平成22年第二回定例会(2010年6月8日)都営住宅の住宅供給について等

平成22年第二回定例会(2010年6月8日)


代表質問

〇六十三番(野上純子君)

 当面する都政の重要課題について、都議会公明党を代表し、知事並びに関係局長に質問します。
 初めに、過日ご逝去されました元東京都知事、名誉都民故鈴木俊一様、並びに名誉都民故青木半治様に対し、謹んで哀悼の意を表するとともに、衷心よりご冥福をお祈り申し上げます。
 一昨年のリーマンショックをきっかけとした戦後最悪の景気後退で、国と地方の税収は急激に落ち込む状況にある中、早急な景気対策と経済成長戦略が求められています。ところが、国は借金に頼り切った財政運営を行っており、将来への展望が見えず、国民の不安を解消するにはほど遠いものがあります。
 一方、東京都は、都議会公明党が強く主張した新公会計制度の導入や事業評価などにより、早くから施策の選択と集中を行い、将来を見据えて堅実な都政運営を行ってきました。その結果、都民の不安を取り除く迅速な対応や、「十年後の東京」の実現に向けた先進的取り組みを実行することができました。
 先般、公明党は、新たな成長戦略を発表し、環境やエネルギー、医療、介護、教育などの分野で重点投資戦略を策定、実行し、成長産業の育成を図ることを目指しています。
 知事は、今定例会の所信表明で、技術を伸ばして日本を新たな成長軌道に乗せる方向を示し、技術戦略のロードマップの新たな作成や世界の上下水道事業への積極的な参画、環境産業の成長促進など、より具体的な方策を示されました。
 東京において展開されようとしている都市戦略について、知事の見解を伺います。
 次に、東京のエネルギー政策への取り組みについて質問します。
 東京都は、国に先駆けて、大規模事業所のCO2削減義務化やキャップ・アンド・トレードを導入し、我が国の地球温暖化政策をリードしています。現在、電力の供給側と需要側双方向の情報通信技術を用いたスマートグリッドや、電力、ガス、熱などのエネルギーを組み合わせたスマートエネルギーネットワークなどが注目されています。
 都は今後、事業所ごとの取り組みにとどまらず、地域単位での再生可能エネルギーや省エネ技術の活用、また都市排熱の再利用など、東京ならではの面的ネットワークの構築を進めるべきであります。知事の所見を伺います。
 都は昨年四月、住宅用の太陽光発電や太陽熱機器の設置について補助制度を設け、利用拡大を進めています。都は国に先駆けて、太陽熱機器の認定制度やグリーン熱証書制度など基盤整備に取り組んできましたが、普及が進んでいません。
 そこで、改めて、国を先導する取り組みを行い、太陽熱機器の普及モデルを提示すべきです。見解を求めます。
 都は、太陽エネルギー以外の再生可能エネルギーの利用拡大にも取り組んでいます。その一つに、昨年七月、大学や民間事業者に波力発電検討会の設置を呼びかけ、検証が行われました。
 また、都は、北海道や東北四県と、再生可能エネルギーの地域間連携を始めました。都は、風力発電などの自然エネルギー資源が豊かな地域からCO2フリーのグリーン電力の供給を受け、低炭素社会づくりを進めます。この四月から、東京駅前の新丸ビルにはグリーン電力の供給が開始されましたが、今後とも、キャップ・アンド・トレードの取り組みと関連して事業の進捗を図るべきです。
 再生可能エネルギーの活用を拡大させていくためには、民間の意欲的な取り組みを促すことが極めて重要と考えますが、都の見解を求めます。
 次に、環境先進都市を目指す東京において、街路灯のLED化は、温暖化対策に資する重要な施策であります。特に、今、話題になっているのが、商店街の街路灯のLED化事業であります。
 商店街を活性化する新・元気を出せ商店街事業の中の街路灯LED化事業は、都が直接五分の四助成することから、昨年度急激に実績が上がりました。都は、当初予算が八億円でありましたが、街路灯の新設を要望する商店街が著しく増加したため、国の地域活性化・経済危機対策臨時交付金十億円を追加し、商店街からの要望にすべてこたえました。今年度はさらに商店街からの要望がふえることが予想されることから、都は、LEDランプの交換に重点化し、六月一日から受け付けを行いましたが、八十七件を受け、一日で終了しました。
 我が党は、この課題について、ことしの予算特別委員会でも取り上げましたが、現政権では、昨年度のような臨時交付金は期待できません。そこで、都は、受け付けをした商店街に対してはすべてに対応するよう事業を進めるべきであります。見解を求めます。
 また、今年度の補助対象はLEDランプへの交換に重点化されたため、街路灯の支柱部分の交換や新設は対象外とされました。老朽化した街路灯の新設を希望する商店街に対しては、国の新たな補助事業を活用することが可能になったことから、都としても、制度の周知を図り、商店街に対して支援を行っていくべきと考えますが、見解を求めます。
 次に、東京の新たな企業戦略について質問します。
 厳しい経済環境が続く中、東京の中小企業が経営の活路を見出す効果的な方策として、海外に目を向けた販路拡大があります。
 昨年の第四回定例会において、都議会公明党は、現地での販路開拓に対し、専門家の支援の必要性を主張いたしました。これを受けて、都は、今年度から新たに海外販路開拓支援事業を立ち上げ、海外販路ナビゲーターが海外取引を希望する中小企業を後押しすることになりました。
 そこで、海外販路開拓支援事業をさらに積極的に展開するため、販路拡大を目指す海外に専門の拠点を設けて、中小企業を支援すべきであると考えます。見解を求めます。
 次に、東京の繁栄と国際競争力の向上に関し質問します。
 地球規模で展開される都市間競争において、より魅力的で創造的な人や企業を世界じゅうから引きつける力こそ、都市の総合力であります。この観点に立ち、都市研究に関する世界的権威であるピーター・ホール卿を初めとする学識者が、昨年十月、世界の主要都市の総合力を評価し順位づけをいたしました。東京は、総合ランキングで、ニューヨーク、ロンドン、パリに次ぐ第四位、トップスリーは逃したものの、三都市に比べて、世界のトップ企業が集積していること、研究者の多さや研究開発費が豊富なことが強みであることが明らかにされました。
 一方で、東京の弱みは、都心から国際空港までのアクセスが悪いこと、高い法人税であります。これらが克服されれば、東京が世界のナンバーワン都市になることも不可能ではありません。
 幸い東京には、ことし十月本格的な国際化を迎える羽田空港があります。加えて、昨年七月、都は、目指すべき都市像や戦略を示した東京の都市づくりビジョンを改定し、品川、秋葉原に次ぐ新拠点に羽田を指定しました。
 羽田を活用した新たな都市づくりについて、知事の所見をお伺います。
 ところで、羽田と臨海副都心は、ともに関東平野全体を視野に置いた環状メガロポリス構想の中核拠点に位置づけられており、相互に連携、機能分担しながら首都東京の国際競争力を高めていくことが重要です。
 例えば世界規模の物流拠点の整備や都税減免による外資系企業の誘致、世界市場を視野に入れた高度医療の提供など、より具体的な取り組みを進めるべきです。
 羽田新拠点の形成及び臨海副都心との連携について、見解を求めます。
 次に、震災対策について質問します。
 阪神・淡路大震災からことしで十五年を迎えました。これまで都は、首都直下型地震に備え、耐震改修促進計画を策定し、平成十八年度から二十七年度までの十年間で、住宅の耐震化率九〇%を目指し、今年度中には八二%の耐震化率を目標としています。
 しかしながら、意識の低さや高額な改修費用の負担などが計画の進展を妨げています。我が党は、費用負担の面から、安価で信頼できる簡易耐震改修を提案しましたが、これも伸び悩んでいます。
 そこで、本年度が折り返しの中間地点という機会をとらえ、耐震化の現状について検証するとともに、審査の弾力化や手続の簡素化など、都民が活用しやすい助成制度に改善すべきです。見解を求めます。
 次に、高層マンションの防災対策について質問します。
 高層建築物の耐震技術の発展と都心特有の土地有効活用の観点から、高さ六十メートルを超える超高層マンションが近年急激にふえています。いざ震災が発生すると、エレベーターの停止や閉じ込めなど、地上との行き来が困難になる、いわゆる高層難民が大きな課題となります。
 二〇〇五年七月に発生したマグニチュード六・〇の千葉県北西部地震では、首都圏のエレベーター約六万四千台が停止し、完全復旧までに約二十四時間かかりました。こうしたときに役立つのが、高層フロアに設けられた防災倉庫です。水や食料などの生活必需品や医薬品、救出用具、避難用具を確保することで、災害時の備えになります。
 こうしたことから、高層マンションが集中する中央区や豊島区などでは、条例や要綱で防災倉庫の設置を義務づけ、数日間生活ができるよう対策を行っています。
 都としても、このほど総合設計許可要綱を改正し、防災性向上に関する新たな評価項目として、割り増し容積率を加算できる仕組みを導入しました。
 そこで、高層マンションの防災性を高めるには、各区市の取り組みが重要であります。防災倉庫の設置を条例等で定めている区は、まだわずかです。都は、各区市と連携を図り、総合設計許可要綱の周知を行い、防災倉庫の設置を促していくべきであります。見解を求めます。
 さらに、高層マンションは、中低層マンションとは違った避難行動、避難対策が求められるため、高層用の避難対策マニュアルが必要です。
