平成15年都市・環境委員会(2003年2月25日)木造密集地域について等

平成15年都市・環境委員会(2003年2月25日)


◯野上委員

 初めに、今回、住宅の建築物の容積率の緩和、木造密集地域の新たな防災対策について、東京都建築安全条例改正案が出されました。これが発表されてすぐに、一般の新聞に、木造建築物は一切建てられないという大変大げさな記事で報道されたものですから、町は大変大騒ぎになりました。今までストックしていた材料とか資材を使えないではないかとか、不動産屋さんや工務店、それから建築業の方々からひっきりなしに電話がかかってまいりました。詳しいことを都市計画局の方からお聞きしながら対応した次第であります。
 今、定例会に提案されている新たな防火規制について、この制度をつくった背景について、改めてお伺いしたいと思います。

◯野本市街地建築部長

 木造住宅密集地域で準防火地域に指定されている区域では、一定規模以下の建物は、木造や防火構造で建てかえができることとなっております。このため、地域の不燃化が進まない状況にございます。
 新たな防火規制の区域に指定することによりまして、建てかえ時には、原則として準耐火建築物以上とすることになりまして、地域の防災性能を図ることができます。

◯野上委員

 確かに木造密集地域の解消が進まないのは、建てかえ時に木造建築が再生産されていることが原因の一つに挙げられております。例えばよく目にする光景なんですけれども、葛飾の方でも、比較的大きな家を壊した跡に、五軒から六軒の、中庭に玄関があって、みんな中庭に向かっているような小さな木造の家に建てかえられているんですね。こうした小さな家が二、三十年経過した後には、果たして建てかえられるのかということで、とても心配になります。それぐらい狭い空間で、効率よくというか、建っているわけなんですね。隣との家がくっついて建っておりますので、火事になると、きっと類焼は免れない建築になっているなということを感じております。
 こうした木造建築物をさらに更新していくような仕組みを改めて、防災に強いまちづくりを住民の方々の協力を得ながら進めていかなければいけないと思っております。この区域の指定に当たっては、どのような手順で進められていくのか、お伺いいたします。

◯野本市街地建築部長

 区域の指定に当たりましては、区市と十分連携をとりまして、住民説明会でありますとか広報等で制度の趣旨を十分説明しまして、地元住民の意向を的確に把握していくことが重要と考えております。区市の意向や地域の状況を勘案して、適切な指定を行っていきます。

◯野上委員

 それでは、具体的にどのような地域が対象になって、建築基準の内容はどのように変更になるのかについて教えていただければと思います。

◯野本市街地建築部長

 新たな防火規制の対象地域でございますけれども、準防火地域内で、東京都震災対策条例で定める整備地域並びに災害時の危険性が高い地域のうちの、特に震災時の火災等による危険性が高い地域でございます。この地域では、指定されますと、原則として、すべての建物を準耐火建築物以上とすることとしまして、規模の大きな、延べ面積五百平米を超えるものについては耐火建築物とすることを求めております。

◯野上委員

 私、余り詳しくないんですけれども、準耐火建築物ということなんですけれども、具体的にはどのような構造なのか、お伺いしたいと思います。

◯野本市街地建築部長

 準耐火建築物ですけれども、三つほどの種類がございまして、まず一つは、柱とはりを木造としまして、その上に一定の厚さの石こうボードをかぶしたもの、そういったものでございます。もう一つが、外壁が一定厚さ以上の燃えないレンガ造等でつくったもの。三つ目の種類としましては、柱、はりなどを鉄骨造としまして、外壁に一定の厚さ以上のコンクリート板をかぶせたもの、こういった三種類のものがございます。

◯野上委員

 ということは、実際に準耐火建築になっているかどうかという検査は、工事中に検査をしなければ、でき上がってからではわからないということでよろしいですね。石こうボードが入っているかどうかというのは、その石こうボードの上にまた重ねて、わからないような仕組みにしているわけですよね。
 この制度の中で、木造密集地域の新たな防災対策についてというこの資料の中に、二の二のアのところに、原則としてすべての建築物は準耐火建築物以上とすると書いてあって、その原則としてという言葉が非常に私は気になったんですけれども、この原則としてという適用が除外される場合は、どのような場合があるんでしょうか。

