平成26年総務委員会(2014年9月29日)ボランティアについて等

平成26年総務委員会(2014年9月29日)



〇野上委員

 私の方からも、東京都長期ビジョンの中間報告についてお伺いいたします。

 先日、我が公明党の代表質問で長期ビジョンの最終報告に向けた知事の見解についてただし、知事からは都民の皆様に未来への夢と希望を持っていただけるよう世界一の都市東京の実現に向けた道筋をしっかり示していきたいという答弁がございました。本日は、その知事の決意を踏まえ、何点か質問させていただきます。

 石原都政下では、平成十八年の十二月に公表された「十年後の東京」、そして東日本大震災を経て、「十年後の東京」を改定した「二〇二〇年の東京」が公表されております。

 今月十二日に舛添都政のもとで初めてとなる東京都長期ビジョンの中間報告が公表され、我が党としても舛添ビジョンに大きく期待しているところがございます。

 そこで、まず石原都政下で出された「十年後の東京」、そして「二〇二〇年の東京」と今回東京都の長期ビジョンの違いについて、まず最初にお伺いいたします。

〇小池計画部長

 今回の長期ビジョンは、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催が決定した後に初めて出されるビジョンであります。そのため、これまでのビジョンが策定時から、おおむね十年後の姿を示していたのに対し、今回の長期ビジョンでは、オリンピック・パラリンピックが開催される二〇二〇年の姿と十年後となる二〇二四年ごろの姿の両方を示しております。

 また、目標の明確化や進捗状況の見える化を図るため、約二百三十設定した政策目標を可能な限り数値化し、その達成時期も明らかにしている点も特徴の一つであります。

〇野上委員

 オリンピック・パラリンピック招致が決まった後に初めて出される長期ビジョンという、これが一つです。二〇二〇年の東京の姿を示すことは、これは当然のことですが、そのさらなる先の四年後、二〇二四年の姿も示していることについて評価したいと思っております。

 また、東京の将来像実現に向けた政策目標をできる限り数値化したという点でも、東京都民に政策展開をわかりやすく示すとともに、その目標を不退転の決意で実現しようという舛添知事の意気込みのあらわれとして受けとめていきたいと思っております。

 この長期ビジョンで示された東京の将来像を実現するためには、都が主体的に取り組むことはもちろんですけれども、東京で暮らす都民や東京で活動する事業者、それら全ての人が世界一の都市東京の実現に向け、それぞれの役割を担っていく必要があります。そのための政策展開はさまざまだと思いますが、私の教員時代の経験を踏まえると、将来の東京を支える人材の育成が非常に重要だと思っております。

 近年、経済のグローバル化や少子高齢化に伴う労働力人口の減少など、我が国の経済、社会構造が大きく変化しております。こうした社会変動が続く中で、東京と日本の将来の担い手となる子供や若者たちの育成が大変大事であり、一人一人の意欲、能力を伸ばす教育の充実が必要と考えております。

 特に、これからの時代をたくましく生きていくためには、基礎学力の向上や国際社会で通用する語学力の習得などは重要な視点でございます。この長期ビジョンの中間報告の中でも、九四ページにございますように政策指針18として、東京、そして日本を支える人材の育成を掲げております。この中で公立小中学生の学力調査での下位層を全教科三〇%未満まで減少させる、このことを数値目標としておりますが、次世代の教育について意欲的な取り組みを進めていく姿勢がうかがえると思います。

 そこで、まず長期ビジョンの中間報告で教育政策の主なポイントについてお伺いいたします。

〇小池計画部長

 全ての子供が社会の中で自立し、夢と希望を実現していくためには、国語や算数などの基礎的な教科の学力や世界に通用する豊かな人間性を身につけていることが必要であります。

 そこで、児童生徒一人一人の学習到達度に着目しまして、習熟度別指導を展開していくなど、東京の子供たち全体の基礎学力を底上げしてまいります。

 また、世界で活躍するグローバル人材を育成する教育環境を整えるとともに、社会の一員としての役割を果たせる子供たちを育てるためにキャリア教育を充実していくことなどを主なポイントとして政策の方向を示しております。

〇野上委員

 基礎学力の向上、グローバル人材の育成や社会の一員としての自覚を促すキャリア教育などの重要なポイントが教育政策の方向性に含まれていることは評価いたします。

 基礎学力の向上に向けては、これまでもさまざまな取り組みを行ってきたと思いますが、今後一人一人の学習状況に応じたきめ細かい授業を行うことが大事です。さらなる工夫を重ねていくべきと思いますけれども、具体的な政策の方向性についてお伺いいたします。

