平成24年予算特別委員会(2012年3月14日)若年性認知症総合支援センターについて等

平成24年予算特別委員会(2012年3月14日)


〇鈴木(貫)副委員長

 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。

 野上純子委員の発言を許します。

〇野上委員

 最初に、防災教育について質問をいたします。

 東日本大震災では、大津波から自分の命を守り抜いた岩手県釜石市の子どもたちが注目されました。いわゆる釜石の奇跡です。あの日、釜石市の小学生約二千人、中学生約千人のうち、津波が来たときに学校の管理下にあった児童生徒については全員無事でした。その中でも、釜石東中学校では、生徒たちが揺れの大きさから、ただごとではないと察知し、避難場所まで走って避難を始めました。それを見た鵜住居小学校では、校舎の三階に避難していましたが、外への避難を決断し、小学生たちは、中学生の後を追ったのです。その際、中学生は小学生の手を引き、避難を助けました。避難所のございしょの里も、まだ危ないとの判断で、さらに高い場所にある老人福祉施設まで移動しました。その五分後です。小学校も中学校も、校舎は津波にのみ込まれたのです。判断を過たず五百六十二人が全員無事に避難することができたのです。これはふだんから、釜石東中学校と鵜住居小学校が合同で避難訓練を行ってきたことが、いざというときに生きたあかしです。

 そこで、災害への危機意識を子どものころからしっかりと身につけさせていくべきと考えますが、知事の所見を伺います。

〇石原知事

 たびたび申しておりますけれども、日本というのは地政学的に世界で最大の火山脈、ファイアリングの上にあるんですね。アラスカから日本列島で分岐して、一つはフィリピンへ行き、一つはマリアナを通じてサイパンまで行っている。しかも、この三宅島の、要するに災害のときに、いろいろ専門家にお話を聞いたときにわかったんですが、ミッドウェーから真西に向かって、日本に向かって一千マイル来たところに、日本人の学者が見つけた海底火山がありまして、ずっと、それがやっぱりアラスカまでつながっている。最初の火山が日本の天皇の名前がついて、神武、綏靖、安寧、懿徳、孝昭とずっと続いていて、アラスカに一番近いところの火山が、名前は忘れましたが、明治時代の--いや、済みません、徳川時代の天皇の名前なんです。天皇陛下の名前というのはたくさんありまして、それほど、とにかく日本列島に、横にも同じように火山脈が走っているという、こういう地政学的な悪条件の上にある国土というのは、世界でめったにないと思います。

 ゆえに、委員がおっしゃるように、そういうものを認識した上で、子どものころから津波、地震というものが必然的にあり得るんだということを教えて、一種の刷り込みとして、そういう退避というものを体得させるということは、絶対に必要だと思いますし、これは大人になってからじゃ遅いので、やっぱり子どものころ、九九算を覚えさせるみたいに刷り込みをする必要は絶対にあると思いますし、その必要性というのがいかに大事かということが、今度の、今ご指摘の釜石ですか、の小学校、中学校の生徒によって明かされたと私は思います。

〇野上委員

 片田教授は、大いなる自然の営みに畏敬の念を持ち、みずからの命を守ることに主体的であれという信念のもとに、想定にとらわれるな、最善を尽くせ、率先避難者たれという避難三原則を釜石の各学校で指導されてきたということです。

 大震災から一年を迎えたこの三月、インタビューに答えた釜石東中学校の校長先生の言葉が印象的でした。奇跡というより、生徒がふだんどおりのことをやり、そこに偶然が重なっただけ。葛藤はいろいろあります。欠席していた生徒の命は救えませんでした。自分の命をどう守り抜くか、この点の教育を怠ってはならない。教育者の使命だと思っていますと。

 そこで、東日本大震災の教訓を風化させないために、これまで取り組んできた各学校における防災教育を、一層充実させていくべきと考えますが、教育長の所見を伺います。

〇大原教育長

 都教育委員会は、東日本大震災を踏まえまして、副読本「地震と安全」を都内のすべての児童生徒に七月までに配布いたしますとともに、新たな補助教材「三・一一を忘れない」を作成いたしまして、防災教育の充実を図りました。

 また、都立学校及び区市町村教育委員会に対しまして、さまざまな場面や条件を想定するとともに、AEDの使用や避難所運営訓練等を消防署や自治会等と連携して実施するよう、避難訓練等の見直しを指導してまいりました。お話のように、この未曾有の災害から得た教訓が薄らいでいくことを防がなければならないと考えます。

