平成24年第3回定例会(2012年9月25日)マンション耐震化について等

平成24年第3回定例会(2012年9月25日)



〇六十二番(野上純子君)

 都議会公明党を代表し、知事、警視総監並びに関係局長に質問いたします。

 二十七年半の投獄にも耐え、人種差別を撤廃した南アフリカのネルソン・マンデラ元大統領は、あらゆる人間の心の奥底には慈悲と寛容がある、肌の色や育ちや信仰の違う他人を憎むように生まれついた人間はいない、人は憎むことを学ぶのだ、そして、憎むことが学べるのなら、愛することだって学べるだろうと語っています。

 お互いの差異を認め合い、いじめのない社会を築いていくことは、人間の尊厳を打ち立てる人権闘争といえます。いじめは、人間の尊厳を踏みにじる精神的な拷問であり、心に深い傷を残します。

 今の日本は、大人社会の人権意識の低下が子ども社会にもかがみとして反映しています。いじめは最大の人権侵害です。社会全体でも時代風潮に流され、悪いことを悪いといい切れない弱さやあいまいさが見え隠れしている現代において、今ほど人権感覚を鍛え上げることが大事になっている時代はありません。

 人権意識の高揚に向けた知事の基本的認識について所見を伺います。

 次に、いじめ対策について質問します。

 最近のいじめの特徴は、集団で一人を寄ってたかって攻撃し、正義感でいじめていることを注意した子が今度はいじめられ、ターゲットが変わる傾向があります。

 いじめは、どの学校でも、どの学級でも起きているという危機感を共有することと、いじめは絶対に許さない、いじめる側が一〇〇%悪いとの共通認識が大事です。

 都内のすべての公立学校を対象にしたいじめの緊急調査で、いじめといじめの疑いを合わせて一万千五百七件。いじめの問題のすそ野はさらに広がる可能性があります。

 いじめについて、人権侵害という基準で早期に対応しなければなりません。そこで都は、緊急調査の結果等を踏まえて、有識者による会議を設置するなど、強力ないじめ対策を図るべきと考えます。見解を求めます。

 壮絶ないじめの渦中でいじめられている子は、親にも教師にも、いわないというよりいえない状況があります。いじめる側も巧妙で、教師にわからないように執拗にいじめを繰り返しします。

 教師にちくるという行為により、いじめは一層陰湿になります。だからこそ、子どもの表情やクラスの変化を見抜き、いじめを教師が直接発見することが大事なのです。年齢や職務経験にかかわらず、子どものいじめを見逃さず、寄り添い、解決できる力をつけ、子どもを守れる教師集団としての取り組みが必要であると考えます。都の見解を求めます。

 いじめを克服した中学校の事例では、校長と担任が協力して、百八十人の生徒一軒一軒の家庭訪問を行い、保護者に対して、一世一代のラブレターをお子さんに書いてくださいと真剣に訴え、全員の手紙を集めて、臨海学校の夜に手渡ししました。子どもたちは愛情に満ちた手紙に感動し、涙したそうです。

 子どもの幸せのために、教師が力を合わせ、工夫し、真剣に取り組むことがいじめ解決に必要不可欠です。多忙な時間をこじあけて、家庭訪問等の対話を通じて、子どもと親や教師との信頼関係を深めることが重要であると考えますが、都の見解を求めます。

 次に、ネットから子どもたちを守る取り組みについて質問します。

 電子メールや携帯電話などの電子媒体を用いたネットいじめは、青少年の間で急速に広がっています。ブログやプロフ、ツイッターに悪口を書き込まれたり、成り済ましでにせ情報を流されたり、匿名性が高いため、第三者にも悪質な映像が広まり、被害者を精神的に傷つけます。サイバーリンチ、ネットリンチとも呼ばれ、過激で陰湿なネットいじめで自殺者も出ています。このような状況は断じて看過できません。

 都は、有害情報やにせ情報の削除を要請する権利も含めて、強制力を伴ったネット被害防止対策について確立すべきです。見解を求めます。

 いじめ問題は、あくまでも教育現場で解決することが大原則です。しかし、恐喝や暴行、傷害等、生命の危険が脅かされている場合には、警視庁と連携をとりながら対応する場合が生じてまいります。自殺に至るような悩みを抱えている被害者や保護者が直接警察等に相談できるハードルの低い仕組みが大切だと考えます。警視総監の所見を伺います。

 次に、緊急の課題である利根川渇水対策について質問します。

 八月初旬にはほぼ満水だった利根川上流八ダムの貯水量が、たった一カ月雨が少ないだけで四割を切るという異常事態に陥りました。この事態を受けて、東京都水道局を含む利根川水系渇水対策連絡協議会は、九月十一日、十一年ぶりに利根川水系の一〇%の取水制限を行いました。

 このような状況を踏まえ、我が党は、今月十三日に利根川上流の八つのダムのうち、最大の貯水量を擁する矢木沢ダムを視察、貯水率は六・六%であり、湖底が露出しておりました。

 利根川上流のダムの利水容量は三億四千三百四十九万立方メートルもあるにもかかわらず、少し雨が降らないだけでもあっという間に貯水量が減少してしまうことがわかりました。

 夏の需要期の初めに当たる七月にこのような状況が生じた場合には、取水制限が長期にわたり厳しい給水制限や断水のおそれ、場合によってはダムの貯水量が枯渇するような事態も起こり得ます。

 利根川水域の水不足は、それを利用する農家にも深刻な影響を与えています。稲作農家は、高温の時期は頻繁に水田の水を入れかえ、温度を下げて品質を確保する必要があり、水不足に神経をとがらせており、白菜なども土壌が乾いて種まきを見送っている状況です。

 きのうの夕方、取水制限の一時緩和が始まったとはいえ、必要なときに必要な水を確保することが極めて重要です。改めて八ッ場ダムの一刻も早い完成が必要だと実感いたしました。政権発足後に八ッ場ダムの建設を安易に中断させている民主党政権の無責任さに憤りを感じます。

 これまでにない異常気象が続く状況の中で、首都東京として都民の暮らしの安全・安心を支えるために、厳しい渇水の際にも安定給水を継続するための取り組みを進めていくべきと考えますが、見解を求めます。

 次に、震災対策について質問します。

 公明党は、防災・減災ニューディール政策を掲げ、その推進基本法案を参議院に提出しています。橋や道路などの社会資本の長寿命化等に重点的に予算を投入し、むだな公共事業を排して、防災、減災対策を推進するものです。

 都が今月十二日に発表した東京都地域防災計画の見直し素案でも、応急活動拠点となる施設の耐震化やマンションの長寿命化の促進、さらには既存の防災拠点活用など、今ある社会資本ストックを防災対策に有効に活用する方向性が出されています。

 また、都議会公明党がこれまで提案してきた対策も随所に反映されており、例えば木造住宅密集地域の解消策、一斉帰宅を防ぐ帰宅困難者対策などの施策は、都民の命を守る事業として強く主張してきたものであります。

 首都直下地震の切迫性が指摘される中で大切なのは、地域防災計画の内容を着実に実行することです。そのためには、知事の強いリーダーシップが求められますが、新たな地域防災計画に基づく防災、減災対策の推進に向けて、石原知事の決意を伺います。

 見直し素案に沿って、幾つか質問いたします。

 まず、減災対策として、余り注目してこなかった道路や河川の護岸、港の岸壁の背後における空洞などの調査です。

 路面の空洞や陥没の発生は、道路であれば老朽化した下水管の破損や工事で埋め戻した砂の沈下、また、護岸などの背後の通路では、護岸に亀裂が生じている際、引き潮による内部土砂の流出現象が主な要因とされています。東日本大震災の際、被災地の各地で発生した道路の陥没なども、そうしたことが要因といわれています。

 さらに、震度五以上の強い揺れによって、路面の下の空洞化が一気に進むという指摘もあります。このような路面陥没を抑え、災害時の安全を確保するためには、都民の命を守るとりでとなる道路や護岸、岸壁の背後などの空洞化対策を検討すべきです。見解を求めます。

 都市基盤の分野では、特定緊急輸送道路沿道の建築物耐震化の推進も重要で、今後三年間で一〇〇%の耐震化という見直し素案に示された目標を達成するためには、さらなる取り組みが不可欠であります。

 そこで期待されるのは、社会貢献に応じて建築規制を緩和する総合設計の活用による容積率のアップなどのインセンティブやビル所有者への経営改善支援の活用促進です。

 都の総合設計制度は、緊急輸送道路沿道の場合、公開空地などの割り増しに加え、耐震強化の取り組みで最大八〇%の容積率の上乗せを可能としており、区部では延べ床面積一万平方メートルを超える沿道建築物に対して耐震化を促しています。

 しかし、緊急輸送道路沿道建築物の大半は一万平方メートル以下であるなど、その多くは区市の所管ですが、区市では耐震化の割り増しが制度化されていないところも多く、そもそも総合設計制度の活用事例が少ないという実態もあります。