〇小池計画部長

 基礎学力の向上を目指して二〇二四年度までに全ての公立小中学校で、一人一人の学習状況に応じた習熟度別指導やチームティーチングなどを展開してまいります。

 また、タブレット端末等のICT機器を活用した授業を実施するなどして学習意欲を高め、個々の理解度に柔軟に対応した教育環境を整備し、児童生徒の確かな学力を育成してまいります。

〇野上委員

 二〇二四年度までに全ての公立小中学校で一人一人の学習状況に応じた習熟度別指導、あるいはチームティーチングなどを展開するほか、タブレット端末を使用していくという、こういう流れが打ち出されております。

 最新のICT機器を活用して授業内容を理解しやすくする取り組みは、冒頭に申し上げた子供たちの意欲や能力を伸ばすには効果的だと思います。今後の展開を期待しております。

 次に、国際社会で活躍できるグローバル人材の育成についてでございますが、海外留学は異文化の中でみずからを磨く大変貴重な体験であります。若者には積極的に世界の人々と触れ合う機会を持っていただきたいと思っております。

 全世界でグローバル化の流れは、そのスピードが加速しておりまして、国際社会で活躍できる人材の育成について今まで以上の充実を図るべきと考えますが、具体策を伺います。

〇小池計画部長

 海外への関心を高め、国際感覚豊かな若者を育成していくためには、全都立高校にJETプログラム等による外国人人材を招致し、学校生活で外国人や異文化と接する機会をふやしてまいります。

 さらに、実際に海外留学に挑戦する若者を支援するとともに、都立国際高校に国際バカロレアコースを新設するなどの取り組みも進めまして、豊かな国際感覚と海外で通用する高い語学力を身につけ、世界を舞台に活躍する若者の育成に取り組んでまいります。

〇野上委員

 国際バカロレアコースの新設というのは非常に注目をしておりまして、国際高校の中で豊かな国際感覚を身につけて、海外で活躍する人材をたくさんつくっていっていただきたいと思っております。

 将来の日本を担い、世界に羽ばたく子供たちの教育の充実は、何よりも重要な政策です。今後とも、全ての子供たちの基礎学力や語学力の向上、個々の能力や豊かな個性を伸ばす教育内容の充実に取り組んでいっていただきたいと思います。

 そして、子供たちが教育段階から海外に目を向け、国際社会とのかかわりを意識できる環境づくりをぜひとも進めていただきたいと思っております。

 次に、政策指針17、九〇ページになりますけれども、ひきこもり、ニートなどの青少年問題の対応について質問させていただきます。

 若者には成功ばかりでなく挫折もつきものであり、学校に行けなくなって中退してしまうなど失敗をしても再度やり直しができる、納税者、社会人になってもらうことは重要な課題であると感じております。

 エリートの育成だけではなく、ひきこもりやニートなど青少年をめぐる問題にも正面から向き合うことが必要と思いますが、都の取り組みについてお伺いいたします。

〇小池計画部長

 委員ご指摘のとおり、次代を担う全ての青少年が生き生きと社会に参加していることが重要であり、ひきこもりやニートなど、さまざまな問題を抱える子供や若者がハードルを乗り越えるための支援を強化していくことが必要であります。

 そのために都では、区市町村の意見も踏まえながら、新たに東京都子供・若者計画を策定し、教育、福祉、保健、医療、雇用などの関係団体が連携して、地域できめ細かな支援を行うネットワークを構築する取り組みを進めてまいります。

〇野上委員

 ひきこもりやニートなどの課題は、本人や家庭だけの努力に任せるのではなく、関係団体が力を出し合って連携していくことが非常に大事であると思います。これは、本当に共感できる取り組みだと思っております。

 人を育てることは、社会の根幹を形づくるとても大切な取り組みであり、今後の施策の展開を注目していきたいと思っております。

 さて、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックまであと六年となりました。二〇二〇年大会は、日本の優秀な科学技術を世界にアピールする最高の舞台でもあります。

 今、次世代のエネルギーとして水素が着目されております。私も二〇〇五年に開催されました愛知万博で水素エネルギーを活用した燃料電池車に実際に試乗し、音も静かで、乗り心地もすぐれ、水しか排出しないなど、大変すばらしいエネルギーに感銘を受けました。

