょうど葛飾区の杉野ゴムの製造会社の杉野社長さんが、江戸っ子一号という、深海七千八百メートルまで到達して、深海の撮影に成功したということがテレビで放映されておりましたけれども、非常に技術力が高く、費用も安く、コンパクトな内容で、非常に将来が有望視されております。しかし、非常に杉野社長も苦労されまして、約四年間、もう本当に大変な苦労の中でこれがつくり上げられたということでございます。

 ものづくり人材の育成において、五年間の一貫教育で実践的な技術者を育成してきた高専、これは大変大きな役割を果たしてきたと考えております。しかし、最近は、グローバル化の進展などにより、企業が求める能力、知識は高度化、多様化しておりまして、高専における人材育成も、その変化に合わせた取り組みを行っていく必要があると感じております。

 そのような状況で、都立産業技術高等専門学校は、他の高専にはできない特色として、首都大学東京あるいは産業技術大学院大学と連携した取り組みができるとの強みがあると考えます。法人の強みを生かし、二大学一高専が連携したものづくり人材育成の具体的な取り組み内容について、お伺いいたします。

〇伊東首都大学支援部長

 これまで二大学一高専の連携として、都立産業技術高等専門学校専攻科、これは五年間の高等専門学校の教育を修了した後、さらに二年間、高度な専門技術を学ぶ教育課程ですが、この専攻科から産業技術大学院大学への接続プログラムを設けているほか、高等専門学校から首都大学東京へ毎年十名前後編入しております。

 新たな取り組みとして、二十四年度より、高専生を中心に首都大生や産技大生をリーダーとしたチームを組み、上下水道に関する研究など与えられた課題について、海外体験なども行いながら調査研究を実施するグローバルコミュニケーションプログラムを開始いたしました。今後も、二大学一高専を有す法人の強みを生かした連携を行い、高度な知識や技術を持ち、国際感覚豊かなものづくり人材を育成してまいります。

〇野上委員

 グローバルコミュニケーションプログラムは、今答弁にありましたように、高度な技術だけではなく、国際感覚も持たせることができる、今の社会ニーズに合った取り組みだと思っております。ぜひこのような取り組みを発展させていっていただきたいと思っております。

 さて、今、国際的に活躍できるものづくり人材育成について答弁がありましたが、グローバル化が進展し、国際競争の激しさが増す昨今、私は、世界を舞台に活躍できる若者の育成は喫緊の課題と感じております。

 都は、高校生などを対象に次世代リーダー育成道場を開設するなど、若者の海外体験の後押しをしております。そこで、首都大学を見てみますと、毎年、大学から海外へ派遣する学生はふえているようですが、それでも平成二十四年度の実績で六十二名と、学部、大学院を合わせた学生数の一%にも満たない数字です。これは決して十分な数字とはいえないと思っております。大学として、今後海外へ留学する学生数を拡大するための取り組みについてお伺いいたします。

〇伊東首都大学支援部長

 首都大学東京では、平成二十一年度に国際センターを設置し、世界で活躍することができるグローバル人材を育成するための取り組みを行ってまいりました。海外の大学へ留学する学生をふやす取り組みとしては、交換留学を行うための協定締結校を平成二十年度末の三校から、平成二十四年度末には十六校に拡大したほか、東京都も大学と連携し、中長期の留学に対して留学生の渡航費用や生活費用として一定の経済支援を実施しております。その他、外交官や商社マンなど国際社会で活躍している方を講師に迎えたグローバルキャリア講座の実施などにより、学生の留学意欲の向上を図っております。

 これらの取り組みにより、海外の大学へ留学する学生は、国際センター設置前の平成二十年度十六名と比較して、平成二十四年度は四倍に増加しました。今後も海外の大学との交流拡大や留学に向けたさまざまなプログラムの開発など、首都大学東京の海外留学拡大への取り組みを都として支援してまいります。

〇野上委員

 首都大学生の海外派遣の取り組みが着々と進んでいるということを聞いて、少し安心をしております。グローバル人材の育成は、社会からの重要なニーズです。このニーズに応えられるように、首都大学は国際化推進の取り組みを続けていっていただきたいと思っております。