 そこで、緊急輸送道路沿道建築物の耐震化を確実に進めていくため、広く区市全域において総合設計制度が活用されるべきと考えます。見解を求めます。

 さらに、テナント確保や事業経営など、特定緊急輸送道路沿道のビルオーナーの抱えるさまざまな課題についても対応を行うべきものと考えます。見解を求めます。

 また、都は我が党の求めにこたえて、本年七月、都営住宅耐震化整備プログラムを改定し、二〇二〇年度までに都営住宅を一〇〇%耐震化するという新たな目標を掲げました。

 しかし、耐震化を確実にスピードアップさせるためには、併存店舗つき都営住宅の耐震化が大きな課題です。都営住宅の一階部分に存在する店舗は、民間権利者が区分所有する仕組みになっており、耐震設計や耐震工事には必ず所有者としての費用負担が伴います。

 一方、併存店舗の多くは、景気低迷や大型店舗の進出、購買層の高齢化などから経営難に直面しており、耐震化の促進には新たな対策が必要です。

 そこで、一刻も早い耐震化が求められている緊急輸送道路沿道の併存店舗つき住棟について、所有者の費用負担の軽減に向けた検討を行うべきです。見解を求めます。

 次に、木密地域不燃化十年プロジェクトについて質問します。

 都は、最大の弱点である木密地域の解消に向けて、整備地域七千ヘクタールを対象として、二〇二〇年までに整備を完了する不燃化十年プロジェクトを立ち上げました。

 市街地の不燃化に向けて、都は八月に不燃化特区の先行実施地区の選定を、当初三地区程度としていたものを、応募した十二地区すべてを指定するよう我が党が要望した結果、すべてが指定されたことは評価いたします。

 次は、特別な支援制度を早期に取りまとめ、手厚い支援のもと、都と区が連携した整備を進めるとともに、東京全体の木密地域解消に向けて、十二地区以外にも拡大を図っていくべきであります。見解を求めます。

 また、延焼遮断帯を形成する特定路線については、六月に二十三の区間を選定しました。整備に当たっては、生活再建等のための特別な支援を実施とのことですが、その内容を早急に明らかにするとともに、二十三の区間以外の整備をどこまで拡充するのか、全体像を示すべきです。見解を求めます。

 次に、非構造部材の耐震化について質問します。

 民間の調査によると、東日本大震災では、大規模空間を有する建物の天井については、比較的新しい建物も含め脱落する被害が約二千件も発生したと報告されています。

 都議会公明党は、議会での質問や知事への申し入れで、避難所になる学校施設の非構造部材の耐震化を主張してきました。

 国が対策の基準を示さない中、区市町村が小中学校において独自に対策を進めることは限界があります。都立学校では現在、国に先駆けて、専門家を活用した非構造部材の耐震化の取り組みを行っています。

 そこで、現在の取り組み状況と今後の公立小中学校における都の支援策について見解を求めます。

 さらに、一時滞在施設の非構造部材を含めた耐震性確保を図ることも必要です。都の見解を求めます。

 次に、既存防災施設の有効活用について質問します。

 今回の地域防災計画修正素案には、都がこれまでに整備してきた亀戸・大島・小松川地区、白鬚東地区などの防災機能を有する施設を有効活用するため、貯水槽等の維持更新を適切に実施していく旨が盛り込まれました。

 ライフラインの耐震対策と同様に、備蓄倉庫や貯水槽など、防災機能を有する既存施設を維持更新して、発災時に最大限活用できるよう整備しておくことは、被害の拡大を防ぐとともに、復旧活動を助け、都市機能の回復を早めるためにとても重要です。

 そこで、老朽化が進む白鬚東防災拠点の都営住宅と民間マンションの地下に設置されている貯水槽については、給水拠点として活用できるため、早期に更新に着手すべきであります。見解を求めます。

 次に、女性の視点に立った防災対策について質問します。

 これまで都議会公明党が女性の視点の重要性を指摘し、都の取り組みを求めたのに対し、都は東京都防災会議の専門委員への女性委員の選任や被災地に派遣された都の女性職員によるワーキングチームを設け、具体的な検討を進めました。これにより、今般の地域防災計画の修正素案には、避難所運営や備蓄など個別対策にも女性の視点からの多くの記述が盛り込まれ、現場に即応した対策が講じられています。

 そこで、今後、この対策を一層推進していく必要があると考えますが、見解を求めます。

 今回の見直し素案で、特に女性や高齢者、災害時要援護者への配慮に関する支援内容が充実したのは、避難所運営についてであります。

 そこで、実際に避難所運営を担う区市町村の取り組みをさらに進めるため、都は区市町村向けの避難所管理運営の指針を見直し、女性や要援護者への具体的な配慮を盛り込むべきであります。見解を求めます。

 首都直下地震が発生した場合、帰宅困難者は東京で五百十七万人と推定されていることから、帰宅困難者対策は今後の地域防災計画の重要な項目となります。

 今回の見直し素案の作成に合わせ、首都直下地震帰宅困難者等対策協議会は、このほど事業者が取り組むべき事項をガイドラインにまとめました。今後は、このガイドラインの内容をいかに各企業や事業所の取り組みにつなげていくかが重要であります。

 そこで都は、来年四月の条例施行を前に、ガイドラインの浸透を図るため、事業者に対する出張説明会を行うなど、積極的に普及啓発を行うべきです。見解を求めます。

 次に、災害医療体制の強化について質問します。

 見直し素案では、主に重症者の収容、治療を行う災害拠点病院の活動と連携し、新たに中程度の傷病や容体の安定した重症者に対応する災害拠点連携病院の指定や専門医療や慢性疾患に対応する災害医療支援病院を指定するとしています。

 さらに、区市町村による緊急医療救護所の設置方針も示すなど、災害時の医療連携を重視していることが大きな特徴です。

 限られた医療資源を有効に活用するには効果的な仕組みではありますが、地震による負傷者は、拠点病院、連携病院、支援病院、緊急救護所にかかわらず、最寄りの医療機関に殺到し混乱する中で、負傷の程度に合わせた病院に振り分ける作業は困難をきわめると思われます。

 そこで、それぞれの役割を担った病院間の搬送体制を構築し、負傷者に備えるべきであります。見解を求めます。

 次に、被災地支援について質問します。

 原発事故の発生以来、いまだ被災地はさまざまな点で厳しく、とりわけ農水産物は風評被害が深刻で、出荷されても被災地名だけで買い控えられるという状況です。

 豊島市場では、市場から仕入れる小売業者に、市場お勧めのお店ですとうたったオリジナルなちょうちんを配布する方法で生産物の販売を支援しています。こうした取り組みは、被災地を支援するとともに、小売業者や市場の活性化につながり、多くの都民の抱える食の不安について安心を与えるきっかけになると考えます。

 そこで、地方市場を含む全市場において、小売を中心とする業界と都が協力することにより、これまで以上に風評被害を効果的に解消し、消費者に安心感を与える取り組みを進めるべきです。見解を求めます。

 被災地では、障害を持つ方々が現在もなお厳しい環境の中で、新たな希望を求めて奮闘を続けています。このような皆様に芸術文化に触れる機会を積極的に提供していくことが大きな心の励ましにつながります。

 都議会公明党は、聴覚障害者のため日本映画に字幕をつけることや、視覚障害者も映画館で鑑賞できる音声ガイドを推進してきました。その結果、東京国際映画祭を初めバリアフリー映画を上映する機会がふえ、昨年は東京都写真美術館でも上映が実現しました。映画の鑑賞を通じて、障害者が気軽に芸術文化に触れることが可能になりました。

 バリアフリー映画の上映については、企業が社会貢献活動の一環として推進している例もあり、民間を中心に行われています。

 被災地でのバリアフリー映画の上映に向けて、都は民間とも連携して、具体的な支援をしていくべきと考えますが、見解を求めます。

 次に、再生可能エネルギーの拡大について質問します。

 都は、六年前に東京都再生可能エネルギー戦略を策定し、再生可能エネルギーを二〇二〇年、二〇%という高い目標を設定しています。

 再生可能エネルギーの利用を飛躍的に拡大するには、我が国の自然エネルギーのポテンシャルを最大限活用するために必要な国の実効性ある取り組みを要求するとともに、都として独自の取り組みを展開しながら、それらを戦略的、体系的に位置づけていく必要があります。

 これまで以上に再生可能エネルギーに対する期待が高まる中、都は、二〇%を概念的な目標に終わらせるのではなく、より具体的な姿を示すべきであります。見解を求めます。

 次に、ネガワットの推進について質問します。

 原発の停止により、全国的な電力需給の逼迫が懸念されたことしの夏、ネガワットという考え方が注目を集めました。ネガワットは、家庭における日ごろの省エネ、節電の蓄積が発電と同等の効果を生むという考え方です。

