平成14年第3回定例会(2002年9月26日)情報モラルの育成について等

平成14年第3回定例会(2002年9月26日)


◯十八番(のがみ純子君)

 最初に、情報教育について伺います。
 今、小中学校では総合的な時間の中でパソコンを使った情報教育を実施しています。高校では来年度から教科としての「情報」がスタートします。そこで、都は、教員がパソコンに習熟し、効果的な情報教育ができるようにさまざまな研修を行ってきましたが、残念ながら、今なお授業でパソコンを使って指導できる教員は四二・七%にとどまっているのが現状です。授業における効果的なパソコン活用のため、教員のさらなる習熟が必要であります。今後の具体的な研修方針と目標を伺います。
 児童生徒がインターネットにアクセスし、多様な情報を収集して調べ学習などに活用し、情報活用能力を高めていくことは、教育の一環として大切な要素です。しかし、インターネットには有益情報がある一方、自殺の仕方、爆弾の製造方法、暴力、性に至るまで有害情報があふれているのも事実であります。こうした有害情報がストレートに児童生徒に流れ込むことは防止すべきであります。既に、都の小中高校の九四%がインターネットと接続している現在、有害情報の流入防止策の徹底は不可欠です。そこで、都立公立学校においての流入防止策の現状を明らかにするとともに、適切な指導を行うべきであります。所見を伺います。
 また、情報は時として人権を傷つける凶器にもなり得ることは、インターネット時代の影の部分と指摘されております。情報教育を通して、あふれ返る情報の中から有益・無益、正確・誤り、善意・悪意などを主体的に判断できる能力の育成、またプライバシーの保護や著作権の保護、情報発信者としての責任など、いわゆる情報モラルの育成に努めるべきであります。都は、こうした点に関する資料作成やマニュアルづくりを行うなど、具体的な対策を講ずるべきと思いますが、いかがでしょうか。
 次に、食品の安全確保策について伺います。食品に関する不祥事が頻発する中、都政モニターのアンケート調査結果によれば、食品の表示を信頼できない都民が六五・九%に達しております。大消費地東京における食の安全は、都政の最重要課題と考えます。消費者の立場に立って、都ならではの食の安全確保対策に取り組むべきと考えますが、知事の所見を伺います。
 さて、こうした事件を未然に防ぎ、同時に都民の食に対する信頼を回復するには、まず企業倫理の向上が不可欠です。都も食品に対する監視と指導を強化することが必要と考えます。そこで、以下五点にわたり質問いたします。
 第一に、都は本年七月から食品表示などについて、都民参加による新たなチェックの仕組みとして、消費生活調査員制度に基づく事業に着手したと聞いています。これは、商品やサービスの全般にわたり、量目や不当表示のチェックを含めた調査を都民五百人に委嘱して行うものですが、今後は、より食品の安全性チェックに重点化した取り組みを行うべきと考えますが、いかがでしょうか。
 第二に、食品の安全問題は、都において、消費者サイドでは生活文化局、検査では健康局、生産者サイドでは産業労働局、流通では中央卸売市場、給食関係では教育庁と、多くの局がかかわっており、監視体制の強化は、局間の垣根をできるだけ低くして、連携して取り組む必要があります。都のこれまでの取り組みと、今後の施策展開について伺います。
 第三に、現在、国においては、食品安全委員会の設置、食品安全委員会が実施するリスク評価、リスクコミュニケーションを重視した取り組みなどが検討されております。都は、都民の不安を取り除く最も身近な存在であります。そこで、都はリスクコミュニケーションを進め、さらに幅広く都民に開かれた議論の場をつくるべきと考えます。見解を伺います。
 第四に、食品検査体制の充実であります。
 都は、衛生研究所などハイレベルの検査機能を備えておりますが、日常的に流通する食品の検査という量的需要に十分にこたえられるのかどうか、この点、国や区との連携、あるいは民間検査機関との連携など、検査機関のネットワークを組織して、広範な需要にこたえるべきと思いますが、見解はいかがでしょうか。
 こうしたことに加えて、生鮮食料品流通の約七割を担っている中央卸売市場においても、行政と市場関係業者と一体となって安全性の確保に積極的に取り組まなければなりません。見解を求めます。
 次に、女性特有の身体的症状や精神的不安などを総合的に診療できる女性専用外来について伺います。