 そこで、民間事業者や区市だけに任せるだけでなく、都も積極的に避難対策や防災訓練に取り組むべきです。見解を求めます。
 次に、大規模水害対策について質問いたします。
 本年四月、国の中央防災会議は、大規模水害対策に関する専門調査会の最終報告の中で、豪雨で大河川の堤防が決壊した場合、利根川流域で最大約六千三百人、荒川流域で最大約三千五百人の死者数が想定されると公表しました。
 ここで留意すべきことは、利根川、江戸川の中下流域の河川整備は、八ッ場ダムを含む上流ダム群の完成を前提として行われてきたことであります。とりわけ八ッ場ダムの治水容量は六千五百万立方メートルであり、これは、利根川上流の矢木沢、奈良俣、藤原、相俣、薗原の五つのダムの合計七千九百八十四万立方メートルに匹敵します。この極めて重要な洪水調整機能を持つ八ッ場ダムができないとなると、中下流域の洪水時の水位を下げることができず、被害のリスクは飛躍的に高まります。
 そこで、利根川ダム群の中で最も大きな治水容量を持つ八ッ場ダムの必要性について、都技監の見解を求めます。
 また、報告では、地球温暖化に伴う海面上昇による高潮でこうむる人的被害を初めて試算し、室戸台風級の台風が東京湾を襲った場合、沿岸部で最悪七千六百人の死者が出ると想定しました。
 しかし、ここでも、はんらん想定の条件に大きな問題があります。高潮浸水被害は、海岸と河川の両方から発生するにもかかわらず、本報告では、河川からの高潮浸水は考慮されておりません。
 二〇〇五年、死者数千八百三十三人を出したニューオーリンズでのハリケーン、カトリーナ災害は、計画を超える高潮の運河遡上によるはんらんが要因でした。
 同様の地形である東部低地帯は、大きな河川と支川などが縦横に流れ、過去たびたび高潮水害に見舞われています。河川高潮の浸水を考慮した被害想定の対策が必要不可欠であります。
 そこで、大規模水害対策について、三点質問します。
 まず第一点は、河川からの高潮浸水が考慮されていないことでありますが、都内での海岸の水門、排水機場は二十三カ所、それに比べ、河川の水門、排水機場等は六十二カ所もあり、河川からの浸水被害の影響は、海岸より大きくなると想定されます。したがって、河川高潮におけるはんらん状況と想定される被害を検討すべきであります。
 都は、国に対し、河川高潮のシミュレーションを行うよう主張すべきであり、国が対応しないのであれば、都は、みずから河川高潮シミュレーションを実施すべきであります。見解を求めます。
 第二に、排水ポンプ、水門等の機能の確保は、浸水継続時間の減少、避難者数の減少等につながります。洪水、高潮により水没する可能性がある金町、三郷浄水場や江東デルタ内の下水の排水ポンプ、電気系統の機能を確保するため、隔壁設置などの水防対策を実施すべきであります。見解を求めます。
 第三に、避難所指定されている東部低地帯内の都立公園の一部は、水没エリアになっている点です。報告では、小中学校等の建物の上階やスーパー堤防等の高台に一時避難した後で、広域避難先へ移動することを検討しておく必要があるとしております。
 そこで、水没エリアの都立公園の高台化など、水害時の一時避難先を確保するため、地域防災計画を見直すべきです。見解を求めます。
 次に、住宅行政について質問します。
 これまで都議会公明党は、若年ファミリー世帯の募集拡大やバリアフリーの進展など、都営住宅を活用し、子育てや介護に適した住環境の整備に取り組んできました。今後は、都営住宅の入居基準所得を超える子育て世帯や高齢者世帯に対しても、適切な住宅供給が大切です。
 都は、本年五月、都議会公明党の要望にこたえて、子育てに配慮した住宅のガイドブックを公表しました。
 子育て世帯では、広い居住空間を必要とします。しかし、そうした住宅の家賃は極めて高くなるのが一般的で、中堅所得層にとって入居が困難です。また、別の理由から、都営住宅の入居基準所得を超える高齢者世帯が、民間賃貸住宅への入居を断られるケースがあります。
 そこで、今後、住宅供給公社を活用し、中堅所得層を対象に、子育てや介護に適した、比較的安くて良質な賃貸住宅を整備していくべきです。見解を求めます。
 また、こうした住宅を供給するためには、老朽化した住棟の建てかえが必要です。今後改めて、建てかえの推進に向け取り組みを強化すべきと考えます。見解を求めます。
 一方、公社住宅の建てかえを進める上では、住み続けられる家賃を維持することが重要です。公社住宅には、年金生活者など都営住宅の基準所得を下回る入居者もいます。今後、公社住宅の建てかえに際しては、低所得居住者への配慮と丁寧な対応に努めるべきです。見解を求めます。
 なお、公社住宅に居住する低所得者については、都営住宅制度の柔軟な適用と連携の強化を今後の課題として要望いたします。
 続いて、都営住宅について質問いたします。
 まず、都営住宅においては、都議会公明党の要請にこたえ、若年ファミリー世帯や高齢者に配慮した改善が進みつつあるものの、一方では、余りにも居室面積が狭く、子育てや介護に適さない住棟が残っています。
 そこで、今後の建てかえに際しては、子育てや介護への配慮を初め、さまざまな都民ニーズに適切に対応できるよう、余裕のある間取りなどを工夫すべきです。見解を求めます。
 また、居住者の高齢化に対応して、巡回管理人の業務や共用部分の経費のあり方を幅広く検討する方針が、さきの第一回定例会で、我が党の代表質問に対し示されました。
 都営住宅のコミュニティ機能を支援する仕組みづくりについて、現在の検討状況と今後の具体的な見通しを求めます。
 一方で、既存の都営住宅へのエレベーターの設置も重要な課題です。現在の基準では、一定規模以上の住棟に限ってのエレベーター設置となっています。しかし、基準に満たない小規模住棟であっても、バリアフリー化は必要です。したがって、階段室型住棟に設置している小型のエレベーターを、今後は基準に満たない廊下型住棟にも設置していくべきと考えますが、見解を求めます。
 都は、平成十六年に東京都特別支援教育推進計画をスタートさせ、来年度はいよいよこの推進計画の総仕上げともいうべき第三次実施計画が展開されます。
 そして、この間の顕著な課題は、発達障害や知的障害がある児童生徒がこの十年間で約一万人も増加していることです。とりわけ発達障害児は、すべての小中学校に在籍すると推測され、在籍校における支援体制の整備や特別支援学級の教育内容、方法の充実が求められています。
 そこで、今後は、すべての小中学校において、適切な特別支援教育を受けることができるよう、第三次実施計画において、発達障害児に対する支援体制の整備や特別支援学級の教育力の向上に向けた方策を打ち出すべきであります。見解を求めます。
 また、都立特別支援学校においても、ここ十年間で在籍者数が約二千九百人増加しています。そのため、各学校では教室不足が慢性化しており、教育活動に影響があるなど、さまざまな問題が発生しています。
 そこで、第三次実施計画において、都立特別支援学校の新設を行い、子どもたちがゆとりを持って学習できる教育環境の整備に取り組むべきであります。見解を求めます。
 次に、特別支援教育における職業教育についてですが、都は、軽度知的障害の生徒を対象とした高等部職業学科の設置を進め、現在までに三校が開校されました。
 この中の都立永福学園では、本年三月に初めての卒業生を出し、大変な就職難の中にあっても、企業就労率は九四%という実績を残しました。しかし、一方では、高等部職業学科の募集定員が限られていることから、今年度、永福学園では、定員百名に対し選考倍率が二・四五倍となり、百四十五名は希望がかないませんでした。
 そこで、都は、より多くの子どもたちが、職業的な自立に向けて専門的教育を受けることができるよう、各特別支援学校高等部に職業学科の設置を進めるべきであります。見解を求めます。
 次に、特別支援学校における放課後等の子どもたちの居場所づくりについてですが、都議会公明党の主張に対し、都は、平成二十年、二十一年度でモデル事業を実施し、その成果を踏まえて、今年度からは放課後子ども教室として本格実施を行うとしています。
 そこで、今後、具体的な事業を着実に実施するとともに、第三次実施計画の中に放課後等の居場所づくりの推進を明記するべきであります。見解を求めます。
 次に、病院内教育について質問します。
 現在、都内の病院には、入院治療を受けながら教育を受けている子どもたちが年間約四百人おり、特別支援学校から教員を派遣することにより、教育の機会を保障しています。こうした病院内での教育は、治療期間や健康状態等に配慮しながら授業を行いますが、現状では、教員配置等の関係から難しい状況にあり、子どもや保護者からは、病院内教育の充実を求める声が高まっています。
 そこで、都は、今後、病気と闘う子どもたちが、退院後に安心して地域の学校に戻ることができるよう取り組むべきです。見解を求めます。
 次に、教育相談の充実について質問します。
 学校現場で心理カウンセリングでの中心を担っているスクールカウンセラーは、現在、都立高校には百九十二校中六十校に、中学校には六百三十五校すべてに、そして小学校には千三百十一校中百三十二校に、それぞれ配置されています。しかし、いずれも週一回であり、児童生徒や保護者、教職員の期待に十分こたえられていません。