 最後に、首都大学の就職支援についてお伺いいたします。

 大学が社会のニーズに応えた人材育成を行っているかの評価の一つとして、就職率があると考えております。平成二十四年度、首都大学東京の学部生の就職率は、全国平均が九三・九%に対して九七・一%となっておりまして、その点については高く評価いたします。

 けれども、その一方で、残りの二・九%の学生が、就職を希望したのに就職できず、卒業していっていると。このような未就職の卒業生へのケアも大切と私は考えます。大学として、未就職の卒業生への支援を含めた学生の就職支援への具体的な取り組みについてお伺いいたします。

〇伊東首都大学支援部長

 首都大学東京では、就職を希望する学生を支援するため、年間を通じキャリアカウンセラーによる就職相談を実施しているほか、学内企業セミナーなどの各種就職ガイダンスを開催しております。

 委員ご指摘のとおり、未就職の卒業生への対応も重要と考えており、平成二十四年度から、希望者に対して就職支援行事を初めとする就職情報のメール配信を開始するなど、在学生と同様の支援を実施しております。今後も学生ニーズを踏まえ、適切な就職支援を行ってまいります。

〇野上委員

 就職できないまま大学を卒業した学生は、本当に心細い思いで就職活動を続けていると思い、私は心配しておりました。新卒と既卒では、全然もう就職状況も違ってきますので、今後も未就職の卒業生を含めて丁寧な就職支援を行っていただきたいことを要望いたします。

 東京は、いうまでもなく世界でも代表的な大都市です。それを支える人材を育成することは、まさに都が設置した首都大学東京を初めとする二大学一高専に課せられた重要な役割と考えます。社会経済のニーズに的確に対応しながら、東京の発展に寄与する人材のみならず、世界で活躍できる人材を育てていってほしいと思います。

 次に、都庁の情報セキュリティーについてお伺いいたします。

 平成十二年に電子都庁推進計画が策定され、計画書は平成十三年三月に出されておりまして、今からもう既に十三年経過しようとしていますので、都庁のさまざまな部署でシステム化が急速に進められてきたことを感じます。パソコンなどのIT機器は、多くの情報を処理できるので業務効率は向上しますが、一方で、一たび取り扱いを誤れば、多くの情報が漏えいし、インターネット環境を通じて瞬く間に拡散してしまう危険もはらんでおります。

 都庁では、総務局が中心となって都庁全体で情報セキュリティー対策を進めてきたと認識しております。しかし、最近でもサイバー攻撃による個人情報の抜き取りや、USBメモリーの紛失による個人情報の紛失など、新聞紙上でも頻繁に目にします。その中でもUSBメモリーは、持ち運びには大変便利ですが、小さいので紛失する危険性が高いです。さらに、多くの情報が保存できることから、もし仮にそれを紛失した場合、そこに保存されている膨大な情報が流出してしまう危険性は極めて大きいです。

 一方で、USBメモリーは、取り扱う個人の不注意による紛失がほとんどでありまして、これを減らしていく取り組みは、みずからが実践していくことができるものであります。都庁でも、かつて個人情報の入ったUSBメモリーなどの紛失が多く発生したと記憶しておりますが、そこで、都庁におけるここ五年間の個人情報を含むUSBメモリー等の紛失事故の件数をお伺いいたします。

〇鈴木行政改革推進部長

 USBメモリー等の紛失による事故は、警視庁、消防庁、学校を含めた都庁全体で、平成二十年度に八件、二十一年度に十件発生し、これをピークに、二十二年度九件、二十三年度六件と減少し、二十四年度にはゼロ件となっております。また、今年度も現時点において事故は発生してございません。

 なお、USBメモリー等を紛失したこれらの場合において、具体的な個人情報の流出は確認されておりません。

〇野上委員

 二十一年度に十件あった紛失事故が、昨年度はゼロ件になったということでございますが、そこで、都庁ではUSBメモリーの紛失事故を防止するために、いろいろな対策を講じてきたと思います。その内容についてお伺いいたします。

〇鈴木行政改革推進部長

 都では、USBメモリーの紛失事故を防止するため、まず、平成二十一年度に情報セキュリティー対策基準を改定し、USBメモリーを用いてのデータの保存を原則禁止といたしました。業務上、やむを得ずUSBメモリーを使ってデータを外部へ持ち出す場合には、認証機能つきのUSBメモリーを使用するとともに、データの暗号化やファイルへのパスワード設定をすることで、万が一紛失した場合でも、情報が漏えいしないよう対策を講じております。