 ジェンダー・スペシフィック・メディシン、つまり性差に基づいた医療は、最近になって注目され始めた分野であります。例えば、多くの生理学的研究が男性をモデルにしておりますが、女性に着目すると、閉経後の女性における高脂血症の頻度は男性の二倍から三倍になります。また、心筋梗塞の発症率が増加し始める時期は、十年以上も女性が遅いといわれております。さらに、更年期障害などでは、体の構造、体質、ホルモンの働きの違いなど、性差を見きわめた治療が大切といわれております。
 既に米国では、一九八五年に女性の健康、疾病についての施策がまとめられ、一九九三年からは、閉経後の女性の十六万七千人に十年間にわたる疫学調査を行っております。日本でも、心臓疾患における性差の違いが三年前に日本心臓病学会で発表され、厚生労働省は、昨年から、女性の生涯を通じた健康啓発、支援システムづくりに関する研究を開始しております。
 女性専用外来は、千葉県において、民間や公立合わせて四病院でことし四月より開設し、女性医師が診察に当たっています。女性の気持ちがよくわかり、安心して診療が受けられる、男性の医師に聞くのは恥ずかしいと思っていることが気軽に相談できると、大好評であります。
 思春期から更年期まで、女性特有の病気について、性差を考慮しつつ、トータルな立場から女医の診察を受ける女性専用外来を都立病院にも開設すべきであります。明快な答弁を求めます。
 次に、ドメスチックバイオレンスについてお伺いいたします。
 女性の人権を暴力によって奪う行為は重大な人権侵害であり、犯罪行為です。しかし、先日も、福岡県で、妻に会わせろと義理の母親とめいを人質に立てこもり、子どもを刺殺するという凄惨な事件が起こるなど、DVの脅威は広がる様相を見せており、対策の強化が望まれます。
 そこで、以下二点について伺います。
 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律、いわゆるDV防止法が施行されたことにより、配偶者暴力相談支援センターが各都道府県に設置されることになりました。都も、東京ウィメンズプラザと女性センターが、ことし四月から配偶者暴力相談支援センターとしての業務をスタートさせ、半年経過いたしました。まず、その運営状況についてお示しいただきたい。
 第二に、被害者と一口にいっても、緊急に保護を必要とするケースもあれば、助言や情報提供を受けてみずから主体的に対応していくケースなど、さまざまな状況があります。このため、被害者支援に当たっては、東京都だけでなく、警察、福祉事務所、保健所、医療機関などが連携して、被害者の状況に即したきめ細かな支援を行うことが重要と考えます。各種機関とのネットワーク構築を具体的にどう進めるのか、所見を伺います。
 次に、DVに密接に関連する児童虐待について伺います。
 児童虐待は、DVとともに近年大きな社会問題となっており、この十年間で虐待通報件数は約十五・六倍と、急増しています。こうした問題に対応するために、一昨年、児童虐待防止法が制定されました。同法は、来年度見直しをすることとなっております。
 都は、これまでの事業実績を踏まえて、より効果ある児童虐待防止対策を図る観点から、立入調査に際しての裁判所の関与など、所要規定の整備充実を国に強く働きかけていくべきであります。
 そこで、児童虐待防止法制定の評価並びに来年度の見直しに向けた課題と対応について、都の見解を伺います。
 最後に、地元葛飾の課題である、京成高砂駅周辺のあかずの踏切問題であります。
 既に成田新高速鉄道の京成電鉄への乗り入れが閣議決定され、平成二十二年度に向けて計画が着々と進められております。しかし、現状のまま成田新高速鉄道が乗り入れれば、ラッシュ時は一時間に五十分間遮断したままの、文字どおりあかずの踏切となります。知事が現場視察に来られたときには、幸いにも、あかずの踏切がすぐにあいてしまいましたが、ふだんは慢性的な交通渋滞、騒音、激しい振動、電波障害、町の分断化などに悩まされており、地域住民の不便さと不満は募るばかりです。(「そうだ」と呼ぶ者あり)ありがとうございます。
 都はこうした地域住民の声を真摯に聞き、早急に解決の方途を示すべきであります。見解を求め、私の質問を終わります。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

