平成15年第1回定例会(2003年3月7日)共産党提出の議案について等

平成15年第1回定例会(2003年3月7日)


◯十八番(のがみ純子君)

 私は、都議会公明党を代表して、第一号議案、平成十五年度東京都一般会計予算外知事提案の全議案及び議員提出第二号議案に賛成し、共産党提出の一議案に反対の立場から討論を行います。
 平成十五年度東京都予算案は、長期化する不況のもと、都税収入が十四年度に引き続き約一千三百億円減と落ち込み、一般会計全体では対前年度比三・〇%減という緊縮型予算案となっています。しかしながら、今日の最大の課題である景気、中小企業、雇用、福祉、教育、都市再生などの重要施策には戦略的に対応するとともに、財源を優先的に配分しており、とりわけ福祉と保健の構成比は一二・四%と、過去最高となっていることを評価するものであります。
 平成十五年度は、財政再建プランの最終年度に当たりますが、一層の内部努力、施策の見直しに加え、職員定数削減については、本年を含め四年で五千八百七十五人の削減を実施し、また、監理団体の統廃合、団体職員の削減などを実施、さらには起債を四年連続抑制するなど、公明党が一貫して主張している行政改革への強い主張に沿うものであります。今後、都財政を取り巻く環境はさらに厳しくなることが予想されます。
 地方税財政制度の改革に向けては、国に対してこれまで以上に強く働きかけていくべきであります。また、十五年度予算案においては、会計処理に複式簿記・発生主義会計を新たに導入する公会計制度改革の推進が盛り込まれたことを評価するものであります。
 外形標準課税訴訟については、さきの控訴審判決は東京都敗訴というまことに残念な結果となったものの、条例の大宗部分については都の主張が認められました。銀行業等に対する外形標準課税は、憲法で保障された地方自治体の正当な課税自主権の行使であり、上告審においては、控訴審で指摘された税負担の問題について都の主張の正当性をより論理的、実証的に明らかにするなど、断じて逆転勝訴をかち取るべきであります。
 中小企業対策については、デフレの長期化と、不良債権処理の加速化に伴い、中小企業に対する貸し渋り、貸しはがしが後を絶たない実態の中で、都が実施した金融対策、中でもいわゆる借りかえ融資は、資金繰りに苦しむ中小企業から大きな期待が寄せられております。
 しかし、金融機関側の消極姿勢で利用しにくい面も指摘されており、都は金融機関に対し、借りかえに協力するよう強く働きかけるなど、融資制度の一層の充実を図るべきであります。
 商店街振興については、新・元気を出せ商店街事業、輝け店舗支援事業、そして進め若手商人育成事業の三事業で、商店街振興の総合対策が再構築されることを評価いたします。この三事業は、いわば三位一体の商店街振興事業であり、各事業の効果を高めるためにも、総合的に実施されるべきであり、同時に、継続的な事業となるよう強く望むものであります。
 知的財産権である特許権、技術の評価システムの構築については、知的財産総合センターが東京都中小企業振興公社の中に設置されることになりました。特許技術を証券化し、マーケットで直接投資を受けられるアメリカに比べ、日本はまだおくれており、この一点を突破して、中小企業再生に向けて全力で取り組むべきであります。
 雇用対策については、今日の厳しい雇用情勢に的確に対処していくため、地域の実情に応じたきめ細かな雇用・就業対策を講ずる必要があります。無料職業紹介権が地方公共団体に付与された場合に備え、大都市の持つ特性に対応した都独自の施策を推進すべきであります。また、地方自治体に職業紹介権がない現在でも、雇用対策の新たな環境整備を積極的に図るよう要望いたします。
 震災対策については、ことしは関東大震災から八十年目に当たり、改めて国に対して全国単位の防災対策の体制強化と、都における東海、東南海、南海地震の同時発生も視野に入れたスーパー広域災害対策の推進を図るべきであります。また、基幹的広域防災拠点の整備に当たっては、臨海副都心全体で有明の丘の防災機能をバックアップできる態勢を整え、国と七都県市間の連携を一層強固なものとし、必要なシステムの整備を行うべきであります。
 福祉施策については、養育家庭制度をより多くの都民が参加できるように拡充すべきであり、あわせて養育家庭の専門性を高めるとともに、手当の増額など養育家庭を支える必要があります。また、障害者福祉については支援費制度が導入されますが、ホームヘルプサービスの利用者負担については、一カ月当たりの限度額が設けられ、障害者がこれまでと同様の水準でサービスを受けられ、また低所得者の方々への無料制度が継続されることになったことを高く評価いたします。
