平成16年度予算特別委員会(2004年3月26日)中小企業支援と雇用対策について等

平成16年度予算特別委員会(2004年3月26日)


◯野上委員

 私は、都議会公明党を代表して、本委員会に付託されました第一号議案、平成十六年度東京都一般会計予算に付帯決議を付して賛成し、外二十九議案に賛成する立場から、また共産党提案の一般会計の予算編成組み替え動議については、反対の立場から討論を行います。
 平成十六年度予算案は、都税収入が前年度に引き続き四兆円を下回り、一般歳出は四兆二千二百十四億円で対前年度比一・二%減であり、一般会計全体では、対前年度比〇・四%減となる緊縮型予算であります。
 しかしながら、厳しい財政状況の中にあっても、活力ある東京の再生のために、今日の緊急かつ重要な課題である治安の回復、景気対策としての中小企業支援と雇用対策、福祉・医療の充実、都市再生、環境対策等の重点施策には財源を優先的に配分するとともに、とりわけ福祉と保健の分野においては、全体の予算構成比にも配意するなど、きめ細かに都民福祉の向上に目配りされたものとなっていることを評価します。
 また、平成十六年度は、第二次財政再建推進プランの初年度であり、行政のむだの一掃の視点から、内部努力と施策の見直しの徹底、さらには歳入確保の分野での取り組みが強化されております。
 特に、職員定数削減については、三年間の目標のうち千四百四十四人の削減を実現し、加えて退職手当などの職員手当の見直しや、監理団体の統廃合の実施を着実に進めている努力を多とするものであります。
 同時に、平成十六年度予算案に措置されている新たな施策としての市町村地域保健サービス推進事業、介護予防推進モデル地区事業、不妊治療費助成、さらには特別重点支援教育のモデル事業実施などは、これまでの我が党の主張を具体的に反映したものであり、評価するものであります。
 次に、本委員会での審議を含め、我が党議員の質疑、提案等によって明らかになった各種施策について申し上げます。
 まず、今日の最重要課題の一つであります治安対策については、商店街等の防犯カメラの設置や都職員の警視庁派遣、交番相談員の配置など交番機能の強化、地域防犯活動の向上のための防犯ボランティア活動の推進、少年犯罪を抑止するスクールサポーターの導入、青少年健全育成条例の改正等による青少年が犯罪に巻き込まれないための取り組み、地域の防犯人材育成を視野に入れた安全・安心アカデミーの創設、テロや密入国を阻止する東京港の水際対策の推進、留学生、就学生支援対策としての日本語学校や専修学校の相談窓口の設置等による外国人犯罪抑止への取り組みなど、議会での主張を多く取り入れ、ハード、ソフト両面にわたるバランスのとれた総合的対策を推進していることを評価します。
 中小企業対策については、新銀行において保証会社を活用した個人保証の解除を初め、これまで主張してきた再チャレンジシステムの導入が図られることとなり、まさに東京発の金融改革の具体的中身が明らかにされました。
 また、ベンチャー企業育成のための投資法人の設立や中小企業再生を図るための再生ファンドの創設などの取り組みや、制度融資の再構築が進められることになり、中小企業の活性化に資することが期待されます。
 さらに、中小企業の技術革新や新事業展開を支援するため、ものづくり産業支援拠点として、産学公連携によるナノテクノロジーセンターの設置や中小企業の知的財産の創造、保護、活用への総合支援策についても、着実な推進を強く要望するものであります。
 商店街振興につきましては、総合対策である新・元気を出せ商店街事業、進め若手商人育成事業、目指せ都市型商店街づくり事業の三事業が引き続き継続されることになりました。
 また、商人インターンシップ事業では、商業高校生に商業体験を行わせることにより新たな商店街の担い手を創出できるよう、この施策の早期の実施を求めるものであります。
 雇用対策については、ワンストップサービスの就職相談窓口として、いよいよしごとセンターが開設され、求職者の個々の適性に合ったカウンセリング、能力開発、仕事紹介がスタートします。中でも、若年就業支援のジョブカフェも設置され、その運営に当たっては、学校関係者を含めたジョブカフェ運営協議会が設けられるとともに、学校に出向いての学生や就職指導担当教員、保護者を対象とした就職セミナーや就職情報の提供を行うなど、きめ細かな若年就業支援策が推進されることになりました。