◯知事(石原慎太郎君)

 のがみ純子議員の一般質問にお答えいたします。
 食の安全確保についてでありますが、食肉の表示偽装や指定外添加物の使用、あるいは中国産野菜の残留農薬など、食にかかわる非常に悪質な事件が頻発しておりまして、日本最大の消費地であります東京の都民の健康や生命が脅かされております。
 都は、BSEに端を発した昨年来の一連の事件に対して、徹底した緊急調査を行うなど、都庁を挙げて取り組みを行ってきました。あのBSEの場合には、国が疑いがあるとコメントした段階で既に、濱渦副知事が市場に出向きまして、深夜でありましたけれども、あすの出荷の凍結と、その日に出した荷の回収を命じました。
 今後とも、都としては、消費者を守る観点から、引き続き国に対して食品安全対策の強化を求めるとともに、必要に応じ、都独自の危険あるいは危害物質の指定や指導基準を策定するなど、今後とも食の安全確保に徹底して努めていくつもりでございます。
 他の質問については、教育長及び関係局長から答弁いたします。
   〔教育長横山洋吉君登壇〕

◯教育長(横山洋吉君)

 情報教育に関します三点の質問にお答え申し上げます。
 まず、教員のパソコンの習熟についてでございますが、これは、文部科学省の各都道府県別調査結果によりますと、東京都全体で、自分でコンピューターを操作できる教員の割合は七六・八%でございますが、授業でコンピューターを使用して指導できる教員の割合は、お話のように四二・七%でございまして、全国平均の四七・四%を下回っているのが実情でございます。
 都教育委員会は、授業でコンピューターを使って指導できる教員の育成を図るために、校内の指導教員を養成する情報教育指導教員養成研修、また、各教員のニーズに基づき機器やソフト等の活用技術の向上を目指します専門研修等を実施しております。
 今後、ITの教科での活用研修を一層充実をさせまして、授業での効果的な活用を図りますとともに、平成十五年度から新設されます教科「情報」の担当教員のための研修等を進めまして、授業でコンピューターを使用して指導できる教員の割合を高めてまいります。
 次に、有害情報の流入防止策の徹底についてですが、都立学校につきましては、八一%の学校が、有害情報の流入防止のため、学校や民間のプロバイダー等においてフィルタリングを使用しております。また、フィルタリングを使用していない学校におきましても、児童生徒がインターネットを使用する際に、教員の指導のもとに利用するなどの対策を講じております。
 一方、区市町村の教育委員会におきましても、有害情報の流入防止に努めておりまして、都内の小中学校の八七・六%が同様にフィルタリングを使用しております。今後とも都立学校を指導しますとともに、区市町村教育委員会と連携しまして、有害情報の流入防止に努めてまいります。
 最後に、情報モラルの育成についてでございますが、学校におきまして情報教育を進めるに当たって、児童生徒が、社会生活の中で情報や情報技術が果たしている役割や影響を理解して、情報モラルの必要性や情報に対する責任について考えることを通して、情報社会に参画する態度を育成することが重要であると考えております。
 現在、学校では、インターネットの活用や、技術・家庭科等におきまして、プライバシーの保護や著作権の保護、情報発信者としての責任など、情報通信ネットワークを活用する上での基本的なマナーなどの指導を行っております。
 都教育委員会としましては、指導に当たる教員を対象としまして情報モラルに関する研修を実施をしますとともに、学校に情報教育推進資料を作成、配布をしまして、情報モラルの育成に一層努めてまいります。
   〔生活文化局長三宅広人君登壇〕

◯生活文化局長(三宅広人君)

 四点の質問にお答えいたします。
 まず、食品安全対策のうち、消費生活調査員制度を活用した調査の重点化についてのお尋ねでございます。
 お話のように、今年度からスタートさせました消費生活調査員制度は、都民が地域で生活しながら年間を通して調査を行うことでありまして、広く、きめ細かな監視の目を商品の表示に行き届かせることをねらいとしております。
 お話のように、調査員は五百名おりますが、そのうち二百名は、特にJAS法に基づく食品表示調査を専任で担当しておりまして、この七月には、牛、豚、鳥など、食肉全品の原産地表示の実態について、聞き取り等による店頭調査を実施いたしました。さらに、この調査結果に基づきまして、職員による確認調査、事業者に対する指導を実施しております。今後は、これらの結果を踏まえて、調査員の一層の活用などによりまして、調査対象を食品の表示に重点化することも検討してまいります。
 次に、リスクコミュニケーションの場をつくるべきというお尋ねでございます。
 食品のリスクを正しく理解し、食品の安全性に対する信頼を取り戻すためには、行政や専門家のほかに、消費者、事業者も参加して、それぞれの参加者の持つ情報について意見交換をしたり、情報を共有したりするリスクコミュニケーションが重要でございます。
 都は、消費生活対策審議会や食品衛生調査会などの場を活用して、都民意見の施策への反映に努めてまいりました。今後は、これらの取り組みに加えまして、消費者月間行事の中で関係者が一堂に会しての公開シンポジウムを実施するなど、さまざまな機会を通じて、都民との意見交換や情報の発信に努めてまいります。
 次に、ドメスチックバイオレンスに関して、配偶者暴力相談支援センターの運営状況についてのお尋ねでございます。
 配偶者からの暴力に関する相談は、四月以降大幅に増加しております。八月までの相談数は、東京ウィメンズプラザと女性相談センターを合わせて二千八百件を超えております。昨年の同時期と比較すると、二・六倍となっております。
 その内容は、暴力を受けて悩みを訴えるもの、対応についての助言や緊急保護を求めるものなど、被害者の状況によりさまざまでございます。また、配偶者からの暴力を原因とする一時保護件数も二百件を超え、昨年同時期に比べまして一・五倍に増加しております。
 最後に、関係機関の連携についてのお尋ねでございます。
 被害者の支援に当たっては、配偶者暴力相談支援センターを中心に、各地域のさまざまな機関が協力し、被害者一人一人の状況に応じた適切な対応を行う必要がございます。
 このため、東京ウィメンズプラザでは、警察や福祉事務所、地域の女性センターなどにより構成されるDV被害者支援関係機関連絡会の運営をしておりますし、福祉や医療など、関係機関職員を対象にした研修を行っておりますが、今後とも、情報交換や連携のさらなる強化を図ってまいります。
   〔健康局長長尾至浩君登壇〕