 障害者施設に対する都の民間社会福祉施設サービス推進費補助については、来年度は経過的措置が講じられることになったことを評価いたします。都立福祉施設の改革に当たって、とりわけ重度障害者については、利用者本人はもちろんのこと、その家族の方々の将来にわたる安心感への期待に対し、十分にこたえられるよう、都が責任を持って取り組む方針を明らかにしたことを評価いたします。
 東京発医療改革の中核である都立病院改革は、都立病院改革実行プログラムが策定されましたが、大久保病院、多摩老人医療センター及び荏原病院などの公社病院化に際し、提供する医療の質やサービスが低下しないよう、地域住民が安心して利用できる医療の提供体制を整備するよう、強く要望いたします。
 私が昨年第三回定例会で主張した女性専用外来を初めとする専門外来の設置は、都立病院だけにとどまらず、地域病院と位置づけられる公社化病院にも設置されるべきであります。
 また、小児医療については、行政的医療と明確に位置づけ、都としての取り組みを強化することを要望いたします。
 造血幹細胞移植については、保険の適用対象に造血幹細胞そのものを加えることについて、患者及び骨髄提供者の負担軽減のため、国に働きかけていくことを強く望みます。
 教育の分野では、国語力向上について、子どもたちが読書に親しむ環境づくりに向け、学校、家庭、地域社会等で積極的に取り組む子ども読書活動推進計画を当該年度内に策定するとしたことを評価します。加えて、美しい日本語教育推進校や児童生徒の文芸創作活動に対する支援制度についても、効果的かつ具体的な施策の実現に向けて努力されることを要望いたします。
 本予算案には、都立高校の自律経営推進予算が盛り込まれました。学校経営計画は、数値目標を設定することにより、教育活動の達成状況が明らかになり、都民の目から見ても、学校の取り組み状況が理解しやすくなります。この事業の実施に当たっては、校長に、学校経営における十分な裁量権限を持たせるとともに、経営ビジョンの実現に資するための人事異動要綱を見直し、校長の人事構想をより一層反映させるため、校長の意向を優先できるものとなりました。学校改革を推進する主幹制度については、学校長を中心として、学校を組織的に機能させるため、教職員の協力体制を築きながら、制度の定着に努めるべきであります。
 なお、共産党提案の老人福祉手当条例一部改正条例については、これまで都議会の場で審議の尽くされてきたものであり、この提案は選挙目当てのパフォーマンスとしか思えません。介護保険制度が創設され、今必要なことは、介護予防の施策の充実やひとり暮らしの高齢者などの見守りネットワークの整備とともに、介護保険を育むためのケアサポート体制の充実、痴呆性高齢者グループホームを初めとする介護サービス基盤の整備であり、こうした施策の充実こそが、真の意味での利用者本位の福祉の実現につながるものであります。逆立ちした共産党の提案に断固反対するものであります。
 さらに、共産党の議会対応のあり方について付言いたします。
 二月二十日の予算特別委員会の代表総括質疑において、同党が、都の監査の文書として、訂正前、訂正後なる資料を配布、引用しました。六月発表予定の監査の文書とされるものが、この時点で共産党の手元にあることは極めて不可解であります。いまだ議会への報告がされる前段階での資料をいかなる手段で入手したものなのか。予算審議の公の場で配布し、真偽が定まらない資料であるにもかかわらず、これを議論の俎上にのせ、都政を批判するのは、いかにも卑劣であり、常軌を逸した行為であると断ぜざるを得ません。
 既に、都関係局は「赤旗」に対し、この件に関連して謝罪と訂正記事の掲載を強く要求しているところであり、さらに、このことは予算特別委員会の同党への厳重抗議並びに同口頭報告内容にも明らかであります。
 また、この際、もう一点つけ加えて申し上げます。
 国から繰り返し政治的中立を求められている消費生活協同組合が、国の通知を無視して共産党の選挙運動を展開し、都民の批判を招いていること。さらに、多額な都民の税金が投入されている民医連病院が、患者を人質にするかのように共産党への支持を強要する事例が都内各地で見受けられる点を私たちは指摘したところであります。
 都は、事実関係を把握し厳正に対処すると答弁し、知事は、医に名をかりた不正な政治行為が病院という開かれた公共の場で行われないよう十全の努力をしたいと答弁されましたが、いささかも都民の批判を招くことのないよう、厳正なチェックを重ねて求めるものであります。
 以上で私の討論を終わります。(拍手)

関連記事

カテゴリー

PAGE TOP