平成15年都市・環境委員会(2003年2月27日)燃料電池について等

平成15年都市・環境委員会(2003年2月27日)


◯野上委員

 予算特別委員会でも質疑がなされていましたけれども、マスコミ等で首都圏の電力危機が叫ばれておりますけれども、この原因は一体どこにあるのでしょうか。初めにお伺いいたします。

◯梶原参事

 今般の電力危機でございますが、昨年夏以降発覚いたしました東京電力の原子力発電所をめぐります一連のトラブルによりまして、首都圏の消費電力の約四割を提供しております原子力発電所が稼働停止をいたしまして、運転再開のめどが立っていないというのが原因でございます。原発十七基のうち、現在、十三基が停止しておる状況でございまして、稼働中の四基につきましても四月中旬までにはすべて停止するという状況がございます。

◯野上委員

 すべて停止するということなんですけれども、この状態が続けば、ことしの夏を乗り切ることができるんだろうかと不安を抱かずにはおれません。そもそも東京の電力自給率はわずか八%ということで、一割にも満たない状況なわけですね。電力を他県に頼るしかない状況があります。ことしの夏も去年と同様に、多分、暑い夏が来るわけです。小中学校でも、教室の冷房を進めている区もあります。電力の需要がピークを迎える夏場を前にして、都はこの事態にどう対応していくのか、お伺いいたします。

◯梶原参事

 現在の電力状況でございますが、お話のとおり、極めて厳しく、また、今後の状況によりましては、春から夏にかけてさらに深刻化することも考えられております。事態は大変深刻ではございますが、これを契機に、都市におけますエネルギーのあり方とか地球温暖化について都民お一人お一人が考えるようにしていただきたいというふうに考えております。
 都でも、都庁省エネ運動を展開し、できる限りの省エネに取り組んでおりますが、都民、事業者にも省エネを強く呼びかけてまいりたいと考えております。

◯野上委員

 呼びかけていくということなんですけど、実際、自分自身もかなり省エネを心がけた生活をしておりますけれども、使わなければならない電力は仕方なく使ってしまうというのが現状です。私は、夏、一度も家でクーラーをかけませんでした。それぐらい省エネに気をつけて、自分自身は生活をしておりますけれども、都庁に来ると、かなり激しい電力を使っておりますし、自分自身は自転車をなるべく活用しようと思っていますけれども、やはり車に乗らなくちゃいけないときは車というような生活実態があるわけなんですね。
 今回の電力危機というのは、いいかえれば、東京のエネルギー危機だと思います。このことをきっかけに東京におけるエネルギーのあり方そのものを見直していく必要を強く感じております。
 例えば車を例にとってみますと、日本のエネルギーの依存状況は、ガソリンや軽油や石油が約九八%を占めております。最近は、ガソリンが日々値上がりしてて、一円ずつ上がっておりまして、つい二週間前は九十四円だったガソリンが、きのうは九十七円というふうに値上がりしております。外国への依存度が高ければ高いほど、あってはならないんですけれども、いざ戦争とかになったときに、日本の経済そのものがもたないのではないかというふうに危惧しております。
 先日、私は、燃料電池自動車に試乗してまいりました。これは本当に静かで揺れが少ないんですね。スピードもそこそこ出ます。時速百六十キロぐらいで走っていただいたんですけれども、非常に静かなんですね。びっくりいたしました。四車試乗したんですけれども、バスにも乗らせていただきましたけど、車の中の前の携帯電話の話し声が、後ろに聞こえるぐらい、それぐらい静かな車でした。多分東京も燃料電池車が普及したら静かなまちになるんだろうなというふうに思います。排出されるのは水蒸気なので、いかにクリーンな乗り物かと私は感心した次第であります。
 振り返ってみますと、二十世紀は、化石燃料の大量消費の時代でした。二十一世紀はどんなエネルギーを基盤とした社会になるのでしょうか。その答えの一つが水素エネルギーにあると思っております。皆様もご承知のように、水素エネルギーの動力源である燃料電池は、水素と酸素の反応によりエネルギーと水を発生させるというクリーンなエネルギーです。二十一世紀を担う新たなエネルギーとして大きな期待が寄せられております。
 昨年十二月、トヨタとホンダは、世界に先駆けて燃料電池車を実用化し、国に二台の燃料電池車を納入いたしました。
 また、アメリカでは、今月初め、ブッシュ政権が水素社会の実現に向けたプロジェクトに十七億ドル、約二千億円の研究開発費を投入すると宣言しておりました。このFCVの普及には、水素供給方式など多くの問題が残されているけれども、アメリカ社会に多大な利益を及ぼすだろうと訴えておりました。研究室からショールームに持ち出すことを拒んでいる障害を克服し、今日生まれた我々の子どもたちは、将来水素で走るクリーンな自動車を運転することになるだろうと。このプランの意義は、アメリカ社会に水素システムを持ち込むことによって、エネルギー資源の外国への依存度を減らし、かつ大気の汚染を防止することと、早期実現化への意欲を見せております。まさに世界は水素社会の幕あけを迎えようとしているんです。
 この水素エネルギーについて、都はどのように考えていらっしゃるのか、基本的な考え方についてお聞かせいただければと思います。

◯梶原参事

 水素エネルギーとか、それから電気を発生させます、ただいまお話のありました燃料電池でございますけれども、環境負荷の少ないクリーンなエネルギーであるというふうに認識しております。
 普及拡大には技術的な課題等もまだ残しておりまして、国におきましても、二〇一〇年以降の大量普及を見込んでいるというふうに聞いております。都民生活に浸透するまでにはなお時間がかかると思われますけれども、今後の技術開発等の動向によりましては、広く普及が見込まれる未来のエネルギーであるというふうに考えております。