 そこで、今年度の取り組みを一過性のものとせず、継続することの大切さを都立学校及び区市町村教育委員会に対して指導することで、今後も防災教育を充実させてまいります。

〇野上委員

 ただいま教育長の答弁にありました、先ほども出ましたけれども、この「三・一一を忘れない」、これは、ここに、表紙に、まず自分の命を守り、次に身近な人を助け、さらに地域に貢献できる人になるためにと書いてあります。この教材の非常にすばらしいところは、この見開き一ページで勉強ができるようになっておりまして、ここのところに、どこの教科で勉強するかが出ております。これだったら国語、それから特活、道徳というふうに、それぞれ使えるようになっております。大変すぐれた教材になっております。中学校版防災教育補助教材、小学校もそうなんですけれども、「三・一一を忘れない」を、授業や特別活動でしっかりと活用して、子どもたちの防災力を高めていくべきと思います。所見を伺います。

〇大原教育長

 小中学校版「三・一一を忘れない」は、社会、理科、道徳等の授業におきまして、防災に関連して学習できるように、小学校版二十二教材、中学校版二十一教材を掲載しております。

 これらの教材につきましては、例えば被災地の児童生徒の作文や絵などは、生命尊重や感謝について考えさせる道徳の授業で活用することができます。また、東日本大震災と関東大震災の被害状況を比較した教材や、日本で過去に発生した主な災害の年表は、社会科の授業で活用することができます。都教育委員会は、今後とも、本補助教材のすぐれた活用事例を収集いたしまして、紹介するなどして、各学校の取り組みを支援してまいります。

〇野上委員

 現場は大変忙しいですから、各学校が時間を工夫して防災教育の授業として活用していただければと思っております。

 東日本大震災では、地震が来たら津波が来ると、津波が来るから高台に避難するということでした。首都直下地震では、東京直下型の地震では、建物の倒壊から身を守ることができた後は、火災から身を守ることが要求されます。首都直下では、五七%が火災で亡くなるとの想定です。ですから、放射熱からどう身を守るのか、あるいは木造密集地域にいたとき、迫りくる炎からどう逃げるのか、そういったことが大変大事ではないかと思っております。

 災害を、自分自身の身近な危険と認識した上で必要な知識を持ち、日ごろから備えていくことが大変有効です。大災害をとめることはできませんが、最悪の事態を想定して、日ごろからの備えをしていくために、この「三・一一を忘れない」を活用し、自分の命を守り、そして地域に貢献できる力を高めていただくことを期待して、次の質問に移ります。

 次は、東京都の教職員互助会が運営している三楽病院の精神科の医師によりますと、教師は、教師生活に支障が出るまで受診しない傾向にあり、休職者の七割が受診直後に病気休暇に入る、いわゆる手おくれ受診だそうです。これは、なぜもっと早く受診しなかったのか、その理由は、学級担任で休めないとか、自分が休むとほかの先生に迷惑がかかるとか、自分が不調なのをほかの先生に知られたくないとか、まだ我慢ができる、まだ耐えられると思っている、さまざまな理由がございます。

 休日受診の機会をふやす等の改革を行わないと、休職者の数を減少させることはできないのではないかと思って、教職員のメンタルヘルスについて質疑をさせていただきます。

 東京都の公立学校の教員の精神疾患による休職者は、平成二十年度の五百四十人をピークとして、二十一年には五百三十二人、二十二年には五百十九人と、少しずつ減少傾向ではありますけれども、依然として年間五百人以上が休職している現状がございます。都教育委員会は、早期自覚、早期対処に重点を置いた施策を展開していただいておりますが、多くの教員が休職となっていることも事実でございます。担任教員が元気になり、職場復帰することも、児童生徒に対する教育を考える上で大変重要です。

 教職員のメンタルヘルスに対しては、リワークプラザ、これは都で休職した先生方の現場復帰の訓練機関ですが、平成二十二年五月に設置されました。二年近くが経過しております、このリワークプラザ東京の今年度の実績と活用状況について伺います。

〇大原教育長

 平成二十三年度のリワークプラザ東京における職場復帰訓練の申請者数は、二月末段階で百三十七名でございました。既に訓練を終了した者が七十九名、そのうち復職した者は十三名、今後復職を予定している者は六十二名でございます。