 配置が限定的になっている最大の理由は、国からの補助金が二分の一から三分の一に縮減されたことであります。加えて、社会全体として臨床心理士など専門家のニーズが高く、質の高い人材を学校現場だけに集中させるのは困難との背景もあります。
 国の方針は、不登校などの相談事例が最も多い中学校に最優先で配置することを定めていますが、その中学校でさえ、冒頭述べたとおり、週一回にとどまっています。今後、都は、全中学校のスクールカウンセラーの常駐化を目指すべきです。
 一方、スクールカウンセラーと並んで、学校現場での心理相談にはアドバイザリースタッフ制度があり、臨床心理学、精神医学の専門家が都教育相談センターに所属し、現在、四十七名が学校長の求めに応じて派遣されています。
 本制度は、事件、事故が起こったときの緊急対応が基本となっていますが、スクールカウンセラー制度と相互連携し、より効果的な運用を図るべきです。見解を求めます。
 次に、障害者の入所施設、生活の場の整備について質問します。
 都は、障害者の入所施設の定員の総枠を平成十七年時点で七千三百四十四人と定め、今も変更していません。
 平成十七年の時点で、都は入所待機の障害者数を約千二百人と推定していました。そのうち、約六百人の重度障害者が平成二十三年度までに施設に入所し、残りはグループホームまたはケアホームでの生活が可能になると都は見込んでいます。しかし、そのためには、グループホーム等が平成十七年との比較で倍増することが前提となります。
 そこで、現在のグループホームの整備状況と今後の見通しについて見解を求めます。
 次に、関係者からは、待機者数が今後さらにふえていくのではという懸念の声が聞かれます。確かに、特別支援学校・学級に通う知的障害者は増加しています。したがって、入所定員の総枠を七千三百四十四人に抑えるとの方針は、見直しを図る必要があります。
 都は、今後、島しょも含めた身近な地域での定員増や、環境のよい都外の入所施設の積極的な活用を図るべきです。見解を求めます。
 既に、待機者の家族の高齢化が深刻です。親なき後を心配する保護者の願いにこたえ、都は、改めて、待機解消に向けて調査分析を行い、対策を進めるべきと考えますが、見解を求めます。
 なお、都外施設における地域移行の場合、地域とは、住みなれた都外施設の周辺を意味します。
 そこで、都外施設の周辺にグループホーム等の整備が必要となる場合には、利用者の都民の数に応じて、都は負担を行うべきと要望しておきます。
 次に、うつ病対策について質問します。
 うつ病の患者は、厚生労働省の平成二十年患者調査によると、全国で約七十万四千人に上り、受診をしていない患者を含めると二百八十万人を超えると推計されております。
 都は、現在、都立精神保健福祉センターなど三施設を中心に、うつ病患者や家族に対する相談事業や就労復職支援プログラム等を実施しております。
 また、医療面では、うつ診療充実強化研修を実施しているほか、ことし四月から健康保険の対象となった認知行動療法の医師研修も行われることになりました。
 しかし、うつ病患者の増加に対応するには、国、東京都ともに、十分な対策が講じられているとはいいがたいのが現状であります。うつ病は、早期発見と的確な早期治療によって、回復が見込まれる疾病といわれています。
 そこで、まず、早期発見の観点から重要なことは、うつに対する都民への意識啓発です。うつ病は、他の精神疾患や内科分野の疾病と似た症状を示すことも多いことから、発見しにくいといわれております。
 しかし、うつ病の身体的症状に対する認識が都民に普及することにより、早期発見の可能性が広がります。パンフレット、チラシ、ポスターや講演会等による広報、意識啓発活動を積極的に展開すべきと考えます。見解を求めます。
 次に、早期治療対策についてであります。
 うつ病の可能性のある人が最初に診療を受ける場合、内科を受診するケースが多く、うつ病の診断がおくれがちになっています。
 そこで、内科等からうつ専門医師への円滑な紹介を可能とする情報提供体制を整備すべきです。見解を求めます。
 また、うつ病が離職や休職、休学等の大きな要因となり、社会復帰支援策の充実強化も大事であります。適切な治療によって病状が快方に向かい、あるいは回復した人がスムーズに社会復帰できるようにするためには、医療部門と就労、就学支援部門等との連携が重要であります。
 うつ病は、医療、教育、家庭、就業など幅広い分野へ影響を及ぼします。単なる疾病対策としてのうつ病対策ではなく、都の関連部門による連絡会議を設置し、総合的な対策を講じるべきです。都の見解を求めます。
 次に、若年性認知症について質問します。
 六十五歳未満の現役世代の認知症である若年性認知症は、発症した場合、医療や介護のみならず、就労も含め、多岐にわたる課題が生じる深刻な病気です。高齢者の認知症と異なり、一家の大黒柱が職を失うことは、本人が社会的な居場所を失うだけでなく、家族も経済基盤を失い、深刻な生活苦に陥ります。
 現在、若年性認知症の方が受けられる支援制度としては、障害年金や自立支援医療費制度、介護保険制度など多岐にわたりますが、若年性認知症の家族は、どこに相談したらいいのか全くわからない場合が多いと聞きます。現在、都内の専門相談窓口は極めて少ない状況です。
 そこで、身近な地域で相談が受けられるよう制度を整備すべきです。見解を求めます。
 次に、新銀行東京について質問します。
 先月発表された新銀行東京の平成二十一年度決算は、十五億円の黒字を計上するとともに、純資産は、再建計画を大幅に上回る四百九十億円となっております。
 今回の決算により、追加出資した四百億円の資本を毀損させないとした都議会の付帯決議が守られていることは明らかであります。これまで、四百億円の追加出資については、どぶに捨てることになりかねないという一部会派の主張がありましたが、この決算結果から、全く根拠のない無責任ないいがかりにすぎないことが明らかになりました。
 公明党は、今後とも追加出資の四百億円が保全され、有効に活用されることが重要であると考えております。
 新銀行東京の平成二十一年度決算について、追加出資の効果と都の評価について見解を求めます。
 次に、外郭団体改革について質問します。
 我が党は、石原都知事の誕生以前から都の行財政改革を主張し、外郭団体、中でも監理団体について改革を進めてまいりました。その結果、現在の監理団体数はかつての半数となり、役員の退職金を全廃し、隠れ職員定数と指摘されてきた派遣職員数も大幅に削減させてきました。
 そこで、次なる改革は報告団体であります。周知のとおり、都の外郭団体には、監理団体とは別に報告団体があります。
 報告団体は、都からの財政支援が少なく、みずからの経営責任のもと自主的な経営を行う団体であるため、都は、監理団体のような特別な関与を行わず、運営状況の報告を受けるだけとなっており、所管局が事業執行を進める中で適切に指導することを原則としております。
 しかし、報告団体を個別に見ますと、非常に多様であり、時代の変化とともに、事業内容、都との関連の度合い等も変わってきており、透明性を高めていく必要があるものも出てきております。また、所管局の指導だけにとどめておくと、天下りの温床などと、あらぬ誤解を招く場合もあります。
 我が党は、このような間違った認識を正していくためにも、報告団体について、都が率先して団体の特性や都との関連性等を精査し、意義づけを明確にすべきと考えます。見解を求めます。
 次に、スポーツ振興について質問いたします。
 今定例会において、スポーツ振興局設置の組織条例の改正案が提出されました。国に先駆けてスポーツ振興局を設置することは、青少年の健全育成と健康増進のため、スポーツ振興施策に取り組み、政府にスポーツ庁の設置を働きかけてきた我が党としても賛成するものであります。
 都は、平成二十年に東京都スポーツ振興基本計画を策定し、都民のだれもが、いつでもスポーツを楽しむことができる社会の実現と、スポーツの都市戦略化というコンセプトを掲げました。
 スポーツ振興局の設置に当たっては、スポーツを通して、東京の新たな魅力を発信していくべきと考えます。知事の見解を伺います。
 あわせて、生涯スポーツ社会の構築と国際競技力の向上を東京が先導するとともに、子どもから高齢者まで、だれもがスポーツに親しむことができる施設づくりと環境整備が重要です。見解を求めます。
 最後に、東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例について申し上げます。
 昨日、幼稚園、小学校、中学、高等学校のPTAの代表の皆様が、改正案の早期成立を求める四万五千件にも上る署名を議長に提出し、その後、都議会公明党にも要請に来られました。PTA代表の皆様方の切実な思いを前に、改めて本定例会で改正案を成立させなければならないという強い責任を感じました。
 都議会公明党は、自民党とともに、民主党、共産党、生活ネット・みらいの皆様にも賛同いただけるように、改正案の抽象的でわかりにくい表現を改め、さらに、条例が拡大解釈されたり、規制がひとり歩きする可能性の歯どめとして、本制度の施行状況を三年経過後に検討の上、必要な措置を講じることを附則に盛り込む修正案を作成いたしました。
 民主党、共産党、生活ネット・みらいの皆様も、都民の負託を受けた都議会として、良識ある判断をされ、修正案に賛同されることを強く求め、私の代表質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)