◯野上委員

 そうした中、東京都も燃料電池バスパイロット事業をスタートさせて、燃料電池バスの路線運行を都バスで行うことを決定したとお聞きいたしました。今回の燃料電池バスパイロット事業の概要と意義、目的についてお伺いいたします。

◯梶原参事

 燃料電池バスパイロット事業でございますけれども、地球温暖化対策及び大気汚染対策の一環といたしまして、環境局、交通局及び民間事業者が共同で実施する事業でございます。
 都といたしましては、燃料電池バスの実用化のために不可欠な走行データの収集、それから、都民等に対します普及啓発を主な目的として行うものでございます。ことしの夏からは、都営バスの営業路線において運行を開始いたしまして、平成十六年度末まで実験を続ける予定にしてございます。

◯野上委員

 燃料電池自動車というのは、まだまだ都民にはなじみの薄い存在だと思います。ともすれば、水素と酸素ということで、水素というイメージで、危ないのではないかという印象を持っていらっしゃる方もおられると思います。都としては、都バスでの路線運行を通して、燃料電池、水素エネルギーの重要性や安全性などを広く都民に理解してもらうよう、普及啓発に力を入れていくべきと考えますけれども、所見をお伺いいたします。

◯梶原参事

 燃料電池バスパイロット事業の実施に当たりましては、都民に燃料電池バスに実際にご乗車いただくということで、排ガスを出さない低公害性とか、乗り心地のよさなどを実感していただくことを一つの成果として期待しているところでございます。
 それと同時に、実験期間を通じまして、さまざまな機会をとらえて広報活動を継続して実施することで、燃料電池バスとか、水素エネルギーそのものについての都民の理解を深めてまいりたいと考えております。

◯野上委員

 今後、燃料電池、水素エネルギーを普及定着させていくためには、多くの課題が残されております。信頼性とか耐久性とか、一番大きなのはコストの面だと思いますけれども、どのような課題が考えられるんでしょうか。

◯梶原参事

 燃料電池を普及させるためには、安全性を含みます技術の確立とか、特にコストの大幅な低減、さらには法制面での規制緩和の問題など、解決すべき課題が山積しているところでございます。また、水素供給ステーションを初めとしますインフラの方の整備に関しましても、設置にかかわります法整備が必要でございまして、そういったような幾つかの課題が残されているところでございます。

◯野上委員

 多くの課題があるとはいえ、技術革新のスピードは私たちの想像以上のものがあると思います。都としても、実用化、普及は何年も先の話というふうにたかをくくるのではなくて、水素社会の到来を前提に、その対応を考えるべき時期に来ているのではないかと思いますが、局長の所見をお伺いしたいと思います。

◯小池環境局長

 今お話がありました水素エネルギーは極めてクリーンなエネルギーでありまして、二十一世紀の社会を支え、持続可能な社会の形成を可能とするエネルギーとして、その開発、普及ができるだけ早期に進展することを大いに期待しております。
 都として、一体どういうことが今の時点でできるかということで、先ほどお話がありましたが、まだまだ端緒的な取り組みということでございますけれども、有明地区の水素供給ステーションを拠点といたしました燃料電池バスパイロット事業を行うなど、燃料電池にかかわる先駆的な取り組みということで着手していると。また、燃料電池にかかわる規制の見直しということが既に動き出しておりますが、これにつきまして、関係機関の検討会に参加するなど、技術動向等の情報収集を今やっている、こういう状況でございます。
 いずれにいたしましても、燃料電池を中心とした水素エネルギーをめぐる技術開発というものは、今後、国家戦略のプロジェクトとして、今いわれているよりももっと早く予想以上の進展を見る可能性が十分あると思いますので、都といたしましても、技術開発の動向や経済社会システムの変化等、十分見据えながら、その成果を都市環境政策の中に生かしていくように、常に心がけてまいりたいと思います。

◯野上委員

 私は、公営交通、都営大江戸線を利用して都議会まで来ておりますけれども、ちょうどつり革広告があります。それは、東京の私の青空と書いてありまして、空と雲の絵があって、平成十五年十月からの排出ガス対策として、CNG、これは圧縮天然ガスですね、このバスを含む低公害車を百七十三台導入しますと。また、ことしの夏ごろには、日本初の燃料電池バスの走行試験を開始しますと。都営バスは排出ガス対策を通して環境問題に取り組んでおりますという、そういうつり革広告を掲載しておりました。本当に環境局と交通局が連携を図って、一生懸命取り組んでいらっしゃるんだなということを都民に広く知らせていることがよくわかりました。
 東京都環境基本計画の中に、交通渋滞が激しく、自動車排出ガスによって深刻な大気汚染を抱える東京においても、東京都が率先して、自動車メーカー、燃料メーカー、国等と積極的なパートナーシップを結び、燃料電池車の開発を推進していくということが書いてあったんです。多分、あと二十年もすれば、水素ステーションも身近につくられて、私たちも燃料電池車に乗っているんじゃないかなというふうに想像しております。
 最後に、大都市東京の環境改善の意味からも、東京都環境局の方でも研究会を設置するなり、環境科学研究所もありますので、そこに人材を投入して、先行研究をするなり、あるいはプロジェクトH2をつくったりして、先駆的な役割を展開していただければと要望して、終わります。

関連記事

カテゴリー

PAGE TOP