◯健康局長(長尾至浩君)

 食品の安全対策に関する二点の質問についてお答え申し上げます。
 各局で共同した食品監視体制の強化についてでございますが、食品の安全確保を図るには、生産、製造から流通、消費に至るまで、各段階における監視、指導の強化が必要でございます。
 都は、これまでも、昨年来のBSE問題や食肉の偽装表示事件などに見られるように、関係各局が共同して監視や営業者指導に取り組むなど、局間の連携を図ってまいりました。今後とも、関係局が緊密に連携し、効果的な監視、指導を実施していく所存でございます。
 次に、各検査機関の連携と検査需要への対応についてでございますが、東京では、輸入食品を初め大量の食品が流通しており、食品の監視、検査体制の充実は、食の安全を確保する上で極めて重要な課題でございます。
 特に近年、輸入野菜の残留農薬汚染問題など、高度な検査を必要とする事例がふえてきており、量的需要のみならず、質的な変化にも対応しなければならないようになっております。
 そのため、今後とも、各検査機関の役割分担を踏まえつつ、一層の連携強化を図り、広範な検査需要にこたえていきたいと考えております。
   〔中央卸売市場長碇山幸夫君登壇〕

◯中央卸売市場長(碇山幸夫君)

 卸売市場での生鮮食料品の安全性確保についてでございますが、今回の無登録農薬の問題などに際しましては、都民の健康を損なうおそれのある食料品の上場停止や販売差しとめを卸売業者に対して指示いたしました。
 こうした食をめぐる一連の事件において、常に消費者の視点に立ち、安心、安全な生鮮食料品の流通に最大限の配慮をし、時期を失することなく果敢に対応することが、行政のみならず市場関係者の重大な責務と、強く認識しております。
 このような観点から、ご指摘を踏まえまして、市場関係業者との連携を一層強化いたしまして、今後とも、危機管理の視点に立った生鮮食料品の安全性確保に努めてまいります。
   〔病院経営本部長櫻井巖君登壇〕

◯病院経営本部長(櫻井巖君)

 女性専用外来についてのご質問にお答え申し上げます。
 都立病院における女性専用外来の設置についてでありますが、現在、都では、患者中心の医療の実現を目指し、東京発医療改革を推進しています。この改革の核となる都立病院改革においては、都民に対する医療サービスの向上を目標に掲げ、その具体策の一つとして、専門外来の拡充を挙げております。
 都立病院の持つ高水準で専門性の高い医療機能を活用しながら都民ニーズに対応するという観点から、今後、ご指摘の趣旨を踏まえ、女性専用外来の設置についても検討してまいります。
   〔福祉局長川崎裕康君登壇〕

◯福祉局長(川崎裕康君)

 児童虐待防止法の評価及び課題についてお答えいたします。
 法の制定により、虐待のとらえ方が明確になるとともに、発見の努力義務や通告義務が規定されたことによりまして、関係者や一般都民の児童虐待への関心が高まり、そのことが虐待通報の大幅増加等に結びついております。
 また、立入調査権が付与されたことにより、子どもの保護に際して、より迅速、機動的な対応が可能となりました。
 一方、来年度の見直しに向けた課題としましては、ご指摘の立入調査に関する強制権限の強化のほか、保護者に対する実効性ある指導の確立などがあり、都としては、こうした制度の見直しを国に強く働きかけてまいります。
   〔都市計画局長勝田三良君登壇〕

◯都市計画局長(勝田三良君)

 京成高砂駅付近の踏切対策についてお答え申し上げます。
 これらの踏切は、いわゆるボトルネック踏切であり、抜本的な解決が必要であると考えております。しかし、鉄道が三方向に分かれていることや、駅直近に電車の車庫があることなどから、立体化には幾多の課題がございます。
 このため、昨年、地元区が踏切対策等についての検討会を設置し、これまでに鉄道施設の現状や地域のまちづくりが抱える課題等を把握してまいりました。引き続き、鉄道と道路との立体化について、技術的可能性等を検討していく考えでございます。

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