 さらに、二十三年度には、USBメモリーを使用せずに、より安全に情報のやりとりができるよう、大容量のファイルを転送する仕組みを導入したほか、二十四年度には、職員の事務用パソコンからUSBメモリーへの書き出しができないよう、データの出力機能を制限したところでございます。

 また、こうした技術的な対策とあわせて、全職員を対象としたeラーニングによる研修や、情報セキュリティー強化月間による自己点検などにより、USBメモリーの取り扱いについて徹底を図っております。これらの対策を積み重ねることにより、職員一人一人の自覚を促し、紛失事故の未然防止に向け、手を緩めることなく取り組んでまいります。

〇野上委員

 USBメモリーへの書き出しができないように、データ出力機能を制限したので、USBの持ち歩きがなくなったために、USBをなくすということがない、紛失ゼロの取り組みが実ったということだと思います。

 一たび個人情報が流出すれば、流出した情報の対象者に多大な迷惑をかけるだけではなく、都庁に対する信用も大きく損ねることになります。今後ともこれらの取り組みを継続し、強化し、USBメモリーの紛失を未然に防ぐように努めていただきたいと思っております。

 教師間でも、昨年つくったデータ、資料を少し変えて授業に使用したいけれども、時間がなくて、休日に自宅で作業しなければいけないこともありまして、このUSBを持ち出すことも、USBに書き込むこともできなくなったために、作業を学校内で行って、途中作業のデータをパソコンで自宅に送って作業し、また、学校のパソコンにつくったデータを送付して作業をしているというようなこともお聞きしております。

 確かに、USBに書き込むことができないので、送信作業が大事なんですけれども、もう一つ大事なのは、送付されたメールの中に、例えばウイルスが潜んでいるという問題もあるのではないかというふうなことも懸念材料でございます。

 という意味で、次にサイバー攻撃について質問させていただきます。

 企業や組織に対するサイバー攻撃も今は後を絶ちません。特に近年、攻撃型といたしましては、標的型サイバー攻撃といわれる、個々の企業や組織を狙ってカスタマイズされた特徴を持ちます。したがって、従来のセキュリティーの手法だけでは、企業や組織の大事なデータを守り切ることが難しいのではないかと感じております。なぜなら、最高のセキュリティーをかけている政府の各省庁でも攻撃をされておりまして、常に新たな手法を編み出して、対象を研究しながらその攻撃を進化させている、そういう現状がございます。

 特に、情報セキュリティーの課題といたしましては、サイバー攻撃による情報の抜き取りが挙げられております。これまでの攻撃は、職員宛てに送られてきたウイルスの添付されたメールを開封することによって、そのシステム全体が感染し、情報が抜き取られるケースがありました。

 しかし、先般の新聞報道によりますと、行政機関の職員がよく閲覧をするニュースサイトにウイルスを仕込んで、それを閲覧すると感染するというような手口によって情報が抜き取られたという記事が掲載されております。これを水飲み場型攻撃というそうなんですね。

 また、現在では、電子メールを使って都庁外の人とも仕事上のやりとりをすることが一般的となっていますが、仕事上の関係者を装ってメール交換を何回か行った後に、ウイルスつきの不正メールを送ってきたりウイルスの仕込まれた不正サイトに誘導したりする、やりとり型攻撃というものも、近年被害を広げているということでございます。

 ITに関する技術は日進月歩で進化しており、攻撃者の手口も徐々に巧妙化してきているといえます。これらは、システム面での対応はもとより、職員一人一人が情報セキュリティーに対する高い意識を持っていなければ防ぐことはできません。

 そこで、都庁では、標準型メール攻撃に対して対策を講じていると思うんですけれども、その具体的な内容についてお伺いいたします。

〇鈴木行政改革推進部長

 サイバー攻撃の手法が巧妙かつ多様化していることを受け、従来のウイルスチェックに加え、送信元を詐称する成り済ましメールを機械的に判別するなど、新たな技術的対策に取り組んでおります。