 職場復帰訓練では、精神科医などの医師による面接を踏まえまして、訓練の開始や終了時期について、都教育委員会が慎重に判断いたしますとともに、臨床心理士と、経験豊富な校長OB等が学校を訪問いたしまして、個別の復帰訓練プログラムの作成、訓練の段階に応じた指導、助言を行っております。

 さらに、復職した教員に対しては、学校へのフォロー訪問を行い、復帰後の状況に応じて、必要な助言、支援を行うなど、区市町村教育委員会や学校経営支援センター等とも連携し、再度の休職を予防するための取り組みを進めているところでございます。

〇野上委員

 精神疾患で休職した教員や、休職に至らなくてもメンタル不調に陥っている教員に対して、カウンセリングが非常に重要です。都教育委員会では、さまざまなメンタルヘルス対策を実施する際にも、臨床心理士の専門性を活用し、カウンセリングを充実していく必要があります。

 都教育委員会が行っているメンタルヘルス事業において、臨床心理士をさらに活用するべきであると思いますが、これはいかがでしょうか。

〇大原教育長

 都教育委員会におけるメンタルヘルス事業では、初任者や昇任した副校長等を対象としたカウンセリングやリワークプラザ東京の職場復帰訓練、メンタルヘルス不調を訴えている教職員同士がグループ活動を行うピアカウンセリング等におきまして、臨床心理士が専門的な立場から助言や支援を行っております。

 さらに、教職員を対象とした臨床心理士による相談窓口につきまして、これまで日曜日は多摩地区のみで開設していたものを、平成二十四年度からは二十三区内においても、土曜日に加え、日曜日も新たに開設するなど、臨床心理士の一層の活用を図ってまいります。

〇野上委員

 少しでも早目に受診できるように、二十三区は、日曜日に教職員を対象としたカウンセリングの相談窓口を拡充する、さらに日常的に臨床心理士を活用していくというご答弁でした。楽しくなければ学校ではない。希望の登校、満足の下校となるように、ご支援をよろしくお願いいたします。

 次に、若年性認知症について、お伺いいたします。

 知事は、本会議の施政方針演説で、働き盛りの年代でも発症する若年性の認知症について、ワンストップの相談窓口を新たに設置し、就労継続、医療、介護の問題など多岐にわたる支援につなげていくと述べられました。現代世代の認知症である若年性認知症は、本人が社会的な居場所を失うだけではなく、一家の大黒柱が職を失うことにより、家族も経済基盤を失い、深刻な生活苦に陥ることも多いです。

 こうしたことから、私は平成二十二年の第二回定例会で、代表質問で、若年性認知症の専門相談窓口の整備を要望いたしましたが、今回、これが実現される運びとなり、大変うれしく思っております。

 まず、この新たに設置される若年性認知症総合支援センターにおける相談の具体的な流れについてお伺いいたします。

〇杉村福祉保健局長

 若年性認知症総合支援センターは、三年間のモデル事業の成果を踏まえて設置するものでございまして、医療、介護、就労の継続など、多岐にわたる若年性認知症特有の相談をワンストップで受けますとともに、関係機関と連携して早期に適切な支援に結びつける役割を担うものでございます。

 相談対応の流れを具体的に申し上げますと、まず本人や家族は電話や来所によりセンターに相談を行います。相談を受け、センターは、本人が現在受けているサービスや、介護者の負担の要因などを把握をいたします。その上で、地域包括支援センターなどの関係機関と調整を行いながら、介護保険サービスや障害福祉サービス、あるいは年金受給などの支援につなげてまいります。また、必要な場合は、医療機関の受診や行政手続に同行するなど、きめ細かな対応も行ってまいります。

〇野上委員

 若年性認知症の方や、その家族は、複雑な制度に戸惑い、心理的にも大変つらい思いをしていらっしゃる方が多いので、このご相談には、きめ細かく対応していただくようお願いいたします。

 一方、広域的なワンストップの専門相談窓口の整備も重要なんですが、身近な地域で相談を受けられるように、地域包括支援センターの強化を図っていくことも同時に必要だと思いますが、これはいかがでしょうか。