 本年の秋から冬にかけて古い火力発電所の点検が実施されることを考えると、さらなる省エネ、節電対策が求められます。都のネガワットについての考え方と、家庭における賢い節電についての具体的な施策について見解を求めます。

 次に、中小企業支援について質問します。

 都内中小企業は、長引く円高に加え、直面する電力料金の値上げ等が響き、景気の先行きの不透明感も相まって非常に厳しい状況となっています。

 こうした現状であるにもかかわらず、中小企業金融円滑化法は今年度末で終了とされている一方、国のいうソフトランディング策は一向に進んでいないといわざるを得ません。

 この問題に加え、八月末にはセーフティーネット保証の業種絞り込みが公表されました。これまで公明党が現場の声を国に届け、この保証制度を拡充してきました。

 都の制度融資メニューは、リーマンショック以降の極めて厳しい経営環境に直面した都内中小企業の資金繰りに大きな役割を果たしてきました。これまでは、業況が悪化している全業種の中小企業が利用できましたが、政府はこれを大幅に絞り込み、四割の業種について業況が改善したとして、切り捨ての決定をしました。

 中小企業の窮状を全く顧みることのない国の対応に大きな問題を感じますが、こうした事態の中で、業種絞り込みで資金繰りに支障を来す可能性のある中小企業に対し、都として支援策を講じるべきです。見解を求めます。

 また、中小企業者の資金調達に支障が生じないよう、このたびの業種絞り込みに伴う対応について、都内中小企業や関係機関に周知を図っていくべきと考えますが、見解を求めます。

 一方、東京商工会議所によれば、中小企業円滑化法による条件変更を利用した企業が作成することとなっている経営改善計画について、金融機関の半数が二割未満しか受け取っていないとしており、このままでは、中小零細企業などは融資の継続が打ち切られるのではないかとの心配が広がっています。こうした事態に、都は確実に対応策を講じておくべきです。

 また、経営の改善に当たっては、これまでの事業の大幅な見直しや事業転換など、思い切った取り組みも必要であり、あらゆる角度から計画的に会社の再建、将来を考えていくことが重要と考えます。

 こうした中、都では、中小企業に対し経験豊富な専門家が最大八回まで会社を訪問し、現場の実態に即したアドバイスを行う専門家派遣事業を実施しています。先日もそのアドバイスを受けた企業から、自分では気づかなかった会社の課題と解決に向けた懇切丁寧な助言をもらい、今後の事業展開の先が見えてきたとの高い評価がありました。

 このように、経営改善に効果を上げている経営相談事業を今後はさらに拡充していくべきと考えますが、見解を求めます。

 次に、生活困窮者の自立支援について質問します。

 最近、就職難などから、生活保護を受ける事例が十年で約四倍に増加しているとのことであります。

 本来、就労可能者のセーフティーネットは生活保護制度に求めるべきではありません。終身雇用制度の崩壊が進む中、非正規就労者を対象とした雇用保険制度を整えるべきでありました。

 しかし、国は今も雇用のセーフティーネットとしての役割の多くを生活保護制度を通して区市の自立支援事業に担わせており、就職できないまま保護期間が長期化するなど、社会復帰が一層困難になっています。

 現在、国では生活保護法の改正に向け、地方などの意見を聴取していますが、就労可能であるにもかかわらず離職、失職する場合は、生活保護を受ける前に、いわゆる第二のセーフティーネットによる積極的な救済を受けられるよう、機能強化を図るべきと考えます。知事の所見を伺います。

 近年、都内の区市は、国事業を活用して就労支援員を配置し、自立支援の強化を図っています。足立区では、被保護者に限らず、ひきこもりや就労経験のない若者を対象に、相談員が利用者とペアになって、比較的労働負荷の軽い職場で一緒に働きながら、次第にステップアップを図っていく仕組みが効果を上げています。

 相談員が雇用主と利用者の間に立って緩衝材的な役割を果たし、利用者の心身のケアに配慮し、粘り強く労働意欲の向上を導き、昨年度は約八百人が就労、そのうち約二百人が正規職となるなど、目覚ましい結果が出ています。

 現在、自立支援を専門とする支援職員は就労支援員だけです。模擬的な就労の現場から社会復帰支援に取り組む制度など、自立支援の充実とメンタルケアの配慮も含めて、専門的に社会復帰支援を担う支援員制度の充実強化を国に求めるべきと考えます。

 あわせて、それまでの間、都独自の取り組みを一層充実させるべきと考えます。見解を求めます。

 次に、盲ろう者支援について質問します。

 先月、都議会公明党は盲ろう者支援センターを視察し、今後の課題を調査しました。

 石原知事の英断で、我が国初のヘレン・ケラー・センターともいうべき同センターが開設され三年になります。現在では、百名を超える盲ろう者が支援サービスとともにコミュニケーション手段を身につけ、生き生きと活動している様子に、改めてセンターの重要性を確認いたしました。

 しかし、都内に約二千人いるとされる盲ろう者のうち、センターにつながったのはわずか二十分の一で、いまだ支援につながらない多くの盲ろう者の方がいます。

 いうまでもなく、盲ろう者はその障害ゆえにみずから支援機関に出向いたり連絡することが困難であり、支援する機関やサービスの情報すら本人や家族に届かない状況です。

 東京盲ろう者友の会理事長の藤鹿一之さんは、ご自身の経験から、全盲ろうとなり、コミュニケーション手段を失った。しかし、行政の職員が訪問してくださり、そのことで現在の自分があるとおっしゃっていました。

 都は、これまで以上に区市町村と連携を深め、盲ろう者や家族を直接訪問し、実効性のある支援につなげていくべきと考えます。見解を求めます。

 また現在、センターの支援につながった方々の多くは、都による盲ろう者通訳介助者派遣事業を利用して外出したり、コミュニケーションをとったりしています。私たちが訪問した際にも、通訳介助者の方が指点字によって盲ろう者の方とのかけ橋になってくださり、意見交換できました。

 今後は、より多くの盲ろう者が社会参加することになれば、それを支える高い技術を有した通訳介助者の存在がますます重要となります。

 そこで、通訳介助者のさらなる養成や待遇改善、派遣時間の拡充などを図るべきと考えますが、見解を求めます。

 また、多摩地域に盲ろう者を支援するセンターを設立することを強く要望しておきます。

 次に、東京大気汚染訴訟について質問します。

 平成十九年の訴訟和解を受け、医療費助成制度が新たに創設されました。この制度は都が提案し、医療費患者自己負担分を都、国、首都高、自動車メーカーが負担するという画期的な制度であると評価しております。

 訴訟の和解事項には、東京都は、本制度の創設後五年を経過した時点で検証の上、本制度の見直しを実施するとの文言が盛り込まれており、明年八月に制度創設満五年を迎えます。

 見直し時期まで一年を切り、患者団体の皆様からは、引き続きこの制度を継続してもらいたいとの要望が寄せられています。医療費助成制度創設に当たって先頭に立った都として、関係者に働きかけ、明年八月以降も制度が継続できるよう積極的に取り組んでいくべきであります。見解を求めます。

 次に、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック招致について質問します。

 まず、オリンピックで活躍し、日本じゅうに感動と勇気を与えてくれた選手をたたえた銀座でのパレードには五十万人の観衆が集まりました。このパレード直後の都内世論調査では、六六%の人が二〇二〇東京オリンピック開催を望んでいるとの調査結果でした。

 十二月から一月ごろ実施予定のIOCの全国世論調査に向けて、この支持率をいかに向上させるかが招致決定のかぎとなります。

 そこで、オリンピック・パラリンピックのメダリストなどの協力を得て、子どもたちを初め多くの国民が身近で触れ合えるような取り組みを全国に展開し、日本が一つになって、二〇二〇東京オリンピック・パラリンピック招致機運が醸成されるよう努めるべきですが、見解を求めます。

 また、日本を代表して活躍したパラリンピアンに対し、先だって行われたオリンピアン凱旋パレードと同様、国や都を挙げて感謝と称賛を届けるイベントを開催すべきと強く求めますが、見解を求めます。

 次に、アスリートへの支援策であります。公明党も推進したナショナルトレーニングセンターの専門的、科学的知見によるオリンピックアスリートへの支援活動は高い評価を得ているところです。

 一方、今回のパラリンピック選手の中には、すべての活動資金を自分で賄い、地域の体育館でひたすら練習を重ねながら、メダルを獲得したアスリートもおりました。

 こうしたパラリンピアンの活動を支えるために、都は、ナショナルトレーニングセンターを利用できるよう国に働きかけるなど、支援の拡充を求めるとともに、都としても、障害者のトップアスリートを育成できる仕組みを構築すべきです。見解を求めます。

 次に、来年開催されるスポーツ祭東京二〇一三は、東京が目指す二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックの開催機運を大きく盛り上げる絶好の機会であり、さらに障害者スポーツの開催を通じて、バリアフリー先進都市としての東京を世界へアピールするチャンスであります。