 また、水素エネルギーについての技術開発を通じて、国内に高度な技術が蓄積されていくとともに、一般への普及拡大と需要創出により、大きな経済波及効果も期待できます。

 政策指針20の一〇二ページにもございますけれども、こうした特徴を持つ燃料電池車を普及していくに当たっては、水素ステーションの整備が不可欠でございます。

 その整備費は約五、六億円といわれておりまして、欧米の約一、二億円と比べても乖離が大きい金額でございます。

 そこで、都が率先して環境面ですぐれた能力を持つ燃料電池車の普及やインフラ施設である水素ステーションの整備を進めていくべきと考えますが、都の認識をお伺いいたします。

〇小池計画部長

 燃料電池車は、粉じんを初め、有害物質を排出しない無公害車ともいえる車であります。また、燃料電池車は自立分散型の発電設備ともいえまして、フル充電しますと、一般家庭の約一週間分の電力を賄うことが可能となりまして、停電時の電源として都民の安心・安全に資するものであります。

 水素ステーションにつきましては、燃料電池車の普及に向けまして、ユーザーがいつでもストレスなく燃料を充?できるよう、ステーション数を積極的にふやしていくことが重要となります。

 長期ビジョンの中間報告では、こうした点を踏まえまして燃料電池車や水素ステーションを普及拡大していくことを将来像と示しております。さらに最終報告では、普及に向けた具体的な取り組みや数値目標についても示してまいります。

〇野上委員

 一〇二ページの目標年次と目標値が空欄になっておりますので、具体的な取り組みや数値目標についても、最終報告の中でしっかりと明記していただければと思います。

 二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック大会は、燃料電池車を初め水素エネルギー社会の姿と、その関連技術を世界に示す絶好の機会であります。さらに、これからの十年間は水素社会の本格的な到来に向けて技術開発や製品普及が大きく進歩していくことになります。

 水素に係るインフラについても、水素ステーションに加えて水素パイプラインによる事業所や家庭への水素供給に係る技術開発も進んでいくことでありましょう。

 水素社会の実現に向けては、都も水素エネルギーの活用を促進していくとともに、すぐれた技術を有する先進的都市として、その活用の姿をアピールしていただきたいと思っております。

 そこで、二〇二〇年大会も踏まえた水素エネルギーの活用とともに、水素活用の姿を積極的に発信していくべきと考えますが、見解を伺います。

〇小池計画部長

 二〇二〇年大会の開催時には、燃料電池車について乗用車タイプのみならず、バスのタイプも市場に供給されているということを伺っております。大会期間中は、輸送手段として燃料電池車の活用を図りまして、クリーンな排気ガスやそれを可能とする技術の高さをアピールしてまいります。

 今年度設置した水素社会の実現に向けた東京戦略会議における議論やオリンピック・パラリンピックに係る計画策定の進捗状況も踏まえながら、水素活用の姿を最終報告に反映してまいります。

〇野上委員

 二十一世紀の新しいエネルギー利用の姿であります水素社会の実現について、東京が先鞭をつけていくことを大いに期待しております。

 次に、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック大会開催時のおもてなしの充実について質問してまいります。

 二〇二〇年には、海外から選手や大会関係者だけでなく、多くの観客や観光客も東京を訪れることが予想されます。東京を訪れる外国人に快適に東京で滞在してもらうためには、多言語対応を一層進めることが重要でございます。

 そのため、東京都では国や他の地方公共団体、民間団体及び企業と連携して二〇二〇年オリンピック・パラリンピック大会に向けた多言語対応協議会を設置し、官民一体となった表示、標識等の多言語対応を強化推進していると承知しております。

 その中でも、飲食、宿泊施設等における案内表示や標識等の多言語化、ICTツールなど各種媒体を用いた多言語での案内についても促進しておりますが、例えば高齢の方が経営する飲食店等では、ICTツールを使うことは難しいのではないでしょうか。

 そこで、多言語対応の一つとして、飲食店や宿泊施設等を対象に、誰でも簡単に使用できる多言語のカードを作成することも重要であると考えております。

 また、東京での滞在をさらに快適にするために大切なことは、外国人に対するおもてなしの心、ボランティアの精神であります。

 二〇二〇年大会に向けては、国や組織委員会、そして開催都市であります東京都が連携して取り組むことは当然でありますが、加えて多くの都民や企業の協力が不可欠であります。

 二〇一二年のロンドン大会では、約七万人もの市民が競技運営などを行う大会ボランティアとして競技を支え、大会の成功に大きく貢献をいたしました。

 二〇一四年のソチ冬季大会でも、約二万五千人もの大会ボランティアが活躍をしております。

 そこで、二〇二〇年大会を成功に導くためにも、同様に多くのボランティアの力を結集すべきであると考えますが、二〇二〇年大会におけるボランティアの全体像についてお伺いいたします。