 また、高齢者就業支援のためのシルバー人材センターの活性化策として、みずから設定した経営改善の数値目標を達成した場合や、先進的なモデル事業に挑戦するシルバー人材センターに対する新たな補助金システムが創設されることとなり、評価するものであります。
 福祉・医療施策の分野では、新たに職域における歯科健診や保健指導が試行されることとなりましたが、あわせて、歯の健康手帳の活用とかかりつけ歯科医の定着に向けてのモデル事業が実施されることになりました。
 また、児童虐待防止対策について、子ども家庭支援センターを核とした学校、保育所、警察、医療機関、児童委員等を含めたネットワークの強化、教員研修の実施や早期発見チェックリストの作成、教員による家庭訪問の実施など学校力の強化、一時保護所への教員OBの配備などが実施されることとなりました。
 また、非行等に対処するための児童相談所の機能強化、ひきこもり対策、難病医療費の都単独助成疾病の追加、小児医療体制の充実などが図られることになりました。これらの事業の積極的な推進を強く求めるものであります。
 教育については、即戦力として活躍できる教師を養成するために東京教師養成塾が新設されることになりました。また、夜間中学校における日本語教育システムの構築を視野に、教師の加配など充実策が図られることになりました。一層の環境整備を目指すべきであります。
 食の安全については、都民が健康で豊かな生活を営むには食品の安全確保が何よりも不可欠であり、このことを踏まえ、今回、東京都食品安全条例が新設されました。食品関係企業や首都圏各県とも連携し、食品の安全・安心の確保を図る都民のための生産情報提供プロジェクトの推進や、BSE問題等への取り組みを引き続き推進するなど、食の安全確保のための対策を強化することを望みます。
 環境対策については、引き続きディーゼル車対策の推進に加え、ヒートアイランド対策重点地区における集中的な取り組みや東京モデルの構築が新たに図られることになりました。
 また、スーパーエコタウン事業や、廃棄物の不適正処理の撲滅などの産業廃棄物対策については、今後、さらに積極的な取り組みを図るべきであります。
 森林産業については、多摩地域の森を中心とした地域資源の中から新たな資源を発掘し、それらを最大限に活用した森林活用型新産業創出プロジェクトを新たに加えるとともに、間伐材の利用を促進することとしており、産業面はもとより、環境面からも大きな効果が期待できます。
 また、小規模住宅用地などに対する三つの固定資産税、都市計画税等の軽減措置については、現下の経済状況を踏まえ、平成十六年度も継続されることになりました。これを評価するものであります。
 なお、東京都交響楽団の改革に当たっては、提案された付帯決議案の趣旨を踏まえて、楽員の理解と協力を得ながら進め、より一層都民に愛される交響楽団を目指し、拙速を避け、誠意を持って対応するよう強く求めるものであります。
 本予算案は、都民生活にきめ細かに目配りがなされ、多くの点で評価できるものであります。一方、都財政を取り巻く環境はいまだ不透明であり、その厳しさは今後予断を許しません。本予算案の執行に当たっては、より一層都民の期待にこたえられるよう全力を尽くすべきことを強く申し上げるものであります。
 なお、日本共産党の提案の一般会計予算編成替え動議について一言申し上げます。
 日本共産党提案の編成替え案は、都財政の現実を全く無視したものであり、到底容認することはできません。
 すなわち、都財政の将来を見通すこともなく、詳細な財源の裏づけもなく、過去の政策を羅列しただけであり、しかも予算審議の段階では組み替え案を提出せず、すべての予算審議が終了した段階で突如として提出してきており、単なるつじつま合わせとしかいえません。
 共産党の予算組み替え案には反対であることを表明し、私の討論を終わります。(拍手)

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