 スポーツ祭東京二〇一三には、障害者のアスリートはもとより、観客席にも競技を応援する障害者の方々が多く訪れます。特に、全国障害者スポーツ大会については、競技会場や周辺のバリアフリー対策に万全を期すべきであります。

 誘導ブロックやエレベーター、スロープ、手すりなどのハード面の取り組みのほか、視覚障害者のための各種音声誘導装置、聴覚障害者のための集団補聴システムの積極的な導入、さらに障害者をサポートするボランティアの協力体制など、極めてきめ細かな対応を講じるべきと考えます。

 また、各競技場への最寄り駅からのアクセスについても十分な配慮とサポートが必要であります。あわせて見解を求めます。

 次に、自転車の安全利用について質問します。

 我が党は、これまで他党に先駆け、平成二十三年第一回定例会代表質問や予算特別委員会で、自転車安全利用条例の早期制定を主張し、安全利用の推進を求めてまいりました。

 自転車による交通事故の件数は依然高い数値にあり、警視庁交通部によると、都内での平成二十三年の自転車関与事故の件数は一万九千二百九件となっています。

 このたび、東京都自転車対策懇談会から都に対する提言が行われましたが、その中に安全利用条例の制定など、さまざまな提案が盛り込まれておりました。都はこの提言を受けて、直ちに自転車の安全利用に関する条例を制定すべきであります。

 具体的には、社会全体での安全教育の推進、自転車の点検、整備の促進、また放置自転車対策の推進等の総合的な内容とすべきであります。条例制定について見解を求めます。

 次に、多摩の振興策について質問します。

 多摩地域は、人口が四百万人を超え、大学や研究機関、先端技術産業の集積、加えて自然環境にも恵まれるなど、多摩ならではの魅力にあふれた地域であります。

 都はこれまで、東京構想二〇〇〇を受け、平成十三年に多摩の将来像二〇〇一を策定し、それに続く多摩アクションプログラムや多摩リーディングプロジェクトなどを通じ、地域交通網の充実や医療体制の整備などを図ってきました。

 また、多摩の山手線としての多摩都市モノレール構想や多摩シリコンバレーの形成による産業交流の活性化の検討など、多摩振興に向けて数々の構想を打ち出してきました。

 多摩の将来像二〇〇一は、それまで三多摩格差の解消を目指していたものから、区部との比較ではない、多摩地域の発展の潜在力に視点を移した点では画期的な構想でありました。

 都は今後、多摩の将来像二〇〇一にかわる新たなビジョンを策定するとのことですが、まずは、将来像として同構想で描いた平成二十七年の多摩地域のあるべき姿についての検証を行うべきと考えますが、見解を求めます。

 また、こうした検証を踏まえた上で、新たなビジョンを策定する際の新しい多摩の将来像を描く理念は何か、見解を求めます。

 最後に、離島振興法改正に伴う都の離島支援について質問します。

 本年六月に改正離島振興法が成立し、公布されました。今回の改正により、離島振興が国の責務であることが明示されたことは画期的です。

 また、新たに離島活性化交付金制度が導入され、地元提案型の定住対策や観光対策などソフト対策事業が推進できるようになりました。

 さらに、離島特別区域制度が導入され、さまざまな規制を取り払い、各島の創意による離島振興が行える道が開かれました。

 我が党は、他党に先駆けて離島振興ビジョン二〇一〇を発表し、多くの島の意見、要望を受けて、今回の改正を強力に推進しました。その結果、我が党の提案が数多く盛り込まれた内容となっています。

 これからは、離島の各島が新しい法律をいかに生かすか、地元の創意工夫にかかっています。現在、都内の各島では、来年度から十年間を見据えた離島振興計画案づくりが行われています。これをもとに、都として新たな離島振興計画を策定することになっています。

 そこで都は、各島からの生活実態を踏まえたソフト支援策や規制緩和などを強力に支援すべきであります。特に、各島で共通している課題である、若者が地元で雇用されるような定住対策を積極的に支援すべきであります。こうした視点を踏まえて、都は計画を策定すべきと考えますが、都の具体的な取り組みについて見解を求めます。

 また、離島振興計画の策定に当たっては、広域的な視点で総合的な島しょ振興策を明らかにする必要があります。そのためには、関係局と綿密な連携を行うため、検討会を設置すべきと考えます。見解を求め、私の代表質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)

   〔知事石原慎太郎君登壇〕

〇知事(石原慎太郎君)

 野上純子議員の代表質問にお答えいたします。

 まず、人権意識についてでありますが、人はだれしも他者とのかかわりの中で生きておりまして、一人一人の人間がかけがえのない存在として生きているとうとさを認め合うことが重要であると思います。

 しかし、野上さんは先生もしていらっしゃるからよくご存じでしょうけれども、やはり子どもは子どもでありまして、成人とは大分意識が違います。本能も違います。

 いじめも動物的な何か、競争意識というんでしょうか、そういうものから発生してくると思いますが、しかし、かつては教育勅語のように、その是非は別にして、人間の基本的な価値観について、あるいは権利なり義務について説く規範というものがありましたが、今日ではそれがほとんどなくなりまして、学校で具体的にどういう教育をしているか知りませんが、これはまたある意味では野方図な形で、子どもを教育はしているんでしょうけれども、私にいわせると精神的に放置しているという感じも否めないような気がいたします。

 いずれにしろ、昨今の日本の社会全体では、他人への配慮が忘れられまして、自分の権利だけを声高に主張して、義務を軽視するという愚かしい現象が生じていることは否めないと思います。

 自分の好まないことを相手にもしないという人間相互の黙約が形骸化しまして、子どもに基本的なルールを教えるべき大人自身が全く自己本位になって、顧みない節がございます。

 こうした社会のゆがみを正して、本当の意味での人権が尊重される社会としていくためには、人権尊重の理念と人権に関する正しい理解を絶えず促していかなければならないと思いますが、どうもやはり世間全体の風潮としては、時代や、あるいは立場と価値観を超えて人間が継承していかなくちゃいけない基本的な価値の基軸というそのものが毀損されているような気がしてなりません。

 今後とも、みずからを律し、自立した個人が自由に選択し行動しながら、人間の存在と尊厳を守ることのできる社会の実現を目指していかなきゃならぬと思いますが、そのためにやはり、私たちが失いつつある基本的な価値の基軸というものをどうやって取り戻すかということを、私たち真剣に考えなきゃならないと思っております。

 次いで、防災、減災対策についてでありますが、国民の生命、財産を守るのは政の根幹でありまして、防災対策はその最たるものだと思います。

 防災、減災を実現するためには、政治が本来の役割を十分に果たす必要があります。しかしながら、国は、首都直下地震対策について、四月になってからようやく検討を始め、夏には中間報告をしたものの、首都圏に甚大な被害を及ぼすと見込まれる火災や津波への対策は後送りにされるなど、いつ来るとも知れない大震災への危機感、スピード感が私は足りないと思います。

 東京は、日本の心臓部となる大都市でありまして、万が一、大震災で機能が停止いたしましたら、国そのものが沈みかねません。だからこそ、国の動きを待つことなく、首都を預かる知事の職責において、地域防災計画の見直しを指示し、都市インフラの整備やライフラインの早期復旧といった大震災への具体的な手だてを、被害を軽減するための具体的な目標を定めているところであります。

 今後も、自衛隊、警察、消防の力を最大限発揮する首都直下地震への基本戦略の策定、防災隣組の普及拡大による地域のきずなの再生など、地に足のついた取り組みを推し進めて、東京を高度防災都市へと飛翔させていきたいと思っております。

 次いで、低所得者の自立の支援についてでありますが、都は、生活に困窮している都民が、みずから安定した生活への道を切り開けるように、国に先んじて、住居や就労の支援等を行う重層的な低所得者、離職者対策を実施してきました。

 こうした取り組みを受けて、国は、居住支援や職業訓練などの第二のセーフティーネットを整備しましたが、臨時的な財政措置にとどまるなど、いまだ十分とはとてもいえないと思います。

 また、現在策定を進めております生活困窮者への生活支援戦略においても、国の役割はまだ不明確でありまして、自治体にその仕事を丸投げしている印象が否めません。

 働く意欲がありながら、生活に困窮した状態から抜け出せない人が生活保護に至る前に、的確に支援を行っていくことは、基本的には国の責任であると思います。

 第二のセーフティーネットを生活困窮者の真の自立につなげるためにも、都は国に対して、安定的な財源の確保や、きめの細かい就労支援や生活支援の充実強化を強く要求していきたいと思っております。

 他の質問については、警視総監、教育長、技監及び関係局長から答弁いたします。

   〔警視総監樋口建史君登壇〕

〇警視総監(樋口建史君)

 いじめ問題への警察としての対応のあり方について申し上げたいと思います。

 いじめ問題は、一義的には教育現場で対応すべき問題でありますけれども、その中に犯罪に当たる行為があれば、警察として捜査を行うべきは当然のことでございます。

 捜査に際して大事なことは、警察と教育現場とが緊密な連携のもとで、早い段階から必要な情報を共有することであります。それによって、双方にとって的確な対応が可能になるものと思います。