 しかし、技術的な対策だけでは防ぎ切ることのできない、いわゆる先生おっしゃるところのやりとり型攻撃や水飲み場型攻撃など新たな攻撃手法に対しては、職員一人一人がその危険性を真に理解し、攻撃を受けた場合の対応を確実に行えることが重要でございます。

 このため、一昨年度より標的型メール攻撃訓練を導入し、昨年度は約三万人の職員を対象に、疑似的な不審メールによる実践的な対応訓練を実施いたしました。また、標的型メールの見分け方や対応方法を記載した情報セキュリティーポケットメモを職員に配布し、攻撃に対する対応方法の周知徹底を図っております。

 こうした技術的、人的対策のほか、国や警視庁などとの情報連絡体制を構築し、最新のサイバー攻撃に関する情報を共有しますとともに、緊急時に迅速な対応がとれる体制を整備しております。今後も、日々変化する標的型メール攻撃等への備えに全力を挙げて取り組んでまいります。

〇野上委員

 都民の個人情報を預かり、都民の生活を支える重要な基盤である都庁の情報システムにおいて、個人情報が抜き取られたり、有事の際にシステムが稼働しないで行政機能が麻痺することがあっては絶対にならないことであります。それらを確実に守っていくためにも、総務局が中心となりながら、日々進化する攻撃者の手口にも適切に対応できるよう、都庁の全職員が一丸となって情報セキュリティー対策に取り組んでいっていただくことを強く要望しておきます。

 次に、職員のメンタルヘルス対策についてお伺いいたします。

 私は、平成二十一年の予算特別委員会で教職員のメンタルヘルスを取り上げて、その後も文教委員会で、職場復帰には早期発見、早期治療が重要であることを訴え続けてきました。当時、教育長からは、精神科医や臨床心理士、学校長や区市町村教育委員会の代表などで構成するメンタルヘルスに関する検討会を設置し、さまざまな施策を講じるという力強い答弁をいただきました。

 その後、メンタルヘルスに関するチェックシートを用いたストレス検査を全国で初めて行うなど、前向きに取り組んできていただいております。

 一方で、知事部局においても、心ならずも精神疾患に陥り、職場を離れることを余儀なくされている職員が多数いると聞いております。このメンタルヘルス対策は、職員の健康管理だけでなく、公務の能率を維持する観点からも極めて重要なものと考えております。

 まず初めに、知事部局において、精神疾患、いわゆる心の病を理由として病気休暇や病気休職を余儀なくされている職員数の推移についてお伺いいたします。

〇栗岡労務担当部長

 都政運営の経験を重ねてまいった貴重な人材である職員が、精神疾患によって長期に職場を離れざるを得ない状況は、組織運営上も大きな損失でございまして、メンタルヘルス対策は極めて重要であると認識してございます。

 都の知事部局における精神疾患を理由としました病気休暇等を三十日以上取得した職員の数は、平成十四年には二百四十八人でありましたが、十年後の平成二十四年は三百四十三人となってございます。

 この間の推移を見ますと、平成十九年までは、ほぼ一貫して上昇傾向にございました。しかし、平成十八年三月に東京都職員の心の健康づくり計画を策定しまして、相談体制の整備や講習会の実施など、さまざまな取り組みを進めて以降、上昇傾向に歯どめがかかってきてございます。

 こうした取り組みの結果、直近三年について申し上げますと、平成二十二年の三百九十六人から、平成二十四年には三百四十三人まで減少してございまして、計画に基づく早期発見、早期対応に向けた対策の効果が着実にあらわれてきているものと考えてございます。

〇野上委員

 私がメンタルヘルス対策において重要と考えている早期発見、早期治療に既に取り組まれており、長年増加傾向であった職員の精神疾患について、都の対策が効果を上げているということでございました。また、増加傾向が続いていた職員の精神疾患が減少傾向に転じたことは、大変に喜ばしいことであります。

 それでは、ただいま説明のあった東京都職員の心の健康づくり計画に基づく具体的な取り組みについてお伺いいたします。

〇栗岡労務担当部長

 平成十八年三月に作成いたしました東京都職員の心の健康づくり計画は、労働安全衛生法第六十九条に基づきまして、職員の心の健康保持増進を図るため、事業主として継続的かつ計画的に対策を実施する指針となるものでございます。