   〔知事石原慎太郎君登壇〕

〇知事(石原慎太郎君)

 野上純子議員の代表質問にお答えいたします。
 まず、今後の都市戦略のあり方についてでありますが、日本の頭脳部、心臓部として発展してきた東京を、より高い次元へと成長させ、次の世代に継承するためには、地球環境問題や少子高齢化の進行など、さまざまな課題に的確に対応していく必要があります。
 ゆえにも、都市戦略として「十年後の東京」計画を策定し、そこで示した近未来図の実現に向け、既存の枠組みに横ぐしを通して隘路を打ち破る、実効性のある政策を展開してまいりました。
 例えば環境分野では、本年四月から、世界初の都市型キャップ・アンド・トレード制度を開始し、中小企業への省エネ設備の導入支援や、住宅分野への太陽エネルギー利用機器の普及にも努めてまいります。
 また、環境、医療、福祉など成長が期待される分野では、技術開発から実用化までの道筋を明らかにした技術戦略ロードマップを策定し、製品開発に取り組む企業への支援を開始しております。
 東京には、多種多才な人材、斬新な技術を持ち投資意欲にあふれた企業、進取の精神に満ちたNPOなどが集積しております。
 日本の持てる力もいろいろありましょうが、最も強力な日本の力というものは、私は技術の開発力だと思います。ただ、残念ながら、今までも国策としてそれを束ねて推進し、商品化し、外国に売り込むという努力は、いささか足りなかったような気がいたしますが、いずれにしろ、こうした東京という現場にある英知と力を結集しながら、常に十年先を見据えて、強みを伸ばし弱みを打破する、重層的、複合的な施策を戦略的に展開することで、東京を二十一世紀に真にふさわしい、成熟を果たした都市へと進化させていきたいと思っております。
 次いで、東京のエネルギー政策についてでありますが、気候変動の危機を回避するためには、再生可能エネルギーや未利用エネルギーを、最大限活用する低炭素型社会への転機を急がなければならないと思います。多量のエネルギーを消費する大都市こそ、こうした転換を指導する必要があります。これが都市の持つ歴史的な使命だと思いますが、都はこうした観点から、太陽エネルギーの導入に積極的に取り組むとともに、地域におけるエネルギー有効利用計画制度を創設し、都市排熱などの活用も含む、面的なエネルギー利用へ向けた取り組みを開始しております。
 今後とも、二酸化炭素の大幅な排出削減を実現するために、東京から先駆的エネルギー政策を展開し、低炭素型社会への転換を先導していきたいと思っております。
 次いで、羽田を活用した都市づくりについてでありますが、東京を、国際的な都市間競争に打ち勝つ都市にするには、都市の機能を向上させ、より魅力的な都市につくりかえていくことが肝要であります。
 お話のランキングにおいても、東京は、その都心から国際空港までのアクセス時間が極めて大きいということが弱点とされていますが、これは、国際空港としております成田空港を使う現況を前提としたものでありまして、羽田空港は、これは極めて都心に近く、再拡張、国際化によって、世界の大都市の中で比類のない便利な国際空港になると思います。
 ちなみに、ロンドンのヒースロー空港は都心から二十五キロ、ニューヨークのJFK空港も二十五キロ、パリのドゴールも二十五キロ、比べて成田は六十キロでありますが、羽田は二十キロ未満であります。この強みをさらに生かすために、都心とのアクセス性の向上にとどまらず、首都圏三環状道路の整備などを進め、首都圏全体との結びつきを強めることが重要であると思います。このことによって、ビジネス環境の改善や高付加価値物流の効率化など、人や企業を世界じゅうから引きつける力を一層高めることが可能になると思います。
 羽田空港が、将来にわたって、首都東京の活力を高めるインフラとして十分に機能するよう、国際空港機能のさらなる強化とあわせて、広域的な交通ネットワークの整備など、東京の都市づくりを一層進めていきたいと思っております。
 次いで、スポーツ振興局の設置と東京の活力についてでありますが、スポーツは、他者との厳しい競い合いの中での切磋琢磨の経験を通じて、子どもたちの心身の健全な育成を促すほか、高齢化が急速に進む中、スポーツを通じた健やかな生活を実現することなどによって、すべての人々に夢や希望や、かつまた力を与えていくものと思います。
 このごろ、どういう魂胆か知りませんが、子どもの徒競走に、差別をしないために、ゴールの寸前でみんなで手をつないで一緒にゴールインするなんて、ばかげたことが行われていますが、こんなものはスポーツの効用を全く無視した、実に愚かな試みでしかないと思います。
 そういったものに対する反省も含めて、スポーツを強化することは、私は、弱体化が伝えられている日本の若い世代を心身ともに強いものにしていく。オリンピックでも、国を背負って本当に激しく戦うことができる基礎体力を備えた国民をつくっていく大きなよすがになると思います。
 また、東京マラソンを初めとする国際イベントは、歴史と文化の堆積を持つ東京に新たな魅力を付加し、首都東京のプレゼンスを高める絶好の機会となっております。都はこうしたスポーツの重要性にかんがみまして、招致活動のレガシーを今後のスポーツ振興に反映させるとともに、三年後に控えた東京国体の開催準備の本格化に対応する観点から、国に先駆けて、スポーツ振興局を設置することにいたしました。
 局設置を契機に、改めてソフト、ハードの両面からスポーツ振興策を総合的、体系的に推進し、スポーツ振興を起爆剤として、首都東京の活力を一層高めていきたいと思っております。
 他の質問については、教育庁、東京都技監並びに関係局長から答弁いたします。