 そういったことで、先般、警視庁と東京都教育庁との連絡会議を開催いたしました。いじめ問題について、双方の責務の明確化、各種相談制度の充実と周知、そして教育相談機関への警察官OBの配置等について申し合わせを行ったところでございます。

 それから、悩みを抱えている少年や保護者が直接警察に相談できる仕組みについてはどうなっているのかお尋ねでございますが、警視庁では、気兼ねなく匿名でも相談ができるようにということで、昭和四十九年から始めておりますが、ヤング・テレホン・コーナーと呼んでおりますけれども、電話による相談窓口を開いております。年間で三千五百件を超える相談に対応いたしております。

 そのほかに、警視庁本部の少年相談室、そして都内八カ所にございますけれども、少年センター、そして各警察署にも相談窓口を開いております。電話相談であれ、来所相談であれ、いずれにも対応できる体制をとっているところであります。

 ちなみに、本部と各少年センターには心理専門の職員を配置しておりまして、非行、ひきこもり、家庭内暴力、いじめ問題等々いろいろな問題がありますけれども、さまざまな少年相談に対応しているところであります。

 なお、いじめの問題に関する相談への対応に際しましては、被害児童の安全を第一に考え、相談者の意向にも十分配慮した上で慎重に進めてまいりたいと考えております。

 また、これは本年度中に完成の予定とのことでございますが、東京都子供家庭総合センターという新しいビルが完成いたしますと、その中に三つの機関が、一つは東京都児童相談センター、そして東京都教育相談センター、そして警視庁新宿少年センター、この三つの相談機関が一緒に入ることになっております。同じビルの中で、子どもと家庭のさまざまな問題に対する総合的な対応が可能になるものと思います。今後の機関連携のモデルになるものと期待をいたしております。

 連携に関しましてもう一言申し上げますと、これは既に行われているんですけれども、児童相談センターや児童相談所には、警察官や警察官OBが配置されているのでありますけれども、今後は、教育相談センターにも警察官OBの配置を検討しているところでございます。こうした措置によりまして、さらなる連携の強化が図られるものと存じます。

   〔教育長比留間英人君登壇〕

〇教育長(比留間英人君)

 四点のご質問にお答えをいたします。

 まず、緊急調査を踏まえたいじめ対策についてでありますが、都教育委員会は、七月に都独自の緊急調査を実施し、いじめといじめの疑いのある約一万一千件を把握いたしました。現在、学校では、そのすべての案件について鋭意対応をしているところでございます。

 昨今のいじめの原因や形態は複雑化していることから、その解決には、学校の努力とあわせて、児童生徒からのいじめの実態把握や学校外の多様な専門家の知見を得ることも必要でございます。

 こうしたことから、今年度立ち上げた自殺予防のための検討会議に、弁護士や相談機関等の専門家を新たに加え、児童生徒からの声も含めて幅広く実態を把握し、いじめなどの問題行動や生命にかかわる重大な事件、事故を防止するための方策を早急に検討してまいります。

 次に、いじめから子どもを守れる教師集団についてでありますが、教員は日々、児童生徒の言動を注意深く観察し、いじめの早期発見に努めておりますが、いじめは学校の内外を問わずさまざまな場面で発生をしているため、家庭や関係機関等と連携して対応していくことが重要でございます。

 都教育委員会では、各学校が児童生徒のわずかな変化も見逃さず解決に取り組むことができるよう、いじめ発見のポイントなどを示した指導資料を早期に改訂、配布し、教員の意識と対応力を高めてまいります。また、教員が一人で問題を抱えることなく、組織的に対応することの重要性について徹底をしてまいります。

 また、疑いのあるものも含め、把握したいじめについて、学校と関係機関等が情報を共有できる体制を強化するなど、総合的にいじめ問題に取り組んでまいります。

 次に、児童生徒との信頼を深める取り組みについてでありますが、各学校では、保護者会や個人面談などの計画的な実施に加え、保護者の理解を得ながら、学級担任が家庭訪問を行い、学習や生活に関する情報を保護者と共有するように努めております。

 こうした学校の取り組みを一層支援するため、都教育委員会は、平成二十三年度から保護司や心理学系の大学生などから成る家庭と子どもの支援員を学校に配置し、教員と支援員と一緒に家庭訪問などを行うことで、保護者とともに児童生徒が抱える課題の解決に努めております。

 今後とも、この支援員制度の成果を区市町村に周知するとともに、学校と保護者が連携し、いじめなどの問題行動の未然防止、早期対応に取り組めるよう、児童生徒との信頼関係を深める取り組みを積極的に推進をしてまいります。

 最後に、公立学校の非構造部材の耐震化についてでありますが、都教育委員会は、本年七月、国に対し、非構造部材の耐震化に係る具体的な対象及び指標を明示するよう要望いたしました。

 現在、都立学校については、天井高が高く照明器具等の取りつけや落下防止の措置にふぐあいがあると、地震発生時に重大事故につながるおそれがある体育館を優先して、専門家による総点検を実施しております。

 今年度中に点検を完了し、国が今後示す具体的な指標等を踏まえた落下防止対策を実施してまいります。

 また、小中学校につきましては、区市町村教育委員会に対して、非構造部材に係る耐震点検及び耐震対策の実施状況を調査し、各学校での点検が専門家を交えたものとなるよう助言を行ってきました。

 あわせて、都立学校で進めている取り組みを紹介するなど、非構造部材の耐震化対策に関する情報提供を行うとともに、整備に係る十分な財源措置を引き続き国に強く働きかけることにより、区市町村教育委員会を積極的に支援をしてまいります。

   〔東京都技監村尾公一君登壇〕

〇東京都技監(村尾公一君)

 二点のご質問にお答えいたします。

 まず、道路や護岸、岸壁背後の空洞化対策についてでございますが、災害時に都民の生命、財産を守る上で、各施設の適切な維持管理を図ることは極めて重要でございます。

 このため都は、巡回点検などを的確に実施し、異常が認められた場合、速やかに必要な対策を講じるなど、安全・安心の確保に努めております。

 加えて、路面の下のような、路面下といいますが、直接目視できない箇所では、未然防止の観点から、異常の早期発見が重要でございます。

 道路においては、過去の陥没における教訓を踏まえ、大型の地下構造物が埋設されている路線など、地中レーダーによる調査が必要な路線を対象として、平成四年度から計画的に路面下空洞調査を実施しております。

 引き続き、道路での調査を効果的に実施するとともに、河川の防潮堤と都道が隣接している箇所や重要な臨港道路、老朽化した岸壁の背後などにおいて、空洞化調査の実施を検討するなど、的確に対応してまいります。

 今後とも、平時のみならず、災害時を想定し、各施設の維持管理を着実に行い、都民の安全・安心の確保に取り組んでまいります。

 次に、木造住宅密集地域における特定整備路線の取り組みについてでございますが、特定整備路線は、震災時に特に甚大な被害が想定される整備地域の防災性向上を図る都施行の都市計画道路でございます。

 木密地域で用地取得を早期に進めるに当たりましては、居住者の高齢化や権利関係の複雑さなどが課題になるため、関係権利者の生活再建に向けたサポート体制や移転先の確保などが重要でございます。その制度案を年内に示してまいります。

 また、特定整備路線の候補区間につきましては、六月に公表した新設道路など二十三区間に加え、一定の道路幅員が確保されている概成区間などについても、整備効果の検証などを進め、来月にすべての区間を公表いたします。

 今後とも、地元区と連携を図りながら、特定整備路線の整備に、全庁を挙げ全力で取り組んでまいります。

   〔青少年・治安対策本部長樋口眞人君登壇〕

〇青少年・治安対策本部長(樋口眞人君)

 二点のご質問にお答えいたします。

 まず、ネットから子どもたちを守る取り組みについてであります。

 都では、インターネットに関するさまざまなトラブルの相談窓口として東京こどもネット・ケータイヘルプデスクという相談窓口を設置し、アドバイス等を行っておりますが、相談の中で緊急性の高いトラブルを認知した場合は、教育、警察など関係機関に迅速な情報提供を行うこととしております。

 なお、都教育委員会においては、いわゆる学校裏サイト等の監視を実施し、サイト運営者に不適切な書き込みの削除要請や履行確認などを行っております。

 今後、いじめの存在を疑わせるような書き込みなどに的確に対応するため、都のヘルプデスクで受け付ける相談については、関係機関への迅速な通報や都が直接サイト運営者に削除要請を行うなど、対応のための新たな基準を作成し、有効な対策に取り組んでまいります。