 計画では、この趣旨に従いまして、予防に向けた啓発などを行う一次予防、早期発見、早期対応のため相談などを行う二次予防、さらには円滑な職場復帰支援や再発防止などのために行う三次予防を設定いたしまして、罹患の予防から復職に至るまで包括的に、職員の状況に応じたきめ細かな対策を実施してきたところでございます。

 具体的には、全職員向けに心の健康度チェックを配布したり、管理監督者向けに講習会を行いますとともに、精神科医、心理職及び精神保健相談員等の専門スタッフを配置しまして、身近で気軽に相談することができる体制を整備してございます。

〇野上委員

 メンタルヘルス対策として、予防的な取り組みとしての一次予防、早期発見としての二次予防、早期治療、再発防止としての三次予防に、組織的、また包括的に取り組み、職員、職場それぞれの役割を踏まえて、きめ細かい支援を実施してきていることがわかりました。このような支援が、精神疾患により職場を長期に離れる職員数の減少につながったのだと思います。

 一方で、精神疾患への対策の難しいところは、再発の可能性が高いということでございます。ことしの六月に発表された独立行政法人労働政策研究・研修機構の調査によれば、何と三二・四%の企業が、メンタルヘルスにより休職した社員の半数以上が再発を繰り返すと回答しております。知事部局におきましても、精神疾患の再発に苦しむ職員は多いと思いますが、再発防止策についてお伺いいたします。

〇栗岡労務担当部長

 都の知事部局におきましても、平成二十四年、精神疾患による病気休暇等から復職した職員のうち、二割程度の職員が再発してございまして、再発の予防は喫緊の課題であると認識してございます。

 このため、復職支援のためのグループ指導事業、職場へのならしを目的とした職場復帰訓練、そして復帰後三カ月から六カ月程度、再発予防のための面接指導を行うなど、一人一人の状況に応じたきめ細かな対応を行いまして、円滑な職場復帰訓練や再発の防止に努めてございます。

 今後とも職場全体の公務能率を一層向上させますとともに、職員や職員を支える家族の安全と安心を確保する観点からも、職員の心の健康問題への対策を推進してまいります。

〇野上委員

 ぜひこのメンタルヘルス対策に力を入れていただきたいと思っております。

 次に、職場のセクシュアルハラスメント防止対策についてお伺いいたします。

 職場のセクシュアルハラスメントは、職員の個人としての尊厳を不当に傷つける社会的に許されない行為であるとともに、職員が能力を十分に発揮することへの妨げにもなります。それはまた、職場秩序の乱れや業務の支障につながり、組織の社会的評価に悪影響を与えかねない問題でもございます。

 先日も、防衛省におけるセクシュアルハラスメントの事件が新聞報道されたことを皆様もご存じだと思いますが、公務の職場におけるセクシュアルハラスメントは、公務に対する信用を失墜させかねない深刻な課題ではないでしょうか。

 都においては、これまでもさまざまな取り組みを実施してきているところだと思いますけれども、このセクシュアルハラスメント対策の現状についてお伺いいたします。

〇栗岡労務担当部長

 セクシュアルハラスメントは重大な人権問題であるとともに、職員の能力発揮を妨げ、職場の秩序を乱し、正常な業務遂行を阻害する職場管理上の重要な問題であると認識してございます。

 都におきましては、平成十一年度から職場におけるセクシュアルハラスメント防止に関する基本方針を運用開始しまして以降、セクシュアルハラスメント防止連絡会議の設置、相談体制の整備、防止月間の設定など、職員の意識啓発等防止対策を継続して実施してまいりました。

 その結果、平成十三年度に実施したアンケート調査では、セクシュアルハラスメントを受けたことがあると回答した職員が三割程度でございましたところ、平成二十三年度の調査では一割程度まで低下してございまして、継続して実施してきた防止対策の効果があらわれてきているものと認識してございます。

〇野上委員

 これまでセクシュアルハラスメントの防止に継続的に取り組んでくださったその成果が上がっていることがわかりました。

 しかしながら、事実、三割から一割になったものの、まだ一割ぐらいの職員の方がセクシュアルハラスメントに悩んでいるということであれば、被害者の救済策の充実がさらに必要と思うわけです。