〇杉村福祉保健局長

 都は昨年度、若年性認知症の基礎知識や、医療、福祉、年金などの多岐にわたる支援策を掲載いたしました、若年性認知症ハンドブックを、若年性認知症の方が身近な地域の中で相談できるよう、都内すべての地域包括支援センターに配布をいたしまして、センターの相談対応力の強化を図ってまいりました。

 来年度は、若年性認知症総合支援センターにおきまして、モデル事業で得られた相談支援のノウハウを生かしながら、地域包括支援センターに対し、個別ケースに即した助言を行うなど、さらなる強化を図ってまいります。

〇野上委員

 広域的なセンターと地域包括支援センターが密接に連携して、若年性認知症の相談体制が大幅に強化されていくこととなるように、ぜひ積極的な取り組みをお願いいたします。

 都では、平成二十一年度から今年度末までの三年間、若年性認知症支援モデル事業に取り組み、相談に来られた方全員が要介護認定を受け、介護保険サービス等につながることができました。大変有効な取り組みであったと思っております。今後、正式にセンターが開設された後は、若年性認知症の方や、そのご家族が安心して相談できる総合窓口として、広く都民に知られる存在になっていただきたいと思いますが、都はPRにどのように取り組むのか伺います。

〇杉村福祉保健局長

 都は、若年性認知症総合支援センターを広く都民の方に知っていただくため、開設にあわせまして、その業務や連絡先を記載したリーフレットを作成し、地域住民が相談に訪れる地域包括支援センターや、区市町村の窓口などに配布をいたします。また、医師会や事業者団体、認知症疾患医療センター、若年性認知症の家族会などにもこのリーフレットを配布いたしまして、地域の医療機関を初めとする関係者の理解促進を図ってまいります。

 さらに、センターの情報を、東京都の認知症専門のポータルサイトでございます、とうきょう認知症ナビに掲載いたしますなど、さまざまな媒体を通じて都民や事業者等へのPRに努めてまいります。

〇野上委員

 若年性認知症は、いつ、だれがなってしまうかわかりません。前々からセンターの存在を知っていれば、ご家族の中で悩むこともなく、気軽にセンターに相談することができると思います。ぜひ積極的なPRをお願いし、次の質問に移ります。

 次は、成年後見人制度について質問いたします。

 この成年後見制度は、認知症、知的障害、精神障害などによって物事を判断する能力が不十分で、動産や預貯金などの財産管理ができなくなった人が利用する可能性もあります。都内における認知症高齢者、約三十三万人、愛の手帳交付者、約六万九千人、精神障害者、手帳の交付者が六万一千人、合計すると四十万人を超えるわけです。

 これらの方が、親が先にお亡くなりになった後、親族や専門職以外の市民による後見活動も不可欠であると考えております。今般の老人福祉法の改正により、都は来年度から区市の後見の人材が育つように取り組んでいかなければならないと義務づけられました。人材育成について、都の取り組みについてお伺いいたします。

〇杉村福祉保健局長

 成年後見制度は、判断能力が十分でない方々が地域の中で安心して生活する上で大変重要な制度でございます。都は、この制度の活用の促進を図りますため、平成十七年度から、成年後見活用あんしん生活創造事業を実施いたしまして、後見人等のサポートを目的に、区市町村が設置をいたします成年後見制度推進機関の支援を行ってございます。

 この事業では、区市町村が推薦する都民を対象に、都が後見業務に関する基礎講習を実施いたしまして、その修了生に対し、推進機関が実習活動の支援などを行うなど、都と区市町村が協力をして後見人等の候補者を養成いたしております。これまで基礎講習を修了し、実習活動の登録をしている方は、二百六十六名でございまして、このうち七十四名が家庭裁判所の審判を経て後見人等として活動をいたしております。

〇野上委員

 実習活動の登録者、二百六十六人のうち、七十四名が後見人等として活動している。残りの百九十二人はまだ後見人となっていないわけです。その方々が行っている実習活動の具体的な内容についてお伺いいたします。

〇杉村福祉保健局長

 実習活動では、判断能力の低下した方の福祉サービスの利用等を援助することや、区市町村の成年後見制度推進機関が法人後見を実施する場合に、その後見業務の一部を担い、被後見人を支援することなどを行っております。こうした実習活動によりまして、後見業務に必要な経験や能力の向上を図っており、その後、推進機関において、適性等を慎重に判断した上で、後見人等の候補者といたしております。