〇小池計画部長

 ボランティアは、過去のオリンピック・パラリンピック競技大会でも、さまざまな場面で活躍しており、二〇二〇年大会においても成功を支える重要な力であると認識しております。

 そのため、二〇二〇年大会に向けまして、大会組織委員会において競技運営やイベントサービスなどの大会運営そのものを担う大会ボランティアを育成することとしております。

 また、東京都におきましても、東京を訪れた大会関係者や観客に対して案内等を行う都市ボランティアを一万人育成してまいります。

 加えて、まち中で旅行者に観光案内を行う観光ボランティアや高齢者などが簡単な外国語で道案内等を行う外国人おもてなしボランティアなど、都内の各所でさまざまな分野のボランティアが活躍し、多くの都民がボランティアとして二〇二〇年大会に参加することを目指しております。

〇野上委員

 答弁にございましたように、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会において、ボランティアは重要な役割を担うことになります。そのために、都民に対してボランティアへの積極的な参加を働きかけていくべきと考えますが、まず現時点の都民のボランティアへの参加状況について確認いたします。

〇小池計画部長

 ボランティアの参加状況に関する指標で、総務省の社会生活基本調査におきまして、過去一年間に報酬を目的とせず、自分の労力、技術、時間を提供して地域社会や個人、団体の福祉増進のための活動を行った十歳以上の人の割合をボランティア行動者率としております。

 直近の調査であります平成二十三年の結果によりますと、東京都のボランティア行動者率は二四・六%となっておりまして、全国平均の二六・三%を下回っております。

〇野上委員

 ちょっと残念な結果なんですけれども、東京都のボランティア行動者は、全国平均よりも低いという結果が出ております。

 ボランティアというと何か特別な行動のように感じてしまい、難しく考えてしまう人も多いのではないかと思います。ボランティアという言葉をかた苦しく捉えずに、まずは自分のできる範囲内で手を差し伸べることが大切であります。

 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会のときには、国内外から多くの方が東京を訪れることになります。日本語を話せない外国人だけでなく、パラリンピック競技大会の際には、障害のある方も多く東京に来られます。また、地方から初めて東京に来て、東京の交通網に戸惑う高齢者の方がいるかもしれません。

 こういった助けが必要な方々に対して自分のできる精いっぱいの対応をすること、それこそがオリンピック・パラリンピックの東京招致をかち取った最大の要因でもあるおもてなしの精神ではないでしょうか。

 二〇二〇年東京大会では、都民一人一人がボランティアとして、おもてなしの精神を発揮して大会を成功に導くとともに、その精神を大会だけで終息されることなく、東京の文化として引き継いでいくことが重要であると考えますが、見解を伺います。

〇小池計画部長

 二〇二〇年大会では、多くの都民がボランティアとして大会に参加し、国内外から東京を訪れる方々をおもてなしの精神を持って歓迎することで大会が成功をおさめることを目指しております。

 そして、大会を契機に一層の醸成が進んだ都民のおもてなしの精神につきまして、その後のボランティア文化や共助の力として定着させるため、幅広い市民活動を支援し、都民一人一人の積極的な社会貢献活動を促進してまいります。

 こうした取り組みにより、ボランティア行動者率を二〇二四年には日本一のレベルとなる四〇%まで高め、互いに支え合うボランティア先進都市の実現を目指してまいります。

〇野上委員

 二〇二四年には、四〇%までボランティア行動者率を高めるという目標を掲げております。

 先ほどの答弁にありました外国人おもてなしボランティアは、高齢者を初めとして、簡単な外国語で道案内等を行うボランティアということですが、ボランティアは高齢者の方々の生きがいにもつながると考えます。お年寄りの方と話をしていると、元気な方も多く、ボランティアや社会貢献活動に対して関心はあるけれども、一体何をしたらいいのか、どうしたらいいのかがわからないという方も少なくありません。

 二〇二〇年の大会では、さまざまなボランティアが活躍するということでございますが、こういったボランティアに関心がある方々を活動につなげられるように適切なコーディネートを行える体制の構築を進めていただきたいと思っております。

 ボランティアは、人のためではなく、参加した人の心も豊かにし、健康づくりにもつながるものでございます。また、新たな人や知識とも出会うことで自分自身を深め、より豊かな生活を送ることができます。人に施したことは自分に返ってくるということでございます。

 二〇二〇年大会を契機に、都民のボランティアへの参加が進む中で、おもてなしや共助、支え合いといった精神がさらに醸成されるとともに、その先の二〇二四年には成熟した都市の豊かな生活を支える文化として定着し、後世に引き継がれることを期待して、私の質疑を終わらせていただきます。

 以上です。

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