 とりわけ、被害者がいつでも気軽に相談し、傷ついた心をケアしてくれる相談窓口の役割が重要であると考えます。

 そこで、都の被害者に対する相談体制窓口の整備状況についてお伺いいたします。

〇栗岡労務担当部長

 万が一被害を受けた場合に、職員が安心して相談できる環境づくりが重要であると認識してございます。職場の上司である管理監督者に加え、全庁相談窓口、各局人事担当課に設置されます各局相談窓口、さらには一般財団法人東京都人材支援事業団の相談室など複数の窓口を設けまして、職員が相談しやすい体制を整備してございます。

 相談窓口の担当者に対しましては、毎年度対応マニュアルやビデオ教材を利用しまして被害者との応対方法を説明し、相談の質の維持向上に努めてございます。また、職員アンケートでも、被害者の約六割が直属の上司を相談相手として選択しているという結果を踏まえまして、今年度は管理監督者向け啓発リーフレットを改訂し、改めて配布する予定でございます。被害者にとって重要な役割を担う管理監督者が、被害者の立場をより理解して対応できるよう、引き続き取り組みを進めてまいりたいと考えてございます。今後とも職員の人権の保護と公務能率の向上の観点から、相談窓口の適正な運用に努めてまいります。

〇野上委員

 メンタルヘルス、それからセクシュアルハラスメントについて、東京都が積極的に取り組んで、少しずつ成果を上げてきているということがわかりました。

 次に、社会的な問題となっているパワーハラスメントについて意見を申し上げます。

 本年九月に、国も民間企業等の取り組み事例を掲載した職場のパワーハラスメント対策ハンドブックを発表いたしました。近年、パワーハラスメント防止対策への関心が社会的にも高まっております。このハンドブックの中にもさまざまな事例がございまして、パワーハラスメント防止対策は、職場の規模や業務内容、または風土など、それぞれの組織の実情に応じて行われるべきであって、一律になかなか決められるものではないと思っております。

 しかし、パワハラというのはちょっといじめと似たところがあって、職場の上司の考えでは、この人にしっかりと仕事をしていただこうとかという思いやりを持って接していても、いざ、いわれた本人がいじめのようにとってしまうと、それがパワハラであるという、非常に難しいところなんですね。受けとめ方も非常に微妙でありまして、本来ならば、その人の成長のために、自分が嫌われてもいいから、いってあげようと思っていっていることが、逆にパワハラととられたりとか、それだったらもう余りいわないようにして放っておこうとか、いろいろ難しいところもあるんですね。

 そういう意味でも、これから今後このパワーハラスメントに対しましては、取り組みが必要ではないかと思っております。まさに人間関係がどれぐらい深いかによって、いわれたことも、いいようにとれる人間関係があれば、パワハラと捉えられないんですけれども、人間関係がうまくいっていないと、ちょっと軽くいったことでもパワハラにとられてしまうということもございます。ですから、そういう意味では、人間関係をうまく調整し、解決をしていく部下と上司のコミュニケーションを図っていくということも大事ではないかと思っております。

 都においては、パワーハラスメントの対策について労使で意見交換を行っていることも聞いております。ぜひパワーハラスメントの発生しない、風通しのよい職場づくりに向けて努力されることを期待いたします。

 次に、最後の質問になりますけれども、大島における土砂災害についてでございます。

 台風二十六号がもたらした災害によってお亡くなりになりました皆様のご冥福をお祈りいたしますとともに、被災された皆様に心からのお見舞いを申し上げます。

 先日、都議会公明党でも大島の現状の視察をしたところでございます。発災直後に比較すれば落ちつきを取り戻しつつあるものの、一カ月を過ぎて、まだなお住民の生活再建は道半ばというふうに感じたと、皆さん申しておりました。二十一日から罹災証明も発行されておりますが、こうした甚大な被害が発生し、多くのとうとい命が犠牲となった今回の災害について、まずはその初動対応について振り返って、今後の災害対応の教訓に結びつけていくことこそ重要ではないでしょうか。

 そこでまず、都と区市町村との情報連絡体制についてお伺いいたします。

 大雨警報や台風に関する情報など気象庁から発信される情報は、区市町村が避難勧告等を検討するに当たって大変重要な情報となります。気象庁等から都が入手した情報を迅速かつ確実に区市町村に伝えることが重要と考えます。これまで気象情報等をどのように区市町村に伝達していたのかと、そしてまた今後どのように改善していくかについてお伺いいたします。