   〔教育長大原正行君登壇〕

〇教育長(大原正行君)

 六点のご質問にお答え申し上げます。
 まず、発達障害児への支援体制の整備と特別支援学級の教育力の向上についてでございます。
 都における発達障害のある児童生徒の教育は、週数時間の特別な指導を行う通級指導学級を中心に実施しておりますが、通級指導学級は、すべての小中学校には設置されていないために、児童生徒の通学負担や、学級担任と通級指導学級教員との緊密な連携が図りにくいといった課題がございます。
 そのため、東京都特別支援教育推進計画第三次実施計画では、通級指導学級の指導内容の充実を図りますとともに、すべての小中学校における発達障害のある児童生徒に対する支援体制の整備に努めてまいります。
 また、特別支援学級で学ぶ児童生徒が、より質の高い教育を受けることができるよう、特別支援学校と小中学校との連携を一層強化し、特別支援学級の教育力の向上を支援してまいります。
 次に、特別支援学校における教育環境の整備についてでございます。
 都教育委員会では、平成十六年に策定した第一次実施計画及び平成十九年に策定した第二次実施計画に基づき、特別支援学校における普通教室の計画的な増設や、都立学校跡地等の活用による新たな学校の設置に取り組んでおります。
 一方、平成十九年の学校教育法の改正により、特別支援教育が本格的に始まり、保護者の障害に対する理解や特別支援教育への関心が高まる中で、特に、知的障害特別支援学校に入学する児童生徒数は当初の予想を超えて増加しており、教室の確保など、教育環境の整備が急務となっております。
 現在、障害のある児童生徒数の将来推計を実施いたしますとともに、各学校の教室の利用状況を調査し、児童生徒の増加に対応した教室確保策の検討を進めております。
 第三次実施計画においては、地域バランスに配慮した学校の再編整備や通学区域の調整、校舎の増改築など、さまざまな方策を具体化し、今後の児童生徒の増加に対応した教室の確保に努めてまいります。
 次に、知的障害特別支援学校高等部における、職業的な自立に向けた専門的な教育の実施についてでございます。
 障害のある児童生徒の自立や社会参加に向けて、一般就労を目指した職業教育や就労支援を充実させることは、特別支援教育の重要な課題でございます。
 都教育委員会では、第一次、第二次実施計画において、小学部からの段階的な職業教育の充実や福祉、労働等の関係機関や民間企業関係者と連携した就労支援に取り組みますとともに、知的障害の程度が軽い生徒を対象として、生徒全員の一般就労を目指す高等部職業学科の設置を五校計画化し、これまで三校を開校いたしました。
 今後も、知的障害の程度が軽い生徒の増加が見込まれますことから、第三次実施計画では、既設の知的障害特別支援学校高等部に職業学科を併設することや、教育内容、方法の改善を図るなど、一般就労を目指した職業教育の一層の充実を図ってまいります。
 次に、都立特別支援学校における放課後等の居場所づくりについてでございます。
 平成二十年度から二年間実施いたしましたモデル事業の成果を踏まえ、大塚ろう学校及びあきる野学園の二校において、今年度から、国庫補助事業を活用し、区市町村の小学校と同様に放課後子ども教室を実施しております。
 モデル事業では、放課後等に実施した多様な体験活動に児童生徒が参加し、社会性が身についたり、興味関心、意欲、積極性が高まるなどの効果があらわれております。
 一方、放課後子ども教室を実施する学校をふやしていくためには、児童生徒の障害の種別や程度に対応できる多くの支援者の確保など、実施体制の整備が課題となってまいります。このため今年度は、六校で特別支援学校における放課後等活動支援推進事業を実施し、実施体制の確立に向けた支援を行い、順次、放課後子ども教室への移行を目指してまいります。特別支援学校の児童生徒が、放課後等に多くの人々と交流しさまざまな体験をすることは、自立と社会参加を促す上で大変有意義でございます。
 今後、第三次実施計画において、特別支援学校における放課後子ども教室の実施及び放課後子ども教室への移行を目指す取り組みを計画化し、放課後等の居場所づくりを着実に推進してまいります。
 次に、病院内教育のより一層の充実についてでございます。
 病院内教育は、病気やけがにより長期入院している児童生徒に、学習機会を確保するとともに、入院期間中の学習意欲の維持や退院後の学校生活への円滑な復帰などを支援するために行っているものでございます。
 都立特別支援学校では、病院内教育を、病院内に設置した分教室と、近隣の特別支援学校から教員をベッドサイドに派遣する訪問教育の二通りの形態で行っております。
 訪問教育では、拠点となる特別支援学校十校程度が全都に分散をしておりますために、各学校で教科ごとの教員の確保が困難なことや、児童生徒数は入退院により変動しますが、教員数は年度当初に配置された人数で固定されておりますために、児童生徒が多い時期には十分な授業時数を確保することが難しくなるといった課題もございます。
 そのため、第三次実施計画においては、各教科の教員をより効果的に配置し、活用を図りますとともに、指導方法の改善を進めるなどして、病院内教育の一層の充実に努めてまいります。
 次に、スクールカウンセラーとアドバイザリースタッフの連携協力についてでございます。
 スクールカウンセラー制度は、不登校やいじめなど、日常の学校生活における子どもたちの心の悩みに対する相談活動を行うことを目的としております。一方、アドバイザリースタッフ制度は、事件、事故が起こったときに、児童生徒や教職員及び保護者の心のケアと、落ちついた学校生活を取り戻すための緊急支援を基本としております。
 アドバイザリースタッフとスクールカウンセラーとが、それぞれの立場から学校の健全育成上の課題の解決に当たっておりますが、事件、事故に至らないまでも、子どもの心のケア等の必要性が高い場合には、アドバイザリースタッフを学校からの要請に応じて派遣し、支援する必要があることから、お話のように、今後、アドバイザリースタッフとスクールカウンセラーが相互に連絡調整しながら、より効果的な相談を行うことができる体制の充実を図ってまいります。

   〔東京都技監河島均君登壇〕

〇東京都技監(河島均君)