〇野上委員

 弁護士とか司法書士といった専門職でない市民後見人が、適切に後見活動を行うためには、地域の行政等による支援が必要です。フォローアップの仕組みについて伺います。

〇杉村福祉保健局長

 区市町村では、推進機関が市民後見人の業務の監督を行いますとともに、後見人として活動を行う上で生じます、さまざまな問題について相談に応じるなど、きめ細かな支援を行っております。また、都におきましても、後見業務に関する基礎講習の修了生を対象といたしまして、年一回フォローアップ研修を実施し、市民後見人の資質向上を図っております。

〇野上委員

 区や市で積極的に取り組んでいるところもあれば、そうでもない区があって、大変、区市町村の取り組みにばらつきがあるということなんです。今後、市民後見人の活動をさらに推進していくためには、区市町村における取り組みの一層の推進が大事だと思っております。都としての所見をお伺いいたします。

〇杉村福祉保健局長

 都はこれまで、市民後見人の活用を促進いたしますため、区市町村や推進機関の職員を対象といたしました実務研修、具体的な事例の研究、後見人等の業務に関するマニュアルの作成、そして区市町村が独自に行う後見人養成事業への支援など、さまざまな取り組みを行ってまいりました。今後、さらに市民後見人の活用を進めるためには、これまで以上に区市町村が主体的に、かつ地域の実情に応じて取り組んでいくことが必要でございます。

 このため、来年度は、区市町村職員や学識経験者等から構成をいたします検討会を設置いたしまして、地域における市民後見人養成の実施方法等について検討を行い、その結果を踏まえまして、区市町村における取り組みを一層促進してまいります。

〇野上委員

 検討会を設置していくとのことですが、この成年後見制度は全く大事で、待ったなしの大事な役割を持つ制度であります。都としては、区市の実態を把握し、バランスよく人材育成を図ってください。

 次に、超高齢社会から人口減少に転じていくわけですから、亡くなる方も多く、お墓も大変な数が必要となります。安くて便利で永代供養もある都立墓地は人気があり、抽せん倍率も、一般墓地は八倍と高くなかなか当選しません。また、民間で墓地を新設しようとしても、近隣住民の同意を得るのが難しい場合も多くあります。

 墓地に使用する土地の価格が高い東京都へ、新潟県津南町の上村憲司町長さんから、まちで計画している土地を墓地としてお使いいただくよう提案をいただいております。

 津南町には、区が経営しているグリーンピアがあります。その中に、百十五万坪の広大な余剰地があります。その場所を墓地公園として東京の方々に使っていただきたい、生前に自分の好きな木を申し込み、その根元に死後遺骨を埋葬する樹木葬の形式です。桜の好きな人は桜の下に、梅の好きな人は梅に、ハナミズキ、リンゴの木、広大な土地に色とりどりの実や花が咲き誇る中にゆったりと眠っている状況を想像してください。美しい景色の中に埋葬される樹林の中の墓地はすばらしい景観になります。ぜひ検討していただくよう要望いたします。

 津南町のような取り組みが理想だと考えますが、土地の狭い東京では難しい現状があります。東京都は、都民の高い墓所需要にこたえるべく、新しい形式の墓地の供給に取り組んでいると聞いております。

 そこで、都立霊園における樹林墓地など、新たな形式の墓地の取り組みについて伺います。

〇村尾東京都技監

 平成二十年二月、東京都公園審議会において、都立霊園の新たな墓所の供給と管理についてが答申されました。答申では、自然に返りたいという思いにこたえるため、死後は明るく美しい樹木のもとに埋蔵されるというイメージが醸し出されるような空間として、樹林墓地と樹木墓地が提案され、都として、これらを整備することといたしました。

 樹林墓地は、緑豊かな樹林の下に設けられた納骨施設に、多くの遺骨を一緒に埋蔵するタイプの墓地でございます。樹木墓地は、シンボルとなる樹木の周辺に遺骨を個別に埋蔵するタイプの墓地で、地表面は芝生などで修景するものでございます。

 小平霊園において、平成二十三年度から樹林墓地の整備を行っており、二十四年度には募集を開始いたします。また、樹木墓地につきましては、二十四年度から整備してまいります。

〇野上委員

 都立霊園という限られた空間の中で自然に返りたいという都民にこたえた新たな墓地を供給することは大変大事な事業です。今後とも、都民のさまざまな需要にこたえていただきたいと思います。