〇村松総合防災部長

 都から区市町村に対する気象情報等の伝達方法についてでございますが、これまでは関係機関にファクスを送信した際、機器のふぐあい等により届いていた場合には電話で確認しておりました。今回の教訓も踏まえまして、今後はファクスの到達が機器上で確認できたとしても、相手方の受信確認がない場合につきましては、電話による連絡を行いまして、受信の有無を確認することとしたところでございます。

 また、重要な情報を確実に伝達するため、区市町村の首長や防災責任者の携帯番号も把握いたしました。

 現在、大島応急復旧プロジェクトチームにおきまして、情報連絡方法等を含む危機管理体制のあり方について検討しておりまして、さらなる改善を図ってまいります。

〇野上委員

 私たちもよくあるんですけれども、ファクスは送ったから自分の情報が相手に伝わっているだろうと思っているんですけど、ファクスを見てもらっていなかったりすることも多いので、必ずファクスを送った後に、届いたとかって電話することがあるんですけど、そういうしっかりと連携がとれる体制を、確実に情報伝達をやっていただきたいというふうに思っております。これは都民の命にかかわることなので、特にそうしていただきたいと思っております。

 次に、避難勧告についてお聞きしたいと思っております。

 避難勧告は、区市町村長が発令することになっておりますが、その判断は住民に多大な影響を与えるものです。今回、大島への台風接近に伴い、土砂災害警戒情報が発表されており、こうした情報も参考としながら、適切なタイミングで避難勧告を発令する必要があります。

 そこでまず、土砂災害警戒情報の意味と、この土砂災害警戒情報が出た際に避難勧告が発令された例が過去三年間で都内にどれだけあったのか、お伺いいたします。

〇村松総合防災部長

 土砂災害警戒情報は、大雨による土砂災害発生の危険度が高まった場合に、区市町村長が避難勧告等を発令する際の判断や、住民の自主避難の参考となりますように、気象庁と都道府県が共同で発表する防災情報でございます。

 都内では、平成二十二年度以降、土砂災害警戒情報が二十二回発表されておりますが、これに基づいて避難勧告が発令された例はございません。

〇野上委員

 今ございましたように、こういうふうに、土砂災害警戒情報が過去二十二回発表されているんですけれども、この中に、やはり人的被害があったり物的被害があったりしているんですけれども、それでもなかなか避難勧告が発令されたことがないということで、やはりこの事実はすごく大事だと思っております。だから、なかなか長は判断基準が難しいですよね。いかに出すかということが大事だと思っております。

 区市町村によっては、自分の区とか市で独自の避難勧告を発令しているところもあると聞いておりますが、区市町村の規模もさまざまでありまして、広域自治体である都が一定の考え方を示して、東京都が全力で区市町村とその首長を支援すべきだと考えますけれども、見解をお伺いいたします。

〇村松総合防災部長

 避難勧告等は、現地における実際の気象状況や今後の予想、避難所確保等の状況を総合的に勘案して発令するものでございまして、法律上、区市町村の役割となっております。

 都としても、基本的には、現地の状況を最も正確に把握し得る各区市町村の判断によるべきと考えておりますが、一方で、事前に留意すべき点などを周知しておくことも重要と考えております。

 今回の災害対応におきましても、台風二十六号に引き続く形で台風二十七号が接近した際、避難勧告等の発令に当たりまして、円滑な避難行動がとれる発令時刻の設定、避難所までの経路や誘導方法等の検討など留意すべき点につきまして、各区市町村に周知したところでございます。

 今後、大島応急復旧プロジェクトチームにおける危機管理体制の見直し等を通じて、さらに検討を進めてまいります。

〇野上委員

 避難勧告等の発令をどのように判断するかということは、区市町村によっては大変困難な課題であると考えております。ぜひ都として支援することを求めます。

 次に、避難勧告等の発令に当たって一つの指標となる特別警報についてお伺いいたします。

 気象庁による特別警報は、数十年に一度の大雨などが予想された場合に発表されるものでありまして、本年八月三十日に運用が開始されたばかりですが、今回、大島において記録的な豪雨が発生したにもかかわらず、発表されることはありませんでした。島しょという特殊性を持つにもかかわらず、局地的な豪雨という基準で判断されたと聞いておりますが、こうした仕組みそのものに問題があると思います。特別警報については、島しょという特殊性も考慮されるような制度改善をすべきと考えますが、見解をお伺いいたします。