 都市整備に関する十点のご質問にお答えいたします。
 まず、羽田新拠点の形成についてでございますが、都は、昨年七月に改定した都市づくりビジョンにおいて、再拡張、国際化される羽田空港が今後の東京の活力に極めて大きなインパクトを与えると考えられることから、跡地を含む羽田を、多様な機能を備えた複合拠点として育成する新拠点に位置づけました。この羽田の新拠点の形成に当たりましては、空港跡地の利用を早期に進め、国際空港に隣接する地区にふさわしい機能の導入を図っていく必要がございます。
 また、現在、整備が進められている国道三五七号東京港トンネルなどにより、一層結びつきが強まる臨海副都心とも連携していくことが効果的でございまして、こうした立地特性を踏まえて、ご提案のような機能についても今後検討を加えてまいります。
 現在、国、都、地元区から成る羽田空港移転問題協議会、いわゆる三者協において、必要な基盤整備やまちづくりの進め方などを明らかにする羽田空港跡地まちづくり推進計画の策定を進めておりまして、この夏にも素案を公表する予定でございます。
 今後とも、世界に開かれたにぎわいのある新拠点の形成に向け、積極的にまちづくりを進めてまいります。
 次に、耐震化の促進についてでございますが、都は、地震による建築物の倒壊等の被害から都民の生命と財産を守るため、平成十八年度に建築物の耐震改修を計画的かつ総合的に促進することを目的に、耐震改修促進計画を策定いたしました。今年度は、計画期間の半ばに当たることから、区市町村の取り組み状況や住宅に関する統計調査など幅広い情報に基づき、進捗状況などを把握するとともに、現在取り組んでいる施策の効果を総合的に検証し、今後の取り組みに反映させてまいります。
 また、助成制度についても一層の活用を図るため、建築物の実態に応じた弾力的な運用や審査期間の短縮化が図られるよう、手続の窓口である区市へ働きかけてまいります。都としては、引き続き耐震化施策を強力に推進し、災害に強い東京の実現に向けて積極的に取り組んでまいります。
 次に、高層マンションの防災対策についてでございますが、総合設計制度を活用して建設されるような超高層マンションにおいては、大規模な地震の発生後、自立した生活を確保するために、居住者用の防災備蓄倉庫を設置することが有効であります。
 そこで、都は、本年四月、総合設計許可要綱を改正し、地元区市の条例等に基づき、居住者用の防災備蓄倉庫を設置する場合に、容積率の制限を緩和することといたしました。現在、業界団体に対する説明会等を通して改正内容の周知に努めており、今後とも区市と十分連携し、居住者用の防災備蓄倉庫の整備が進むよう取り組んでまいります。
 次に、八ッ場ダムの必要性についてでございますが、首都圏を流れる利根川流域には、洪水時の想定はんらん区域が大きく広がり、国の資料によれば、ここに約四百五十万人の人口と、約五十兆円の資産が集中しております。利根川の堤防が仮に決壊した場合には、お話にあった中央防災会議報告のように甚大な被害が予想されておりまして、水害に対して安全な首都圏を形成するため、治水対策に粘り強く継続的に取り組むことが不可欠でございます。
 八ッ場ダムは、利根川上流域にある既存六ダムの合計の約六割に相当する大きな治水容量を持ち、また、これまで洪水調節施設がなかった吾妻川流域に初めて建設される極めて重要な施設でございます。また、八ッ場ダムが完成すれば、利根川上流の三流域すべてにダムが整備されることになり、既存ダム群と相まって洪水調節を効果的に行うことが可能となります。これらによって、利根川全川にわたって洪水時の水位を低下させて、堤防決壊のリスクを軽減することができるようになるのであります。
 国は、昨年、有識者会議を設置して、できるだけダムに頼らない治水対策のあり方を検討しております。しかしながら、八ッ場ダムの治水に関する具体的な検証内容や検証スケジュールは明らかにされておらず、利根川流域における治水安全度を向上する取り組みは放置されたに等しい状況が続いております。
 都は、首都圏の洪水リスクの低減はもとより、安定した水源確保のために、引き続き関係五県と連携して八ッ場ダムの本体工事に速やかに着手し、計画どおり平成二十七年度までに完成させるよう、国に対して強く求めてまいります。
 次に、都の住宅政策における公社の役割についてでございますが、公社はこれまで、都の住宅政策の一翼を担う重要なパートナーとして、良質な賃貸住宅を中堅所得者層に対して供給してまいりました。少子高齢社会への対応が求められる中、公社では、本年四月、新たに少子高齢対策室を設置いたしまして、一般賃貸住宅の建てかえに合わせた子育て世帯や高齢者向け住宅の整備を初め、オープンスペース等への子育て支援施設等の誘致などに向けた検討を始めております。
 今後は、少子高齢社会や環境問題への対応など、市場では十分に供給されにくい住宅の供給を基本としながら、公社が、公共住宅の供給主体として公的な役割を積極的に果たしていくよう、都として働きかけてまいります。
 次に、公社住宅の建てかえの推進についてでございますが、公社では現在、昭和三十年代前半に建設した住宅を中心に建てかえを進めております。対象となる大規模団地の中には、建てかえに際し、地域のまちづくりと連携した良好な住環境を形成するために地区計画を策定することが必要になる場合があることや、敷地形状や道路条件などの問題があることなどにより、建てかえに時間を要しているものもございます。
 今後、公社ではこうした団地の建てかえに当たり、これまでに培った経験やノウハウを活用するとともに、子育てや介護に対する地域のニーズも踏まえ、地元自治体との綿密な協議を重ねながら、事業を精力的かつ着実に進めていくこととしております。また、立地条件によっては、隣地と一体化することにより、建てかえを容易にすることなどの検討も進めております。
 都としては、こうした公社の建てかえ推進に向けた取り組みを技術面などから支援して、その前進を図ってまいります。
 次に、公社住宅の建てかえ時における低所得者への適切な配慮についてでございますが、公社では、建てかえに際しては、戻り入居者に対する家賃激変緩和措置により、急激な家賃の上昇を招かないよう配慮しているほか、他の公社住宅等へのあっせんや民間住宅等への住みかえに伴う費用を助成するなど、居住者の負担を軽減するさまざまな措置を講じております。特に、高齢低所得世帯等に対しては、家賃の特別減額措置を実施しておりまして、高齢化に伴い所得が低下した場合などでも、建てかえ後の住宅に住み続けることができるよう特段の配慮をしております。
 今後も、公社住宅の建てかえに際しては、引き続き従前居住者の居住の安定に十分配慮し、丁寧な対応に努めるよう、都として働きかけてまいります。
 次に、都営住宅の建てかえにおける間取りについてでございますが、都営住宅については、都民の住宅セーフティーネットとしての機能を保持するため、昭和四十年代以前に建設された住宅を対象として建てかえを推進しております。建てかえに当たっては、居住者の世帯構成に応じた規模や間取りの住宅を供給しており、これまでも子育てに配慮し小規模世帯向け住宅の間取りを見直すなど、住みやすい住宅の供給に努めてまいりました。
 今後は、高齢の単身世帯が介護を必要とする場合なども考慮し、建設コストも勘案しながら、間取りの見直しを検討してまいります。
 次に、都営住宅のコミュニティ機能を支援する取り組みについてでございますが、今後、都営住宅では居住者の高齢化が一層進行すると予想されることから、自治会活動などのコミュニティ機能について、地域福祉の担い手である地元区市町や自治会、居住者と役割分担を図りながら適切に支援していくことが必要でございます。こうした観点に立って、巡回管理人の業務内容や共用部分の管理経費の徴収範囲や方法などについて検討を進めておりまして、今後、具体的な支援策を取りまとめてまいります。
 支援策の実施に当たっては、団地の規模や実情が多様であることなどを踏まえ、自治会や居住者の合意が得られた団地を対象として、来年度から試行を行うこととし、年内に試行の対象となる団地を募集する予定でございます。
 最後に、既存都営住宅へのエレベーター設置についてでございますが、現在、廊下型住棟では、四階建てまたは五階建てで二十四戸以上という基準に基づき、九人乗りエレベーターの設置を行っておりますが、居住者の高齢化が進行する中、より小規模な住棟へのエレベーター設置が強く求められております。このため、階段型住棟に設置している小型の四人乗りエレベーターを廊下型住棟に設置できるよう、学識経験者の参画も得ながら、住宅部品の認定機関やエレベーターメーカーとともに、技術、コストの両面から検討を進めてまいりました。
 その結果、一住戸当たりの建設費が従来と同等の、廊下型四人乗りエレベーターを開発できることが確認され、優良住宅部品としても認定される見込みとなったことから、今後必要な基準の見直しを行い、エレベーターの設置を推進してまいります。

   〔環境局長有留武司君登壇〕

〇環境局長(有留武司君)