◯野本市街地建築部長

 適用除外の内容でございますけれども、既存の不適格建築物、今木造で建っているようなものですけれども、五十平米以下の小規模な増築をする場合、こういったものは除外されます。
 それから物置等の附属建築物、これについても適用除外となっております。

◯野上委員

 これもちょっと気になったんですけど、延べ面積が五十平方メートル以内の平家建ての附属建築物というふうに書いてあるんですけれども、例えばこういうところを人が住居として使用している場合、これも大丈夫ととらえていいわけですね。
 準耐火構造というのは、一定時間、四十五分間、火災に主要構造部が耐えるものという基準だそうなんですけれども、木の部分を石こうボードで覆ってしまうと。それでは強度が弱いということで、さらにボードで覆うということになりますと、大変コスト高になるということですね。今まで木造一般住宅だと、延べ床面積百平方メートルの建設費が一千四百万円のところ、準耐火にすると千五百万円かかるということなんです。木造一般住宅に比べて百万円高いと。また、耐火建築だと、普通だと千八百万円で、木造一般住宅に対して四百万円割高になっているということなんですね。また、耐火建設は五百平方メートル以上ということなので、単純に二千万円余分にかかるということになるわけです。
 これは住宅金融公庫の基準の単価による試算なんですけれども、今まで貯金をして建てかえを計画してきた住民にとってみれば、大きな負担を強いられることになるわけです。防火規制をかけられることで、余計に、余分なお金がかかってしまう。確かに防災上は大変よいことなんですけれども、建てかえ資金計画が狂ってしまう。こうしたことに対して、建てかえを容易にするために、都市計画局で考えている、支援策というんですか、そういったものはあるんでしょうか。

◯野本市街地建築部長

 狭小な敷地が多い木造住宅密集地域での建てかえを促進するためには、新たな防火規制の区域指定とあわせまして、地区の状況に応じて、区市と連携しながら、前面道路による容積率制限や斜線制限の緩和を行っております。
 先ほどの五百平米以上は耐火ということなんですけれども、私ども基準を考える場合に、一般の木造ですと大体百五十平米程度かなということで、五百平米以上という住宅は少ないであろう、そういうことで、耐火となってもよろしいのじゃないか、そんなことも考えております。よろしくどうぞ。

◯野上委員

 では、具体的に、容積率の緩和といわれたんですけれども、どれぐらい緩和されるのかと。住民の方々から、整備地域に指定されて本当によかったと思えるような緩和であるのか、お示しいただければと思います。具体的に例を示していただけるとありがたいんですけれども。

◯野本市街地建築部長

 木造住宅密集地域での平均的なモデルといたしまして、敷地面積八十平米で試算してみました。前面道路による容積率制限であるとか、あるいは斜線制限を緩和することによりまして、これまでよりも、面積で六畳間一つぐらいが余分にできる、建てられるということになります。
 それから、高さ的には、今まで二階建てであったものが、二世帯住宅で三階建ても建てやすくなると、こんなふうなことがございます。

◯野上委員

 住民の方々が建てかえを希望されるときに、安全なまちづくりを進めていくことは大切なことだと思います。私も、暮れに火事がありました。焼け焦げたにおいはするけれども、一体どこから入っていいのかわからないほどの密集地域でした。類焼された方は、寒空にほうり出されて、生きる希望もなくしておられました。早速、住む家とかを手配したりして動いたんですけれども、そういった地域が準耐火建築物になったときに、防災上の効果はどれぐらい期待できるのかについてお伺いしたいと思います。

◯野本市街地建築部長

 建てかわった場合の防災上の効果でございますけれども、都内の木造住宅密集地域の一部について試算してみました。そうしたところ、老朽木造建築物がすべて準耐火建築物に建てかわった場合、現在の焼失率が五五%でございますけれども、それが約八%まで、大幅に減少することが予測されております。

◯野上委員

 五五%が八%まで減少するということは、すばらしいことだと思います。東京は、関東大震災からの周期を見ても、いつ直下型の地震が起こるかもわからない、大火災が発生するかもわからないという状況に置かれておりますけれども、いざというときのために、道路の拡幅とか、そういった木造密集地域を解消してほしいという住民の方々の声に耳を傾けながら、安全で安心して快適に暮らせるまちづくりを推進していく必要を感じております。自分の町が大好きである、すてきなまちづくりをこれからも推進していっていただければと思います。
 これで終わります。

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