 次に、自転車の安全利用についての条例の制定についてであります。

 自転車利用者がルール、マナーを守って安全に自転車を利用するためには、自転車は車両であるとの認識のもと、社会全体でのさまざまな取り組みが必要と考えております。

 都といたしましては、自転車対策懇談会の提言を受け、まずは自転車の安全で適正な利用を促進するための条例を早期に提案できるよう取り組んでまいります。

 内容といたしましては、行政等の関係者の責務を明らかにするとともに、家庭、学校等における安全教育を推進するための規定、車体の点検、整備の促進に関する規定、従業員の通勤用自転車の駐輪場所を事業者が確認することを義務づける規定などを盛り込むことが考えられますが、関係者や都民の幅広い意見も踏まえて検討してまいります。

   〔水道局長増子敦君登壇〕

〇水道局長(増子敦君)

 安定給水を継続する取り組みについてでありますが、利根川水系では、八月のわずか一カ月間、雨が少ないだけでダムの貯水量が大きく減少し、十一年ぶりに取水制限が実施されました。

 水道局では、直ちに渇水対策本部を立ち上げ、都民への影響を最小限に抑えるよう対策を実施しております。

 ご指摘のとおり、渇水が七月に始まっていれば、さらに厳しい取水制限が実施され、都民に多大な影響を及ぼしていたことも考えられます。

 また、将来、温暖化により積雪が大幅に減少するなど、気候変動による水資源への影響が懸念されていることから、今後、これまで経験したことのない厳しい渇水が発生するおそれもあります。

 こうしたことを踏まえると、現在建設中の八ッ場ダムを早期に完成させるとともに、水系間の相互融通機能の強化などの取り組みを総合的に進め、厳しい渇水時においても安定給水の確保に努めてまいります。

   〔都市整備局長飯尾豊君登壇〕

〇都市整備局長(飯尾豊君)

 五点のご質問にお答えいたします。

 まず、緊急輸送道路沿道建築物の耐震化に対する総合設計制度の活用についてでございますが、都は、昨年の沿道建築物の耐震化推進条例の制定に先立ちまして、平成二十二年、建築基準法に基づく総合設計制度を改正し、沿道建築物を建てかえ耐震化する場合には容積率を通常より緩和できることといたしました。

 改正後、総合設計制度で許可した沿道建築物の建てかえは四件でございまして、このうち三件で新たな緩和を適用いたしました。

 しかし、延べ面積が一万平方メートル以下の規模を所管する区や特定行政庁である市で、都と同様の改正を行っているのは一部にとどまっております。

 このため、他の区市に対して、早期の制度の改正と一層の活用を積極的に働きかけ、都と区市が一体となって緊急輸送道路沿道の建築物の耐震化を推進してまいります。

 次に、特定沿道建築物の所有者への対応についてでございますが、耐震診断の結果を耐震化に着実に結びつけていくためには、建物の状況や所有者の事情に応じてきめ細かく対応していくことが重要でございます。

 このため、まず、都としては、耐震診断が完了した建物の所有者のもとを、順次直接訪問し、改修や建てかえに関する助言を行うとともに、所有者の意向の把握に努めてまいります。

 さらに、事業の経営、土地、建物の利活用や相続など、所有者からの幅広い相談に対応できるよう、関係局や関係団体、金融機関とも連携を図り、必要な情報提供や窓口の紹介を行ってまいります。

 こうした取り組みを積極的に進めることにより、特定沿道建築物の耐震化を強力に推進してまいります。

 次に、緊急輸送道路沿道の併存店舗つき都営住宅の耐震化についてでございますが、耐震改修の対象となる住棟のうち、区分所有者である店舗権利者の費用負担が発生するものは十二棟でございます。これまで、権利者に診断結果や耐震改修に係る費用負担などについて説明し、耐震化を働きかけてきておりますが、権利者からは、費用負担が困難との意見が多く出されております。

 このため、これらの住棟の耐震化を推進するためには、権利者の負担の軽減を図ることが必要と考えており、今後、こうした併存店舗部分につきましても、補助の実施主体である区と沿道建築物に対する耐震化の補助制度の適用に向けて調整を進めてまいります。

 次に、不燃化特区における取り組みについてでございますが、現在、先行実施地区に応募した各区からの提案内容も踏まえ、区と緊密な連携を図りながら、地区ごとに整備プログラムの作成作業を始めております。

 今後、こうした取り組みを踏まえて、先行実施地区において、地域の実情に合った特別な支援策にかかわる制度構築を図り、来年度当初から事業をスタートさせます。

 あわせて、その他の地区についても、各区に整備プログラムの作成を働きかけ、先行実施地区の情報提供を行うなど、都がきめ細かな支援をすることで、より多くの地区での事業実施を目指してまいります。

 こうしたことにより、木密地域解消に向けた不燃化特区の取り組みを拡大してまいります。

 最後に、白鬚東防災拠点の貯水槽についてでございますが、本拠点の都営住宅及び民間マンションの地下には、都施行の市街地再開発事業によりまして、約二千七百立方メートルの貯水槽が設置されております。

 このたびの東京都地域防災計画の修正素案では、これまで整備してきた既存の施設等の活用を基本方針として明確に示すとともに、発災時に給水拠点として活用できる貯水槽等については、適切に維持管理、更新を行っていくこととしております。

 今後、地域防災計画の修正を踏まえ、民間マンション等と調整を図りながら適切に取り組んでまいります。

   〔総務局長笠井謙一君登壇〕

〇総務局長(笠井謙一君)

 七点のご質問にお答えをいたします。

 まず、一時滞在施設の耐震化についてでございますが、大規模災害発生時には、多くの行き場のない帰宅困難者を一時滞在施設に安全に受け入れる必要がございます。

 このため、一時滞在施設の運営方法を定めたガイドラインにおきまして、耐震性を有する施設を確保することや、あらかじめ家具類の転倒、移動防止等の対策を講じることを定めております。さらに、施設管理者が、地震発生直後に壁や天井、照明器具などの安全性を確認するチェックリストも示したところでございます。

 今後、このガイドラインを普及浸透していくことにより、非構造部材も含め、一時滞在施設の耐震性の確保をより図ってまいります。

 次いで、女性の視点に立った防災対策の推進でありますが、地域防災計画修正素案の作成に当たりましては、東日本大震災の際、被災地で女性の被災者を支援するボランティア活動を行った方を、東京都防災会議の専門委員として任用し、被災地に派遣された都の女性職員との意見交換会を開催するなど、女性から見た防災対策の課題について、具体的な検討を行いました。

 この検討の成果を踏まえ、修正素案では、授乳室の設置など避難所における女性用スペースの確保、女性用物資の配布方法や仮設トイレの設置場所の選定に際する女性への配慮など、きめ細やかな対策を盛り込んだところでございます。

 今後、防災に関する意思決定過程への女性の参画の拡大など、災害対策基本法の改正趣旨等も踏まえ、男女双方の視点に配慮した防災対策を推進してまいります。

 次いで、帰宅困難者対策にかかわる事業者向けガイドラインの普及方策についてでありますが、先般取りまとめたガイドラインにおいて、従業員等の施設内待機、駅や集客施設等の利用者保護、一時滞在施設の運営などについて、事業者が取り組むべき平時からの備えや災害時における詳細な手順などを示しました。

 今後、ガイドラインを各事業者に浸透させ、帰宅困難者対策を促していくことが必要であります。

 このため、都は、経済団体等とも連携し、事業者向けのガイドラインの説明会を開催するとともに、事業者の率先的な取り組みなども盛り込んだハンドブックを作成、配布するなど積極的な普及啓発を実施してまいります。

 次いで、多摩の将来像二〇〇一の検証についてでありますが、都は、平成十三年に多摩の将来像二〇〇一を策定し、自立と連携を基本理念として、二〇一五年の多摩のあるべき姿と今後の取り組みの方向性を明らかにいたしました。

 この将来像に基づき、平成十五年以降、多摩アクションプログラム、多摩振興プロジェクト等を策定し、多摩振興の推進に向け、さまざまな施策を展開してきました。

 その結果、南北道路を初めとした交通網の整備、産業サポートスクエア・TAMAの開設などの産業支援、多摩総合医療センターの開設など、ハード、ソフト両面にわたる取り組みが進み、自立した多摩の礎が着実に築かれつつあります。

 今後は、こうしたこれまでの取り組みや課題を検証し、新たな多摩のビジョンの策定に反映してまいります。

 次いで、新たな多摩のビジョン策定の理念についてでありますが、多摩地域においては、二〇一五年の約四百二十万人をピークに人口減少局面に転じていくことが想定され、また、地域の発展に重要な役割を果たしてきた大規模工場が、今後相次いで撤退することが見込まれるなど、多摩を取り巻く状況は、多摩の将来像二〇〇一策定時と比べて大きく変化をしております。

 こうした状況変化を直視し、地域が抱える課題に的確に対応していくためには、これまでの多摩振興の経過を踏まえつつ、これからの多摩の目指すべき姿や理念を早期に明らかにする必要があり、今般、市町村と連携し、今年度中を目途に新たなビジョンを作成することといたしました。