〇村松総合防災部長

 特別警報は、数十年に一度の降雨量となる大雨などが予想され、重大な災害の危険性が著しく高まっている場合に発表されることとなっておりまして、当該地域の住民は、直ちに命を守る行動をとる必要があるとされております。国は、特別警報の制度を担保するため、発表基準にある程度の面的な広がりを持つ広域性を加えており、現在の技術では、今回のような局所的な大雨を予測することは、特に海に囲まれた島しょ部であることからも困難としております。

 また一方で、今回の大島における災害を受けまして、国は、島しょ部において特別警報に準ずるような大雨が局所的に観測された場合には、地元気象台長から自治体の長に対して直接電話でホットラインにより危機感を伝えることとしております。特別警報の仕組みが、島しょ部の特殊性に対応し切れていない現状は明らかであることから、都といたしましては、今後国の取り組み等を見据えた上で、必要に応じて国に制度改善等を求めていきたいと考えております。

〇野上委員

 特別警報の発表は、島しょ部の町村長にとっては、避難勧告等を出す際の重要な指標になると思います。ぜひ都として制度改善を国に求めていただきたいと思っております。

 次に、災害時の東京都の体制についてお聞きをいたします。

 東京都は、十月十六日に前田副知事を本部長とする現地対策本部を設置いたしました。十八日には、台風二十七号の接近に伴い、東京都災害即応対策本部を設置いたしました。現地対策本部に責任のある幹部を配置することで、現場のニーズを把握するとともに、災害即応対策本部と連携して、必要な対策を迅速に実行していく体制は適切であったと考えます。

 今後、局地的な災害に対して、幹部を筆頭とする現地対策本部を設置するとともに、本庁にも本部を設置し、都庁全体が連携して対応するという体制を今後の手本としていくべきと考えますが、見解をお伺いいたします。

〇村松総合防災部長

 今回の大島の災害対応では、現地の情報を的確に収集するため、大島支庁に現地対策本部を設置するとともに、台風二十七号の接近に伴う二次被害防止に向けて、災害即応対策本部を速やかに立ち上げ、現場と本庁とが相互に連携をとりながら対策に取り組んできたところでございます。

 今後も、発災時においてはこうした体制を参考としつつ、現地ニーズに即した実効性ある初動対応を実現してまいります。

〇野上委員

 災害発生時は、初動体制をいかに迅速に確立するかが重要であり、日ごろからその準備を行うことが必要となってきます。

 準備の一つとして、物資の備蓄があると思います。今回の災害では、報告にもあったようにさまざまな物資を大島に輸送しています。大変ご苦労があったかと思いますが、その労力を軽減するとともに、より迅速に被災者の方に届くようにするためには、備蓄が重要だと考えます。食料等はもちろんのこと、避難生活において必要な物資はさまざまです。

 そこで、お聞きいたしますが、特に女性や高齢者、子供などのニーズにきめ細かに対応した備蓄が必要だと考えますが、見解を伺います。

〇村山企画調整担当部長

 東日本大震災の教訓を踏まえて、昨年度修正した地域防災計画においては、災害時要援護者や女性、子供など、さまざまな避難者のニーズに対応した物資の確保に留意することを改めて記載し、区市町村に対して備蓄品の確保等を促しているところでございます。

 また、今回の大島町では、町の地域防災計画に基づき備蓄を進めていたところでございますが、生理用品や子供用、大人用のおむつなどが不足したところでございます。それらの物資の調達に当たっては、都は、本年三月に締結した全国規模のネットワークを持つ物販事業者との協定を初めて活用いたしました。

 今後とも大島における災害を教訓に、区市町村に対して備蓄の必要性を周知するとともに、備蓄や調達体制を強化し、災害時のきめ細かな物資確保に努めてまいります。

〇野上委員

 さらなる生活物資の充実、迅速な確保をお願いしたいと思います。

 今回お聞きしたことは課題の一部でございまして、その他の課題も含め引き続き検討していただき、より一層防災対策を充実していただくことを期待して、質問を終わります。

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