 次に、健康政策として、受動喫煙防止対策について質問いたします。

 福島原子力発電所の事故では、多量の放射線が放出されました。小さなお子様を持っている家庭では心配な状況が今でも続いております。東京大学、中川恵一准教授によりますと、受動喫煙により、がんの死亡リスクが

〇・五%上昇するといわれ、一〇〇ミリシーベルトの放射線を浴びた場合に相当するとのことです。

 たばこを吸うのは個人の趣向ということで自由です。しかし、受動喫煙は個人の自由だけでは済まされません。副流煙の方が二倍から五倍、発がん性が高いんです。

 私たちが副流煙の被害に遭うのが事業所と飲食店ですが、今回は飲食店を取り上げます。その店が禁煙なのか、喫煙なのか、分煙なのか、時間分煙なのか、ステッカーを表示して対応していただいておりますが、なかなか店の前にそういうステッカーはなくて、把握するのが難しいです。飲食店については、受動喫煙を防ぐ取り組みを推進していかなければなりません。特に、受動喫煙を受ける機会が多い場所である飲食店の受動喫煙防止について、都の取り組みをお伺いいたします。

〇杉村福祉保健局長

 都はこれまで、受動喫煙防止ガイドラインを策定いたしまして、公共の場所等での対策を推進してまいりました。飲食店に対しましては、店舗での禁煙、分煙への取り組みを呼びかけるリーフレットを作成、配布いたしますほか、具体的な対策の進め方や、事例を紹介する研修会を毎年開催いたしまして、自主的な取り組みを支援してまいりました。

 また、都民が飲食店を選択する際の参考となりますよう、店内の禁煙、分煙の取り組み状況を店頭に表示するためのステッカーを作成し配布いたしております。来年度は飲食店等における受動喫煙防止対策を一層推進いたしますため、店頭表示ステッカーやリーフレットを改定いたしまして、二万六千部配布をいたしますとともに、引き続き研修会を実施いたしまして、飲食店等における取り組みを促してまいります。

〇野上委員

 二万六千店が、新たにしっかりと受動喫煙防止がなされるように推進していただきたいと思っております。

 次に、地元葛飾区に関連して何点か質問をさせていただきます。

 最初に、水道事業について伺います。

 私は十七年前に杉並区から葛飾区に引っ越してきました。そのときに、水道水がカビ臭いと感じました。金町浄水場に高度浄水処理が導入されてから、だんだんとおいしく飲めるようになりました。いよいよ平成二十五年度には金町浄水場の全量が高度浄水処理されるようになることから、おいしさは一層向上するものと期待をしております。

 そこで、現在の水道水の現状を都民はどう評価しているのか伺います。

〇増子水道局長

 水道局では、平成十六年から一人でも多くのお客様に水道水を飲んでいただくため、安全でおいしい水プロジェクトを推進しておりますが、その効果を把握するため、定期的に飲み水に関するお客様満足度調査を実施しております。

 この調査の推移を見ると、おいしさに満足している人の割合は、平成十八年度の二五%と比べて、今年度は四七%と約二倍に増加しております。また、水道水のおいしさに対して不満を感じる人の割合は、平成十八年度の四五%と比べて一七%と減少し、安全でおいしい水プロジェクトの施策は着実に効果を上げております。一方、どちらともいえないという人の割合は三五%を占めております。

〇野上委員

 今ではペットボトル水を外出時に持ち歩いて水を飲んでいる姿をよく見かけますが、まちや公園に水飲み栓があっても、そこで水を飲んでいる人を見かけることはほとんどありません。

 しかし、海外にはまち中にこのような水飲み栓がございます。(パネルを示す)これはストラスブールでございますが、上からは水を飲むことができ、横からはペットボトル等に水を入れることができるようになっております。もし都内にも、こうしたおしゃれな水飲み栓を設置して、そこで水道水を飲んでいる人を、多く人が目にするようになれば、何となく水道水を飲んでいない人にも格好のPRになるのではないでしょうか。

 そこで、蛇口から水を飲む日本の文化を継承していくためにも、外で水道水を快適においしく飲めるような工夫をしていただきたいと思いますが、見解を伺います。

〇増子水道局長

 いまだ、どちらともいえないという人が三五%であり、こうした人々をターゲットにしたPRは、安全でおいしい水プロジェクトの効果をさらに推進するために重要であると考えます。そのため、ご指摘のとおり、外で水道水を飲んでいる姿を多くの人が目にするようになれば、ふだん何となく水道水を飲まない人にも水道水を意識していただくことになり、安全でおいしい水のPRに大きく寄与するものと考えます。