 今回策定するビジョンは、先端技術産業や大学、研究機関の集積、豊かな自然環境など、多摩の持つ強み、ポテンシャルを改めてとらえ直し、二〇三〇年ごろを念頭に今後の方向性を示していくものでございます。

 また、今回のビジョンは、今後の行政の指針にとどまらず、地域で活動する民間企業やNPOにとっても、今後の活動指針になることを目指しております。

 次いで、新たな離島振興計画についてでありますが、現在の東京都離島振興計画は、平成二十四年度末までの時限立法である離島振興法に基づき、内地と比較し厳しい条件下にある島しょの地域格差を是正するため、自立的な発展を促して、島民の生活や福祉の向上を図ることを目的として策定したものでございます。

 都はこれまで、本計画に基づき、観光、交通、情報通信及び防災を重点施策と位置づけ、その推進に積極的に取り組み、島しょ地域の生活環境を大きく改善してまいりました。

 今回、離島振興法が改正、延長されたことに伴い、都として、町村が住民意見を反映して作成する島別振興計画案を踏まえ、平成二十五年度から十年間の新たな離島振興計画を策定することといたしました。

 今後、就業促進や定住対策等の本計画に盛り込むべき課題について検討を行い、一月に素案を公表し、パブリックコメントを経て年度末に策定する予定でございます。

 次いで、計画策定にかかわる関係局との連携等についてでありますが、東京都離島振興計画の策定に当たりましては、町村の意見を十分に踏まえるとともに、関係局と密接な連携を図り、広域的な視点から計画を策定する必要があります。

 このため、各町村とは、町村が作成した島別振興計画案について、都としてヒアリングを行い、島の実態や町村の意向を十分把握するとともに、各島に共通する課題や施策の優先度に関し意見交換を重ねるなど、計画に反映させるべき事項について、きめ細かく調整をしてまいります。

 また、関係局で構成される多摩島しょ振興推進本部内に、計画策定に関する実務者レベルの検討会を新たに設け、ハード、ソフト両面からの総合的な島しょ振興策を各局連携し、検討してまいります。

   〔福祉保健局長川澄俊文君登壇〕

〇福祉保健局長(川澄俊文君)

 五点のご質問にお答えいたします。

 まず、避難所管理運営の指針の見直しについてですが、東京都地域防災計画の修正素案では、避難者対策として、安全性を考慮した避難所の確保を図るとともに、女性や災害時要援護者の視点も踏まえた避難所運営体制を確立することを目標に定めております。

 また、区市町村が取り組むべき具体的な事項として、洋式トイレなど高齢者、障害者等の災害時要援護者に配慮した施設、設備の整備や女性専用更衣室や授乳室の確保、避難所運営における管理責任者への女性の配置などを盛り込んでおります。

 今後、女性や要援護者に配慮した避難所運営が行われるよう、区市町村や関係団体等の意見も聞きながら指針を改定するとともに、区市町村に対しても、避難所管理運営マニュアルの作成や改定を働きかけてまいります。

 次に、災害時における傷病者の搬送についてですが、都は現在、消防、警察、自衛隊等の関係機関や民間事業者等と連携し、救急車、ヘリコプター、船舶等の多様な搬送手段を確保しておりますが、災害時には道路の寸断など、傷病者の搬送に多くの課題が発生すると想定されるところです。

 そのため、昨年十二月に設置した東京都災害医療協議会では、改めて、重症度、人数、距離など、搬送需要ごとに搬送体制の検討を行い、都や区市町村が設置する災害医療コーディネーターが中心となって、傷病者の発生状況や受け入れ可能な医療機関の情報を一元的に把握し、搬送手段や搬送先の調整を行う体制を構築することといたしました。

 今後は、二次保健医療圏ごとに設置する地域災害医療連携会議において、具体的な運用方法の検討や訓練による検証を行い、地域の実情に応じた実効性ある搬送体制を構築してまいります。

 次に、生活保護受給者に対する自立支援についてですが、お話のように、都内の福祉事務所では、就労支援員を活用したさまざまな取り組みが行われ、効果を上げているところでございます。

 こうした取り組みを一層進め、生活保護受給者等への自立支援をより充実できるよう、都は国に対し、本人の状態に応じた多様な就労支援策の実施、専門支援員の配置に必要な安定的な財政措置など、福祉事務所の実施体制の強化、ハローワークと福祉事務所との連携強化などを提案要求してまいります。

 また、都が独自に実施している被保護者自立促進事業につきましては、生活保護受給者の自立を促進するため、引き続き推進し、区市の先駆的な取り組みを支援してまいります。

 さらに、その中で行われている効果的な自立支援策については、国に働きかけ、制度化を目指してまいります。

 次に、盲ろう者や家族への支援についてですが、お話のように、盲ろう者を支援につなげていくためには、住民に身近な窓口である区市町村と盲ろう者支援センターとの連携を一層強化していくことが重要でございます。

 そのため、都はこれまでも、各種会議などを通じて支援センターとの連携を区市町村に働きかけてまいりました。

 先駆的に取り組んでいる荒川区では、支援センターと連携し、介護従事者向け研修会の実施や、支援センターのサービス情報の当事者への提供などを行っております。また、支援センターへの相談を契機に、盲ろう者の家庭をともに訪問し、生活の把握や支援を行っている自治体もございます。

 今後も、こうした自治体による活用事例や支援センターの活動を紹介し、区市町村と支援センターとの連携を推進してまいります。

 最後に、通訳介助者の派遣についてですが、視覚障害と聴覚障害が重複し、コミュニケーション手段が特に限られる盲ろう者にとって、通訳介助者の支援は生活する上で重要なものでございます。

 都は、盲ろう者の社会参加を確保するため、通訳介助者の派遣や養成に取り組んでおり、平成二十一年度からは、各種訓練や総合相談等を行う盲ろう者支援センター事業と一体的に実施し、支援の拡充に努めてまいりました。

 その結果、通訳介助者派遣時間は、支援センター開設前の平成二十年度の約二万四千時間から、平成二十三年度には約三万六千時間へと増加しております。

 今後とも、多くの盲ろう者が必要なサービスを利用して社会参加が促進されるよう、現場の意見も聞きながら適切に対応してまいります。

   〔中央卸売市場長塚本直之君登壇〕

〇中央卸売市場長(塚本直之君)

 風評被害を効果的に解消する取り組みについてでありますが、原発事故の被災地からの産品については、ご指摘のとおり、他の産地と比べて低価格になるなど、風評被害が現在も続いております。

 これまで市場は、被災産地のフェアを行うなど出荷を支援してまいりましたが、今後は、消費地での風評対策にも一層力を入れる必要があります。そうした場合、消費者に接する小売業者が被災産地の検査体制等を実際に見聞し、これを消費者に伝えて安心を得ることが効果的でございます。

 そこで今後、地方市場を含めた業界の協力のもと、小売業者を中心とした被災産地における意見交換会を実施するとともに、豊島市場のちょうちんのように、都民にわかりやすくアピールする被災地支援のステッカーやのぼりを小売店舗等に配布するほか、都のホームページで活動を紹介するなど、小売業者等の取り組みをサポートしてまいります。

   〔生活文化局長小林清君登壇〕

〇生活文化局長(小林清君)

 被災地でのバリアフリー映画の上映についてでありますが、芸術文化は人の心に安らぎと力を与え、大きな心の励ましにもつながるものであります。

 都はこれまで、東京都交響楽団やヘブンアーチストを被災地に派遣するなど、芸術文化を通じた支援に継続的に取り組んできました。

 障害者の方々に対して芸術文化に触れる機会をさらにふやしていくことも重要であり、お話の被災地でのバリアフリー映画の上映は、そのための有効な手段であると認識をしております。

 このため、都としては、これまでの活動で築いてきた被災三県でのネットワークやノウハウを活用し、現地事務所とも連携しながら上映に協力をしていきます。具体的には、主催者に対してバリアフリー映画の上映に適切な会場の情報を提供することや、障害者関係団体に対して積極的な広報を行うことなどにより、民間が実施するバリアフリー映画上映の取り組みを支援してまいります。

   〔環境局長大野輝之君登壇〕

〇環境局長(大野輝之君)

 二点のご質問でございます。

 まず、再生可能エネルギーの利用拡大に向けた取り組みについてでございますが、自然に恵まれた我が国には、本来、再生可能エネルギーのポテンシャルが豊富に存在しております。日本のすぐれた技術によってこれを最大限に活用することは、国内産のエネルギー源の確保という点でも、また、地球温暖化対策という点でも大切であることに加えまして、新たなビジネスを創出し、成長を促進する効果を持つ極めて重要な取り組みであると考えております。

 こうした三つの意義を持つ再生可能エネルギーの利用を飛躍的に拡大するため、国の取り組みの強化を働きかけるとともに、都としても大都市の特性を踏まえた積極的な取り組みが必要と考えております。

 このため、国や電力会社に対しては、再生可能エネルギーで発電された電力を送電系統に優先的に接続するなど、固定価格買い取り制度の適正な運用や、電力の広域融通のための送電系統の一体運用及び強化を引き続き強く要求してまいります。