 二点のご質問にお答えいたします。
 太陽熱機器の普及における都の先導的な取り組みについてでありますが、太陽熱機器は、中国やヨーロッパでは急速な普及が進んでおりますが、我が国では市場が低迷を続けてきました。太陽熱機器はエネルギー変換効率が太陽光発電より三倍程度高いため、小さな家にも設置可能であり、都内の住宅に適しているといえます。
 一昨年来の都の取り組みなどによりまして、最近では、集合住宅向けバルコニー設置型システムや高効率給湯器一体型システムなど、エネルギー事業者や機器メーカーによる新製品の開発が積極的になってきました。都におきましても、病院施設や東京国際フォーラムなどへ導入しており、本年度も環境科学研究所や駐在所への導入が予定されております。
 都は、今後も区市町村や関連企業と連携した太陽エネルギー見本市や、熱利用をテーマとしたセミナーの開催など、太陽熱の普及に向けた取り組みを継続的に進めてまいります。
 次に、再生可能エネルギー普及拡大のための民間の力の活用についてでありますが、再生可能エネルギーの開発は、環境と経済の両立を目指すグリーンニューディールの重要な柱であります。海外では、波力発電の豊かなポテンシャルに着目した商業規模のプロジェクトが既に開始されておりまして、昨年度、都の呼びかけにより設置された波力発電検討会では、我が国における可能性も示されました。
 今年度は、大学と事業者による波の状況や係留技術の実証事業が大島周辺で予定されておりまして、地元関係者の意見を踏まえ、具体的な海域検討や課題調整等が行われます。
 また、地域間連携によるグリーン電力供給を拡大していくためには、特定規模電気事業者、いわゆるPPSの参画や、現在の送電網のあり方の見直しなど、さまざまな取り組みを進めていく必要があります。
 都は今後、民間の活力が再生可能エネルギー分野でも生かされるよう、意欲ある民間事業者との協働や、国等関係機関への提案、要求などの取り組みを行ってまいります。

   〔産業労働局長前田信弘君登壇〕

〇産業労働局長(前田信弘君)

 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、商店街の街路灯のLED化についてでありますが、街路灯のLED化は、都が進めます地球温暖化対策に寄与することから、特定施策推進型商店街事業の一つとして積極的に支援しております。今年度から、CO2削減につながるランプ交換に重点化し、同事業の効果をより高めることといたしまして、先日、商店街からの申請を受け付けました。
 今後、現地調査等を行い、申請内容を精査した上で、八月を目途に交付決定していくこととなります。商店街のCO2削減に向けた意欲的な取り組みにこたえ、一つでも多くLED化の要望に対応できますよう努めてまいります。
 次に、国の補助事業の周知及び支援についてであります。
 商店街が街路灯の新設等のハード整備を進めることは、にぎわいの創出などに効果があることから、国もその経費について最大三分の二を補助する制度を創設いたしました。これを受け、都は、商店街の負担する部分につきまして、区市町村が独自に支援する場合、その支援額の二分の一を補助することにより国の制度の利用促進を図っております。こうした仕組みが商店街にしっかりと理解されて活用が進むように、都は国と協力して、都内商店街に配布するパンフレットを作成するとともに、区市町村に対しまして、制度のメリットを説明して商店街への周知を図るよう働きかけを行っております。
 今後とも、この制度が十分活用されるよう周知徹底し、商店街を支援してまいります。
 次に、海外販路開拓支援事業における現地での支援についてであります。
 中小企業が海外販路を開拓する上で、取引相手国の経済状況を初め、商品に対するニーズなどを把握することは基本となるものであり、そうした情報を提供することは極めて重要であります。
 都は、今年度から開始した海外販路開拓支援事業において、商社のネットワークを活用して、アジアの十三都市に海外ビジネスデスクを置き、現地の最新情報の収集を行うことといたしました。
 また、海外販路ナビゲーターが、海外ビジネスデスクから入手する現地の情報を支援企業に提供するほか、海外の見本市に出展する企業に同行しアドバイスを行うなど、海外販路の開拓を目指す中小企業に対し、きめ細かい支援を行ってまいります。こうした取り組みを通じ、都内中小企業のアジアにおける販路開拓を着実に支援していく考えであります。
 最後に、新銀行東京の平成二十一年度決算についてであります。
 四百億円の追加出資によりまして、新銀行東京は、事業の継続が可能となり、他の金融機関では支援が難しい赤字、債務超過先約四千社を含む多くの中小零細企業を継続的に支援しております。
 また、新銀行東京では、金融円滑化法が施行される前から、リスケジュールに積極的に取り組んでおり、特に追加出資後、累計で約二千四百社、百八十八億円を実行しております。これも追加出資の効果の一つであります。追加出資の四百億円と、現経営陣の渾身の努力の結果、再建は着実に進んでおりますが、実質業務純益の黒字化に向け引き続き努力することが今後の課題と考えております。都は、今度とも新銀行東京の再建に向け適切な監視と支援を行ってまいります。

   〔総務局長中田清己君登壇〕

〇総務局長(中田清己君)

 三点のご質問にお答えします。
 まず高層マンションの避難対策についてでございますが、震災時におきまして高層マンションの住民は、エレベーターの停止により地上との行き来が困難となり、不自由な生活を余儀なくされます。このため都は一つでも多くの高層ビルでエレベーターの運転を可能とするため、一ビル一台の復旧ルールをつくるとともに、停電時でもエレベーターが動くよう非常エレベーターの自家発電機に対する燃料供給体制の整備など高層住宅の避難対策に取り組んでまいりました。
 また、総合防災訓練におきましても、都内に多くの高層住宅があるという実態を踏まえた救出訓練を実施しております。都は、区市町村や関係機関と実施した訓練を検証し、今後の高層住宅の避難対策や防災訓練に生かし、都民の生命と財産を震災から全力で守ってまいります。
 次に、大規模水害時における一時避難先についてでございますが、河川の大規模な堤防決壊等が発生した場合、急激な浸水で避難所まで移動する時間がない事態も想定されます。地域防災計画におきまして、急激な浸水から安全に避難する方法として、高層ビル等に一時的に避難することを定めております。
 一方、中央防災会議におきましては、専門調査会の報告を受けまして、今年度中を目途に大規模水害対策に関する大綱を策定する予定でございます。
 今後、これらを踏まえまして、東部低地帯内の公共施設を一時避難先として活用することなども含めまして、総合的な対策を全庁的に検討し、地域防災計画の必要な見直しを図ってまいります。
 最後に、報告団体の位置づけについてでございますが、報告団体は、監理団体に比べ、都の財政支援等が少なく、所管局が決算や職員数など運営状況に関する報告を受け、出資者等の立場から関与を行っている団体でございます。
 個別に見ますと、都からの出資のみを受けている団体もあれば、出資に加えまして、都財政の支出を受けている団体など、さまざまでございまして、都施策との関連につきましても、社会情勢の変化に伴い、その態様は変化してきております。
 今後、報告団体につきましては、出資比率、都財政支出、都施策との関係性などの観点から、個々の団体に応じた位置づけについて関係局とも協議の上、精査してまいります。

   〔建設局長村尾公一君登壇〕

〇建設局長(村尾公一君)

 河川の高潮シミュレーションの実施についてでございますが、都は、東部低地帯において、日本最大の高潮被害をもたらした伊勢湾台風を想定し、これまで防潮提や水門などの整備を進め、現在その水準での高潮に対する安全性は確保されております。
 お話の中央防災会議の報告は、東京湾の水門や排水施設が機能しないケースなどについて、河川からの高潮によるはんらんがないとの想定のもと、そのときの被害をシミュレーションすることによって示し、被害の軽減に必要な危機管理対策を検討したものでございます。
 ご質問の、高潮による河川はんらんも考慮するシミュレーションにつきましては、台風の規模や施設の損傷、地球温暖化による海面水位の上昇など、条件設定によりその被害の規模が大幅に異なり、その結果、行政のとるべき対策に著しい影響を及ぼすと考えております。このため、想定する被害の可能性や規模などについて慎重に検討し、東京都地域防災計画との整合を図るなど関係各局と連携してまいります。

   〔水道局長尾崎勝君登壇〕

〇水道局長(尾崎勝君)