 そこで、諸外国の例を参考にしながら、都内でも多くの人が行き交う場所で、快適に水道水をおいしく飲むことができるデザイン化された水飲み栓の設置を検討してまいります。こうした施策を展開しながら、今後ともより多くのお客様に満足していただける水道を目指し、取り組んでまいります。

〇野上委員

 局長から前向きな答弁をいただきました。ぜひ積極的に検討していただきたいと思っております。

 次に、葛飾区の七曲がりについて質問させていただきます。

 東日本大震災から一年過ぎましたが、今なお、その余震と思われる震度五クラスの地震が関東地域で発生しております。昨年の三月十一日の地震で私が住んでいる葛飾区では、区道から砂が噴き出し、家屋が傾くなどの液状化現象が発生いたしました。すぐ私は現地に急行いたしました。

 河川では幸いにも被害は見られなかったものの、大地震が起きて堤防や護岸が崩れてしまったら、水面より低いところに住んでいる私たちの地域は浸水するおそれもあるので、多くの方々が不安を感じております。改めて大地震に対して、堤防や護岸をより強化なものにする河川の耐震対策の重要性を認識しているところでございます。

 この問題につきましては、三年前も予特で行いましたけれども、改めて中川七曲がりに対する耐震対策の取り組み状況についてお伺いいたします。

〇村尾東京都技監

 地盤が低く、多くの人口や資産が集積する東部低地帯を、大地震による水害から守るためには、河川施設の耐震対策が極めて重要でございます。

 このため、中川の七曲がり区間では、上平井水門下流の外郭堤防の完了に引き続き、平成二十一年度から、上平井橋より上流の二・五キロメートルにつきまして、国の基準に基づき、鋼管ぐいによる補強や、地盤改良などの耐震化工事を計画的に進めてまいりました。現在、東京都防災会議で示されたマグニチュード八クラスの海溝型地震等を想定し、耐震性能の確認を進めるとともに、技術検証委員会で耐震性の向上策について検討を行っております。二十四年度は、これらの結果を踏まえ、新たな整備計画を策定してまいります。

〇野上委員

 現在、進められている耐震工事によって、川におりられる階段がつくられて、護岸前面で通路となるスペースが生み出されておりまして、このテラス護岸のスペースを利用して、三月十一日には第五建設事務所、江東治水事務所の協力を得て、自治町会、市民消火隊を主体とした、防火防災訓練が行われました。本田消防署、地元消防団、ハイパーレスキュー隊、葛飾警察も加わって、大規模な放水訓練とボートの訓練が行われました。この護岸前面のスペースを、水辺に親しみ、散策でき、いざというときに役に立つテラスを整備することは、地域にとっても大変重要であります。

 そこで、この中川七曲がりにおけるテラスの整備状況についてお伺いいたします。

〇村尾東京都技監

 中川七曲がりにつきましては、耐震化工事により生み出される護岸前面の幅、約四メートルのスペースに階段、転落防止さく、ベンチ兼用の植樹帯などを設置し、人々が散策できるテラスとして活用しております。これまで両岸約二・三キロメートルを開放しており、その一部の東立石地区では、隣接する公園と一体となった都のスーパー堤防整備をするなど、地域の方々の憩いの場となっております。

 平成二十四年度の整備区間におきましては、テラスとしてのさらなる活用を図るため、一部階段では踊り場を広げ、東京スカイツリーや富士山などの景観が一望できるビュースポットとする予定でございます。今後は新たな整備計画に基づき、地元区と連携しながら、安全で水辺を楽しめる中川七曲がりの整備を着実に進めていきます。

〇野上委員

 ビュースポット、とても楽しみにしております。今後も引き続き、中川護岸の耐震対策と、葛飾区と連携した魅力あるまちづくりに積極的に取り組んでいただくことをお願いいたします。

 最後に、連続立体事業についてお伺いいたします。

 これは、なかなか、もう時間がないんですが、葛飾区の京成高砂駅について、今後の--もう時間がないです。

〇鈴木(貫)副委員長

 野上純子委員の発言は終わりました。(拍手)

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