 また、都は、建物が集積する大都市の特性を生かした取り組みといたしまして、都市の貴重な未利用資源ともいうべきビルや住宅などの屋根を有効に活用するため、発電事業者が建物所有者から屋根を借りて太陽光発電を設置する、いわゆる屋根貸しビジネスのマッチングの場を提供する新たな取り組みを開始することといたしました。

 さらに、固定価格買い取り制度導入などの状況変化も踏まえ、東京における再生可能エネルギー全体の利用拡大に向けた実効性のある新たな戦略の策定に着手してまいります。

 次に、いわゆるネガワットの考え方と賢い節電の促進についてでございますが、我が国では、これまで夏に生じるピーク時の電力需要に対しまして、専ら発電所の整備によって供給力の拡大で対応してまいりました。

 しかしながら、例えば、ことしの夏を例にとりますと、その最大電力は五千七十八万キロワットでございましたが、五千万キロワットを超える需要が発生したのは三日間でありまして、延べ時間でもわずか六時間にすぎませんでした。

 こうした短期間のピーク電力需要を省エネや節電で抑制できれば、発電所をつくり、供給力を追加する必要性がそれだけ減少いたします。ネガワットとは、こうした点に着目し、省エネ、節電による需要の抑制が発電所の整備と同等の効果を持つという考え方でございまして、スマートエネルギー都市の実現に向けた有効な概念と認識しております。都は、こうした考え方も踏まえまして、省エネ・エネルギーマネジメント推進方針に基づき、賢い節電の定着を誘導してまいります。

 とりわけ、家庭が主体的に省エネ、節電に取り組めるよう、住宅用のエネルギーマネジメントシステム、いわゆるHEMSを積極的に活用し、太陽光発電や蓄電機能等との連携による電力のピークカット、ピークシフトや、生活パターンに応じた家電製品等の最適制御を可能とする仕組みの普及を促進してまいります。

 加えまして、国や東京電力に対しては、家庭のライフスタイルに応じた複数の季節別、時間帯別料金メニューの導入など、需要側からの節電促進に向けた積極的な対応を強く求めてまいります。

   〔産業労働局長中西充君登壇〕

〇産業労働局長(中西充君)

 三点のご質問にお答えいたします。

 まず、中小企業の資金繰り支援についてでございますが、今回の国の決定により、十一月以降、国のセーフティーネット保証に対応した制度融資メニューを利用できなくなる企業に対しては、都独自の融資メニューでございます経営一般の融資条件を緩和いたします。

 具体的には、リーマンショック以前と比べて売り上げが減少している企業も対象に加えることにより、利用の間口を広げるとともに、引き続き小規模企業者に対する保証料の二分の一補助を行います。

 また、地域の金融機関と連携した新保証つき融資において、十月から取扱金融機関を拡大するほか、今年度末までの特別措置として保証料率の引き下げを行います。

 こうした取り組みにより、国の業種絞り込みの実施後も引き続き中小企業の資金繰りを着実に支援してまいります。

 次に、都の対応の周知についてでございますが、国の業種絞り込みの影響を受ける中小企業に対して、今後都が実施するさまざまな金融施策についてきめ細かい情報提供を行うことが重要でございます。

 このため、都は、中小企業向けのリーフレットを新たに作成いたしまして、金融相談窓口で活用するほか、ホームページなどさまざまな広報媒体を通じ、中小企業に対する的確な周知を図ってまいります。加えて、区市町村とすべての取扱金融機関に対しきめ細かく情報を提供するとともに、今回の支援策の円滑な運用への協力を要請してまいります。こうしたさまざまな機会をとらえ、都の支援策の周知に努め、利用促進を図ってまいります。

 最後に、経営改善の取り組みへの支援についてでございますが、経営改善に取り組む中小企業が経営上の課題を把握し、その的確な解決を図ることができるよう、会社の現場で豊富な知識やノウハウを持つ専門家の助言を受けることは効果的でございます。

 都では、中小企業振興公社において、幅広い分野から専門家約三百名を登録し、企業の要請に応じて継続的に会社を訪問し、課題解決に向けたアドバイス等を行う専門家派遣事業を実施しております。

 この事業の相談実績は昨年に引き続き伸びており、利用者の評価も高いことから、金融円滑化法の終了に伴う経営改善計画の作成を含め、今後も中小企業からの要望に適切に対応できるよう検討してまいります。

   〔知事本局長前田信弘君登壇〕

〇知事本局長(前田信弘君)

 東京大気汚染訴訟の和解に基づく医療費助成制度についてのご質問にお答えします。

 本制度は、一定の要件を満たす都内のすべての気管支ぜんそく患者の方々に助成を行うものでございます。もとより、大気汚染の根本的な原因は国の不作為にあり、国が責任を持って総合的な健康被害者救済策を早期に講じていく必要がございます。都は、引き続き国に対し救済策の創設を強く求めてまいります。

 一方、本制度は、和解条項に基づき、制度創設五年経過後に見直しを行うこととされております。しかし、現状では、今後の財源負担について国などから拠出の理解が得られておりません。今後、関係者に協議を働きかけつつ、来年八月以降に見直しの内容を十分に検討してまいります。

 なお、現に助成を受けている患者の方々につきましては、見直し内容が決まるまでの間に急な影響が生じないよう必要な措置を検討してまいります。

   〔スポーツ振興局長細井優君登壇〕

〇スポーツ振興局長(細井優君)

 四点のご質問にお答えいたします。

 まず、オリンピック・パラリンピック招致機運の醸成についてでございます。

 オリンピアン、パラリンピアンと触れ合う機会を創出することは、都民、国民がスポーツの感動や勇気を直接的に体感するなど、スポーツの振興に大いに寄与するとともに、招致機運の盛り上げにも有効でございます。

 これまでも都は、スポーツ博覧会やスポーツタウンなどの場において、また、招致委員会では被災地を含めた各地でオリンピアン、パラリンピアンを招聘し、地域の方々と触れ合う機会を提供してまいりました。

 今後も、このようなオリンピアン等と触れ合うイベントを開催する中で、より積極的なPRを行い、各種メディアやインターネット中継等を通じて全国に発信することで、日本全体での招致機運の醸成を図ってまいります。

 次に、パラリンピアンに対するイベントについてでございます。

 ロンドンで活躍したパラリンピアンに対し功績をたたえ、感動を共有することは、障害者スポーツへの理解と関心を高めるとともに、招致機運の醸成にもつながります。このため都は、十月五日に都民広場において東京ゆかりのパラリンピックメダリスト五名をオリンピックメダリストとともに表彰し、都民とともにその喜びを分かち合うこととしております。また、国等に対して、あらゆる機会をとらえてパラリンピアンの活躍をたたえるように呼びかけてまいります。

 今後も各種イベント等の場を活用し、オリンピアンのみならず、パラリンピアンの活躍をたたえるとともに、みずからの体験や招致メッセージを発信していただくことで、招致機運の盛り上げにつなげてまいります。

 次に、障害者のトップアスリートへの支援についてでございます。

 ご指摘のように、パラリンピアンを取り巻く状況にはさまざまな課題があり、環境整備を行うことが必要でございます。都は、ナショナルトレーニングセンターの利用のあり方など、パラリンピック強化選手がオリンピック強化選手と同等に支援を受けられる仕組みの構築を引き続き国に強く要望してまいります。

 また、障害者スポーツのすそ野を拡大するとともに、全国のトップレベルの競技大会や国際大会で優秀な成績を上げられるよう、障害者アスリートの競技力強化に向けて昨年度から強化練習会を開始いたしました。

 今後、こうした場を通じて、各競技種目の実情に即した競技力向上の推進方策を講じながら、その強化に向けて積極的に取り組んでまいります。

 最後に、全国障害者スポーツ大会に向けた取り組みについてでございます。

 競技会場となる都立施設では、バリアフリー化を進めており、例えば、東京辰巳国際水泳場では、誘導ブロックや手すりの増設を行うとともに、新たに音声誘導装置や集団補聴設備を設置する予定でございます。また、駒沢オリンピック公園総合運動場では、陸上競技場にエレベーターを新設するほか、公園整備の一環として、体育館周辺にあるトイレに音声誘導装置を設置する予定でございます。

 こうした常設の整備に加え、大会当日は必要な場所にスロープや音声誘導装置等を仮設で整備するほか、手話通訳や要約筆記を行う情報支援ボランティア、観客の案内を行う大会運営ボランティア等を配置いたします。また、主要駅における案内所設置を検討するなど、アクセス面も含め、障害者に配慮したきめ細やかな大会運営に努めてまいります。

 全国障害者スポーツ大会に向けたバリアフリー化への取り組みが二〇二〇年オリンピック・パラリンピック招致を目指す東京のアピールポイントとなるよう、会場整備及びボランティア育成に全力を尽くしてまいります

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