 水防対策としての浄水場への隔壁設置についてでございますが、水道局では、これまでも、カスリーン台風等における被災経験を踏まえ、河川はんらん発生の可能性を考慮した施設の整備、改良を行ってきたところであります。
 先般、中央防災会議の大規模水害に関する専門調査会が発表しました利根川及び荒川の洪水はんらんによる都水道局施設の被害想定では、荒川の浸水では大きな被害を受けないものの、利根川では、一部浄水場におきまして、配水池やポンプ設備が浸水被害を受け、機能が停止する可能性があります。万が一、それらの浄水場が機能停止した場合、他浄水場からのバックアップにより、夏期の一日平均配水量程度の能力を確保できるため、お客様への給水には大きな影響はないと考えられます。
 ご提案の浄水場への隔壁設置などによる水防対策につきましては、河川管理者として、国が果たすべき役割や、水道施設全体としての給水確保レベルなどを踏まえながら、今後検討してまいります。

   〔下水道局長松田二郎君登壇〕

〇下水道局長(松田二郎君)

 下水道の排水ポンプなどの水防対策についてでございますが、中央防災会議の大規模水害対策に関する専門調査会報告では、二百年に一回の確率による降雨で、利根川及び荒川の堤防が決壊した場合の洪水はんらんによる浸水を想定をしております。これによれば、都の複数のポンプ所や水再生センターが浸水し、機能に支障が生じると想定をされております。
 下水道局では、これまで、河川の堤防決壊を想定したものではございませんが、水はけの悪い低地などにおける浸水に対してポンプ施設などの整備を進めるとともに、東海豪雨を想定した浸水予想区域図に基づき、想定される浸水に対して止水板や防水扉を設置するなど施設の耐水化を図り、排水機能を確保して、地域の浸水被害の大幅な軽減を実現してまいりました。
 大規模水害による被害を軽減するためにも、下水道の果たす役割は重要であると認識をしており、利根川、荒川の管理者である国の対策、関係機関が連携した広域避難対策や、情報共有体制の強化を図る中で、下水道機能の保全、災害時の早期復旧などについて検討してまいります。

   〔福祉保健局長杉村栄一君登壇〕

〇福祉保健局長(杉村栄一君)

 七点のご質問につきましてお答えを申し上げます。
 まず、障害者に関する三点につきましてお答えを申し上げます。
 最初に、グループホーム等の整備についてでございますが、待機者の解消や、新たな利用者ニーズに対応するため、平成十七年度末二千六百四十五人の定員を、平成二十三年度末までに二倍以上の五千五百十四人にすることといたしております。そのため都は、障害者の就労支援・安心生活基盤整備三か年プランに基づきまして、整備費の事業者負担を軽減する特別助成を実施して整備を促進しております。本年四月一日現在の定員数は四千五百六十四人となっておりまして、残り二年間で約千人の定員増が必要でございますが、昨年度実績でも約五百人の増加となっており、目標を達成できるものと考えております。引き続き、計画数の達成に向けて積極的に取り組んでまいります。
 次に、入所施設の定員についてでございますが、国は、入所施設については、真に必要なものに限定をするとした上で、障害福祉計画策定に当たっての基本指針では、平成十七年十月一日現在の入所定員を、平成二十三年度末までに七%以上を削減することにいたしております。
 これに対しまして、都は、重度障害者等の入所ニーズにこたえていくため、東京都障害福祉計画において、同年十月一日の定員を引き続き維持することといたしております。都は、この計画のもとで、入所施設からグループホームなどへの地域移行を積極的に進めつつ、真に入所が必要な方の受け入れを促進しているところでございます。
 また、既存施設については、居住環境の改善等とあわせて定員を見直す一方、都内未設置地域での新たな施設整備を進めております。
 なお、昭和四十三年から平成九年にかけて整備されてまいりました、いわゆる都外施設につきましては、入所支援を必要とする都民に安定した生活の場を提供しており、都は引き続き支援してまいります。
 次に、待機者の解消に向けた対策についてでございますが、障害者ができる限り地域での生活を続けていくためには、グループホームなどの居住の場とともに、通所施設や在宅生活を支えるショートステイなどの各種のサービスが必要でございます。これらにつきましては、区市町村が主体となってその確保に取り組んでおり、都は、先ほど申し上げた三か年プランに基づく特別助成などにより支援をいたしております。今後、区市町村ごとのサービス基盤の状況等を把握、分析をいたしまして、区市町村と連携して基盤整備を進めながら、障害者や家族が地域で安心して暮らしていけるよう積極的に施策を推進してまいります。
 次に、うつ病に関する三点のご質問にお答えをいたします。
 まず、意識啓発等についてでございますが、うつ病を早期に発見するためには、都民に正しい知識を普及することが重要でございます。このため、精神保健福祉センターや保健所におきまして、うつ病になったときにあらわれる身体や心の症状、相談機関などを掲載をしたリーフレットを作成いたしまして、区市町村等を通じて都民に配布するなど、啓発を行っているところでございます。今後も都民に対するうつ病をテーマとした講演会の実施や精神保健福祉センターが発行する「こころの健康だより」を初めとした広報紙におけるうつ病に関する特集記事の掲載など、効果的な普及啓発に取り組んでまいります。
 次に、情報提供体制の整備についてでございますが、うつ病を早期に発見し、早期に対応するためには、かかりつけ医と精神科医を初め、相談支援機関などを含めた地域の関係機関の連携が重要でございます。
 都では、かかりつけ医等がうつ病の診療に関する専門的な知見等を得られるよう、うつ診療充実強化研修事業を実施しており、昨年度までに六地区で実施し、今年度は新たに十地区で取り組む予定でございます。
 また今年度から、区部及び多摩のそれぞれ一カ所の二次保健医療圏におきまして、地域の精神科医療機関の対応可能な疾患や診療時間等について、かかりつけ医等の関係機関が、情報の共有を図ることなどを目的といたしました東京都地域精神科医療ネットワークモデル事業を実施いたします。これらの事業を通じまして、かかりつけ医と精神科医との連携を促進してまいります。
 次に、総合的な対策についてでございますが、都では現在、東京都地方精神保健福祉審議会におきまして、うつ病への対応も含め、地域における精神科医療提供体制の整備について審議をしております。
 お話のとおり、うつ病は幅広い分野にまたがってさまざまな影響を及ぼしますことから、本審議会の運営に当たっては、労働分野や教育分野などの関連部局の参画も得て、局横断的な連携を図ってまいります。
 最後に、若年性認知症の相談窓口についてでございますが、若年性認知症を発症すると、失業により収入を失うなど生活全般を支援する必要が生じることから、医療や介護だけでなく、就労支援や障害福祉サービスなど、多分野にわたる制度を活用した総合的な対応が求められます。このため都は、本人、家族の相談をワンストップで受け、情報の提供、関係機関との連携、各種手続の支援等を行うモデル事業を実施いたしております。
 今後、こうした取り組みにより蓄積したノウハウを、区市町村や地域包括支援センターに提供するなど、身近な地域においてワンストップで対応できるよう、相談窓口の機能強化を図ってまいります。

   〔生活文化スポーツ局長並木一夫君登壇〕

〇生活文化スポーツ局長(並木一夫君)

 スポーツ振興の取り組みについてでございますが、年齢や障害の有無にかかわらず、だれもがスポーツに親しめる社会をつくり上げていくことは、都民の健康で豊かな生活を実現する上で重要でございます。このため、平成二十年に策定いたしました東京都スポーツ振興基本計画に基づきまして、地域スポーツクラブの設立、育成を支援するとともに、TOKYOウオークを初め、さまざまなスポーツイベントを実施するなど、身近にスポーツを楽しめる環境づくりを進めております。
 また、東京育ちのアスリートが世界で活躍できるよう、ジュニアアスリートの発掘、育成に取り組むとともに、国際大会の開催を支援いたしまして、都民に世界の一流選手のわざとスポーツの感動を伝えていくように努めております。
 さらに、スポーツ施設につきましても、バリアフリー化を取り入れ、東京国体に向けた整備や計画的な改修改築を進めてまいります。今後、スポーツ振興局のもとで、スポーツ関連施策を一元的に展開することにより、これらの取り組みを一層推進し、子どもから高齢者、そして障害者まで、スポーツのすそ野を広げ、スポーツ都市東京の実現を目指してまいります。

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